2012年06月30日(土)

『ベヒモス クラーケンと潜水艦』

テーマ:ファンタジー・SFとか

十日以上もほっぽっておいた当ブログ。

この間、長谷川時雨の『旧聞日本橋』と、ウエスターフェルドの『ベヒモス』を読み終えていたのだが、記事を書くのが面倒になってた。


旧聞日本橋 (岩波文庫)/岩波書店

・・・が、休日の本日、なんだかその気になったので、取り敢えず『ベヒモス』の方について書いておこう。。。

で、いきなり脱線するが、今読んでる『最も美しい数学 ゲーム理論』という本の中で、著者がトーマス・ホッブスの『リヴァイアサン』のことに少しだけ触れている(p222)。
もっとも美しい数学 ゲーム理論 (文春文庫)

↑コレとちょうど並行して読んでたのが『ベヒモス』と云うSF。

まったく異なる内容の2冊の本の間に出てきた「ホッブス」という偶然性・・・。



スコット・ウエスターフェルドは自著SF作品に、『リヴァイアサン』、『ベヒモス』という、ホッブスの政治哲学書と同じ題名を付けてる。

ホッブスの政治哲学書を意識して題名を決めたのか? だとしたら、ホッブスを読まないと、このSFの面白さの本当のところは判らないのか? などと恐れていたら、3作目の題名が『ゴリアテ』だってことなので、どうやら3作品とも単純に旧約聖書に出てくる巨大獣(巨人)の名前から採ったらしい、ということが判明・・・。

ホッブスとは関係なさそうだ・・・、な~んだ。ホッ!

・・・って話。

すみません(^_^;)



↓ここからがメイン。


Behimoth (2010)
『ベヒモス ―クラーケンと潜水艦―』  スコット・ウエスターフェルド/著、 小林美幸/訳、 新ハヤカワ・SF・シリーズ(2012)


第一次世界大戦時代の歴史改変であり、スチームパンクでもある物語の第2弾。

第1弾 『リヴァイアサン』 の記事はコチラ。


オスマン帝国を自らの陣営に加えたい<ダーウィニスト>イギリスと<クランカー>ドイツは、帝国の首都イスタンブールにて、その覇権を争っている。

急速に親ドイツ化しつつあるオスマン帝国に向かうイギリス海軍の巨大飛行獣<リヴァイアサン>。


主人公=暗殺されたオーストリア大公の息子アレックは、<リヴァイアサン>を脱出し、オスマン帝国スルタンに反抗する革命軍に参加することとなり、

もう一人の主人公=<リヴァイアサン>の士官候補生デリン・シャープは、密命を帯びてイスタンブールに侵入する・・・。

イスタンブールを舞台に物語は急展開する・・・。


物語の世界観と主人公たちの人となりを構築するための書き込みにページを費やさざるを得なかった第1弾に比べれば、この第2弾のプロットは格段に面白くなっている。スピード感も増し、冒険譚らしい内容になっている。

第3弾も楽しみ。



またまた蛇足だが、本書のめずらしい「あとがき」について触れておこう。

「作者あとがき」と「訳者あとがき」がある。

「作者あとがき」は普通なんだが、その後の「訳者あとがき」が笑える。

原著には存在しない副題に対し、訳者はいらないと主張したにも拘らず、編集部に押し切られて付けたそうだ。

訳者の編集部に対する愚痴が載ってるんだ・・・(^_^)


小説の内容から云えば、訳者の言い分に軍配が上がる。。。

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2012年06月19日(火)

『天地明察』

テーマ:ミステリーとか

  
『天地明察(上)、 天地明察(下)』   冲方丁/著、 角川文庫(2012)


週末は見舞いに行った。その往復車中と宿泊先での寝床で上巻を、本日の出張の行き帰りの車中と帰宅してからの風呂で下巻を読んだ。

下巻クライマックス以降は、読むのを辞められずに湯船に1時間半近くも浸かってしまった。



評判の本作であるから、内容について今更記すことはしない。

概要を知りたい人は、こちら↓のyone1868さんのブログ が参考になるので、ご覧あれ。

  冲方丁 『天地明察(上)』 (角川文庫)

  冲方丁 『天地明察(下)』 (角川文庫)


ここでは、私自身の無知を曝け出しつつ、思ったことだけを書いておこう。


江戸幕府四代将軍の治世なんて、学校で習う日本史では欠落していたのではなかろうか。私が覚えていなかっただけなのかもしれないが・・・。

関孝和の名前は知っていても、渋川春海は知らなかった。

保科正之の来歴や業績なんて知らなかった。

この時代に改暦事業があったなんて知らなかった。

小説に影響されて歴史上の人物や歴史そのものに興味を覚える・・・。そんな切っ掛けとなる物語の一つと云えるのではないかと思った。



今さらですが、もちろんお薦めです。

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2012年06月16日(土)

『特捜部Q Pからのメッセージ』

テーマ:ミステリーとか
FLASKEPOST FRA P (2009)
『特捜部Q ―Pからのメッセージ―』  ユッシ・エーズラ・オールスン/著、 吉田薫・福原美穂子/訳、 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2012)


このシリーズの翻訳ペース、異常に速い。もう第3作が訳された・・・。

早速読んでみた。


未解決事件を扱う「特捜部Q」の捜査官カール・マーク警部補とその助手でシリア人のアサド。そしてローセ。

この3人が今回解明するのは、「助けて・・・」と書かれたボトルメールの謎。


手紙の文末には、Pの頭文字で始まるサイン。10年以上も経過した手紙の損傷は激しく、解読は困難を極める。だが、どうやらPは誘拐され、監禁されていたらしい・・・。

しかし、過去の記録に該当する事件は見当たらない・・・。


にしても、前2作にも増して、抜群の面白さだ!


話の展開は意外性の連続だし、しかもそれが程良いテンポで繰り出されるし、そんでもって登場人物たちの感情の動きの描きようも実に巧い。

だから物語にのめり込める!

560ページ2段組みの物語だが、決して長くは感じない。



このシリーズ、どんどん面白くなってきてる。

しかも、シリーズ中に仕掛けられた謎自体もまだまだ解かれておらず、この先のシリーズ自体の展開も見逃せない。

お薦めです。


前2作はコチラ ⇒ 『特捜部Q 檻の中の女』  『特捜部Q キジ殺し』

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2012年06月11日(月)

『死せる獣 殺人捜査課シモンスン』

テーマ:ミステリーとか

『死せる獣 ―殺人捜査課シモンスン―』  ロデ&セーアン・ハマ/著、 松永りえ/訳、 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2012)



翻訳ミステリに関する記事が随分と久しぶりになった。


デンマーク産ミステリの初モノ。


小児性愛者5人の惨たらしいリンチ死体が発見される。

5人の死体は小学校体育館の天井から幾何学的な配列でぶら下げられていた。

被害者たちは当然の報いを受けたとする犯人擁護の世論はデンマーク国内を席巻する。

ネット、大手新聞社を使い世論を誘導する犯人。その戦略は巧みである・・・。


殺人捜査課を率いる警部補シモンスンには、早期解決のプレッシャーが圧し掛かる・・・。



本作、キャラクターの描き分けが実に巧い。

シモンスンを筆頭に、殺人捜査課の面々が緻密に個性的に描かれている。捜査課のすべてのメンバーが立っている。


プロットもアイデアも見事だ。

本作のプロット面での最大の特徴は、事件解決に至る捜査過程にある。

シモンスンは、犯人の特定と狙いを明らかにするために非合法な仕掛けを計画する。

その捜査方法に関して、捜査課の面々に疑問や反発も生じるのだが、結局、シモンスンは主張を押し通すことになる。

合法的な捜査過程を経た証拠以外は裁判に認められないとするヤワな主人公が出てくる作品とは一線を画す。シモンスンは犯人逮捕のための手段を選ばない。

正義だとか不正だとかを超えた範囲の、感情的とも云える捜査・・・。そんな捜査方法を採る主人公・・・・・私は好みだ。


お薦めです。





そうそう、今日から読み始めたのも、またまたデンマーク産ミステリだ。『特捜部Q』シリーズの第3弾、「Pからのメッセージ」。


最近のスウェーデンやデンマークのミステリが翻訳される風潮、イイね!

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2012年06月09日(土)

『快楽主義の哲学』

テーマ:エッセイ・随筆とか

『快楽主義の哲学』  澁澤龍彦/著、 文春文庫(1996)、初出は1965年だそうだ


ブックオフの105円本。

50年近く前の作品だが今でも読める!


澁澤の文章は簡潔で読み易い。

飲み会後の帰宅の車中で読んでも書いてある事はそれなりに理解できる。


ギリシャの哲学者エピクロスが云うところの「快楽主義」はイイ。

「エピキュリアン」って云うんだ・・・。


過日読んだ『逝きし世の面影』で語られる江戸期の日本人は、まさにこのエピキュリアンじゃないかと思える。


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