2012年10月31日(水)

『ワンダフル・ライフ』

テーマ:自然科学とか
WONDERFUL LIFE The Burgess Shale and the Nature of History (1989)


『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』  スティーヴン・ジェイ・グールド/著、 渡辺政隆/訳、 ハヤカワ文庫NF(2000)

最初に言っとこう。本書、名作です。お薦めです。


1905年、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の山中、バージェス頁岩(けつがん)と呼ばれる岩盤層でみつかった多くの化石。それらの岩石・岩盤中には、およそ5億年前の軟体生物が閉じ込められていた。


発見から半世紀以上も経った1980年代になって再び詳細に調べられ、バージェス化石動物群と呼ばれることになったそれらは、奇妙奇天烈・妙ちくりんなボディー・プランを有する生物達であり、既存の分類体系には納まらないものだった・・・。

そしてそれらの存在は、従来の生命進化観をも見直さざるを得ないものだった・・・。


本書を初めて読んだのは10年以上も前。

生物進化に関して、オリジナルのダーウィンの考えを基本に置きながらも、もうチョイと複雑にした考え方=「断続的進化論」があることを本書によって知ったんだった。

グールドという古生物学者と渡辺政隆という本邦のサイエンス・ライターの存在を知ったもの本書によってだった。

以来、この2人の著書・訳書にはアンテナを張ってきた・・・。


当ブログでもいくつか紹介した。↓↓↓


『ぼくは上陸している』 グールド/著、渡辺政隆/訳

『種の起源』 ダーウィン/著、渡辺政隆/訳

『ダーウィンの夢』 渡辺政隆/著

『地球46億年全史』 リチャード・フォーティ/著、渡辺政隆/訳

『生命40億年全史』 リチャード・フォーティ/著、渡辺政隆/訳


さて、本書を再読して印象に残ったことをメモしておこう・・・。


■バージェス動物を、地道に、詳細に分析・解釈した3人の学者たち。彼らの科学者としての在り方・・・。

■バージェス化石の最初の発見者、ウォルコットに対する過剰とも思える著者による非難・・・。

■生命進化という考え方にもいろいろある・・・

■カンブリア爆発で一気に多様化し、その後、時代の経過に伴って進化の道筋は限られてくる・・・・・

 進化の行き止まり。それを示したのがバージェス動物群。

■偶発性によってただ一度しか生じない現象・事態を解き明かす歴史科学の位置付けとその面白さ。


で、蛇足。 本書読了後に何となく思ったこと。

漸進的進化論者であるリチャード・ドーキンス vs 断続的進化論者のグールド、という対立図式が有名であるが、そんなもんは素人からしてみれば些細な問題。

地球環境が安定してる期間が漸進的進化で、生物にとって壊滅的な地球環境の変化が生じた後には必然的に断続的進化になるのだと考えれば、両者の考えは共存できる。

単純じゃね!?って思えるのだが・・・、単純すぎるのか?

AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2012年10月19日(金)

『新・信長記 天の巻』

テーマ:マンガとか

『新・信長記』  黒鉄ヒロシ/著・画、 PHP研究所



週末に飲み会があった。

1次会は新橋-有楽町間のガード下のドイツ・ビール屋。

2次会は銀座の・・・。

飲み過ぎて、帰りの電車で眠ってしまい、降りるべき駅で降りず、乗り過ごした。
どういう訳か降りた駅は実家の最寄り駅。夜中の電話にもかかわらず迎えに来てくれた弟に感謝。ヘベレケの長男を泊めてくれた母親にも感謝。

翌日、自宅に帰る前に書店に寄ってもらい購入したのが本書。

黒鉄ヒロシの歴画。

細かいコマ割りで、情報ギッシリのマンガ。
信長やその周辺のコトに関して、細かいことが描かれている。

知らなかったことが結構出てきて、その度に、ふう~ん、ってなる。


二日酔いの車中で読んだだけに、内容などアッと言う間の忘却の彼方。。。



AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年10月10日(水)

ワンダフル・ブック

テーマ:読みたい・・・(未読本倉庫)

いったい何処に行ってしまったのか?

我が家の本棚から見当たらなくなって久しかったコレ↓

最近は何処の書店でも見かけることの無かったコレ↓

絶版なのかと思ってたコレ↓


ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)/早川書房

出たばっかりの頃に読んで、エラク感動したのを覚えてる。

一時期ダーウィン本 に凝っていたころとか、別のグールド本 を読んでいる最中、何度もコレを再読したいと思っていた。けど、どこの書店にも見つけることができなかった。


ところが、本日(もう昨日か)、帰宅途中の駅構内の書店で偶然見つけた。

いつも覗いていた書店のハヤカワ文庫棚で見つけた。辺りを見回し、誰もコレがある事に気づいていないのを確かめて手に取った。俺のもんだァ!



今晩から枕元に置いて、少しづつ読むんだ (^O^)


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年10月09日(火)

『古典のすすめ 第1集』

テーマ:メモランダム

今年の岩波文庫フェアの小冊子は、『古典のすすめ 第1集』。

岩波文庫は、その殆んどが“古典”と云えなくもないように思える・・・が? ま、いっか。

若い時分に読書をしなかった反動の一つに、つい岩波文庫を祭り上げてしまうという悪癖がある。で、こんなPR雑誌を貰って読んで喜んでる。


8人の学者先生がそれぞれに、岩波文庫やその中のある作品を題材にしてエッセイを書いている。


「物語を読むことの意味を求めて」という脇明子氏のエッセイが良かった。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年10月07日(日)

『お伽草子』

テーマ:なんでも読んでみよう

『お伽草紙』   太宰治/著、 新潮文庫


夏休みに娘が読んでいたのを見て、面白そう、と思いながらも忘れていた。

そんなところ、Mirokuさんが記事 にしていた。それに釣られた。 


作者は太宰・・・。妖しい。怪しい。いかがわしい。


「瘤取り爺さん」、「浦島太郎」、「かちかち山」、「舌切り雀」を題材に、太宰がリライトした短編集。

それが『お伽草子』


4編とも本題に入る前に作者太宰が前口上らしきコトを云ってる。物語の途中にも、太宰のモノの見方が現れている。そうした御託が物凄くいい味を出している。

若い頃に読んでいたら「なんだこりゃ!?」で終わっていたであろう太宰のグダグダの言い訳が、中年の身には楽しく感じられる。身に詰まされる部分もある。

若者が読むよりも、ある程度齢のいった大人が読んだ方が面白いのではないかと思える。

解説でも述べられてたし、Mirokuさんも書いていたが、4作の中で「カチカチ山」は最高傑作。

太宰版の「カチカチ山」では、狸と兎の性格の捉え方、解釈の仕方によって、オリジナルとはガラッと話が変わる。



↓岩波のはどんなんだろう? ↓↓↓

御伽草子 上 (岩波文庫 黄 126-1)/岩波書店
御伽草子 下 (岩波文庫 黄 126-2)/岩波書店

  

お伽草紙・新釈諸国噺 (岩波文庫)/岩波書店

いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2012年10月04日(木)

『フリント船長がまだいい人だったころ』

テーマ:ミステリーとか
WHEN CAPTAIN FLINT WAS STILL A GOOD MAN (2012)




『フリント船長がまだいい人だったころ』 ニック・ダイベック/著、田中文/訳、ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2012)

ワシントン州ロイヤルティ・アイランド。
この街の住人達は、直接的にしろ間接的にしろ、アラスカでのカニ漁による生業で生活している。そんなロイヤルティ・アイランドの漁業船団やその他の施設・工場・機材を一手に所有する街でただ一人の本物の金持ちジョン・ゴードン。
ゴードン家代々の家長たちによる先見性ある投資により、ロイヤルティ・アイランドの漁師たちは、大抵の漁場で恵まれた成果を上げ、それによって暮らしも成り立っていた。

物語は、ジョン・ゴードンが亡くなる場面から始まる。

ジョン・ゴードンの全財産を引き継ぐのは、一人息子リチャード。

彼は、ゴードン家代々の男達とは異なり、アラスカへの船団の一員として漁に携わったこともない。都会の大学へ行き、中退し、流浪の旅に出て、故郷にはめったに帰ってこない。


今後、ジョン・ゴードンの事業はリチャードに引き継がれるのか否か? それが心配な町の者たちの集まりを前にして、リチャードは、カニ漁に関わる一切を売却する、と言い出す・・・。


カニ漁シーズンが始まるのを目前にして、3人の船長たち=ヘンリー、サム、ドンは、リチャードに考えを翻すよう、話し合いを繰り返す。

そして、ある日、カニ漁船団がアラスカに向かうことが決定した。船団にはリチャードも同行するという。
船団がロイヤルティ・アイランドを離れて数日後、「リチャードが船から海に落ちて行方不明となった」、との報が街にもたらされた・・・。



さて、

ここからが、この物語の本当の始まりである。

静かな物語の始まりである。

何のアクションシーンもない、会話と人々の仕種と心情の吐露だけが濃密に描かれた物語の始まりである。


3人の船長の中では、リーダー格のヘンリー。その息子カル。

もう一人の船長サム。その息子ジェイミー。

ともに14歳の彼らは、ある家の地下室に囚われたリチャードの存在を知る。

囚われたリチャードの世話をしているのは、3人目の船長で独身のドン。怪我のため、ドンは今回の漁には行っていなかった・・・。


ドンの目を盗み、カルとジェイミーは毎日リチャードの元を訪れ、ジャズ・レコードを聴いたり、トランプをしたり、取り留めのない話などをする。

リチャードが監禁されていることを知るカルとジェイミーだが、その秘密は町の誰にも打ち明けられない。自分たちの父親が関与しているのを承知しているから・・・。

一方、監禁されたリチャードは、カルとジェイミーに「逃がしてくれ」と何故云わないのか?云えないのか?


監禁されたリチャードと、彼を監禁した船長たちの息子= カルとジェイミー。

カルのモノローグという形態で、3人の奇妙な関係が延々と綴られる。

読者は常に、“リチャードの脱出”を頭の片隅に置きながら、この奇妙な状況下における3人の若者それぞれの心情を慮って行くことになる。

言葉には表し難いヒトの気持ちの変動や、生れつき変わらないセンスや、本人にも想定し得ない行動を採ってしまう、心の奥底に存在する何か、についてが描かれる。


そして、衝撃のラストを迎える。静かに。。。


渋すぎる作品。 おそらく好みは分かれるものと思う。

だが、残像がいつまでもチラつく作品。

私はこういうの、高評価しちゃう。お薦めです。




本書タイトルに挙げられている“フリント船長”・・・、御存知ですか? 『宝島』の登場人物です。

タイトルはメタファーになっている。意味深です。


宝島 (光文社古典新訳文庫)/光文社






いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。