2012年01月29日(日)

『神秘の島』

テーマ:ファンタジー・SFとか
 
    
『神秘の島〈第1部〉』  ジュール・ヴェルヌ/著、 大友徳明/訳、 偕成社文庫(2004)
『神秘の島〈第2部〉』  ジュール ヴェルヌ
『神秘の島〈第3部〉』  ジュール ヴェルヌ


ジュール・ヴェルヌ作品。

「海底二万里」や「八十日間世界一周」や「十五少年漂流記」は知っていても、この作品は知らなかった。一部のヴェルヌ・ファンの間では超傑作として有名らしい。。。

amazon内サーフィン中、余りの評価の高さについクリックしてしまった。娘もヴェルヌ好きだし、いいかって思って。


ヴェルヌ作品と云えば、岩波文庫とか新潮文庫とか創元推理文庫なのだが、本書は児童書の出版で有名な偕成社から出版されている。

“偕成社文庫”と称されているが、一般の文庫本とは異なる大きさ。青い鳥文庫とか岩波児童文庫と同じサイズ。

ジュブナイル版、ってことか?



では、概要紹介。

時代は南北戦争の頃。

南軍に捕らえられた北軍の捕虜達が気球を使って脱出を試みるところから物語は始まる。

4人の男と1人の少年、それと犬一匹が、監視の目が届かなくなる嵐の日に気球に乗り込んだ。 

で、やはり嵐に巻き込まれ空を漂流する。 5日間も。

気球の空気も抜け始めてきて太平洋の孤島沖に不時着する。不時着する際、気球の高度を上げ下げするために、気球に持ち込んだすべての物資を海中に投げ捨ててしまった。


島に上陸した5人と1匹のサバイバルが始まる。

生き残るために次から次へと解決しなけりゃならない問題が出てくる・・・。

リーダー格の技師サイラスをはじめとして、各人は何らかの専門的知識、実務能力を持っている。少年でさえ博物学に詳しい。だから、島の北西部の火山周辺で採取可能な鉱物からは様々な材料や燃料を精製することもできるし、島に存在する豊富な動植物を上手く利用することもできる。

島の緯度経度を計測したり、湖の一部の堰を爆破して水位を下げたり、岩盤内に居住空間を作ったり、畑を耕したり、野生動物の家畜化を行ったりと、彼らのサバイバルの様、やがては住居周辺を開拓してしまうようになるまでの様子が具体的に描かれる。しかも実に活き活きと。

こうした場面の描写は男子なら(女子でも? 私のようなオッサンでも) 夢中になって読んでしまうだろう。


あっと言う間に1巻を読み終ってしまう。しかも1巻の終わりが意外な終わり方をするもんだから直ぐに2巻に跳び付くことになる。1巻終わりでの食事場面。ブタ肉から出てきたのは銃弾だった。

絶海の孤島、無人島であるはずなのに・・・、ブタの体内にあった銃弾の存在は、この島に別の人間がいることを示すのか??


大洋を航海するような大型帆船は無理でも、ちょっとした帆船を作れるようにまでなった開拓者たち。2巻では船を作って隣りの島に冒険に行くところが描かれる。隣り島から流れ着いたと思しきボトルに入っていた手紙から、遭難者がいるらしいことが判ったからだ。

島での生活も軌道に乗り始めてきた。数々の幸運にも恵まれ、幾多の危機を切り抜けてきた開拓者達。

だが、サイラスは恵まれすぎる状況に疑問を感じていた・・・


3巻では海賊船の来襲を受ける。その危機もなんとか切り抜けるのだが・・・、

3巻の後半ではブッ飛びの展開が待ち受けている。

これまで男たちが危機に陥るたびに働く神秘の力。

その謎が一気に解かれるのだ! そう来たかァ-!って感じで、その場面を読んだときは鳥肌が立つほど喜んでしまった。

最後の最後まで、意外性のある展開を味わい、驚きと喜びを感じることのできる作品です。チョーお薦めです。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年01月22日(日)

『夏目友人帳』

テーマ:マンガとか

        

     
夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS (2842))/緑川 ゆき


昨日の買い物で行ったショッピングセンター内のツタヤで見かけたコミック。

表紙の絵が好みだったので、なんとなしに読みたいなァと言ったところ、娘が、持ってる! とのこと。

で、借りて読んだ。


ほのぼの妖怪マンガ?

シンプルな線で描かれた比較的単純な構図の画。

物語もソコソコ良い。

話力と画力のバランスが中学生には丁度いいんだろうね。


AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2012年01月20日(金)

『新編 百花譜百選』

テーマ:エッセイ・随筆とか
『新編 百花譜百選』  木下 杢太郎/画、 岩波文庫(2007)




カラー印刷が施されているため、文字だけが書かれている作品とは紙質も違う。だから定価1500円もする。

いつだったかは忘れたが数年前、書店で立ち読みをした際、本書の綺麗なスケッチを見て、欲しいなァと思っていたのだが購入はしなかった。

それが過日、大宮(宮原)のブックオフにほぼ真っ新の状態で半額800円で並べられていたのを見て跳び付いた。


「絵」のある岩波文庫。 と云うか、むしろ図鑑。


医師、詩人、作家の木下杢太郎が戦時下の灯火管制が布かれている中で画いたとされる草木花が百枚掲載されている。


本を開く。

左のページに画が載っている。画には短い手書きの字句が添えられている。

右のページには字句を鮮明にした活字が再掲されている。画の説明やそれを描いた時の状況や気持ちについての短文である。

つまり2ページを使って一つの草木花が紹介されていることになる。


草花の画を見ているだけで落ち着く。

こういう本は、一気に全部を読んだり観たりしなくてもいい。

事あるごとにその都度開けばいい。

別段、何事も無くても開いて、何の気なしに眺めるだけでいい。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年01月19日(木)

『真鍮の評決』

テーマ:ミステリーとか
THE BRASS VERDICT (2008)
   
『真鍮の評決 リンカーン弁護士』  マイクル・コナリー/著、 古沢嘉通/訳、 講談社文庫(2012)


マイクル・コナリー&古沢嘉通 の新作。 相変わらずのテッパン面白作品だ。

風邪で一日休暇を取った水曜日に寝床で一気に読んでしまった。


主人公ミッキー・ハラーを始めとした登場人物達の言動は魅力的だし、ロス市警強盗殺人課刑事のハリー・ボッシュは脇役だが、存在感タップリの渋い役回りで登場しているし、話の運びは滑らかだし、アッという間に読めてしまう。 1日で読み終えてしまうのは実にもったいないのだが・・・、



然る事件で銃傷を負い、治療の過程で薬物依存となり、そこから立ち直るために弁護士業務を休んでいた主人公マイクル・ハラー。身体的・精神的な傷もそろそろ癒え、仕事に復帰しようとしていた矢先、ロサンジェルス郡上級裁判所主席判事から呼び出しを受ける。

呼び出しの内容は、ハラーの知り合いの弁護士が射殺された、その弁護士が受け持っていた弁護業務31件を引き継ぐ気はあるか?との問い合わせだった。その中にはハリウッド映画業界の大物が、妻とその浮気相手を射殺した事件で、全米が注目している案件も含まれていた・・・。ハラーはその大物案件を引き継ぐことにした。


有罪必至の被告=依頼人。だが、何故かその依頼人は自分が無罪となることに確信を持っている・・・?

射殺された前の弁護士と依頼人にはどのような法廷戦術があったのか・・・?

殺された前弁護士が無罪の決め手としていた「魔法の銃弾」とは・・・?


・・・とまぁ、ストーリーには幾つかの謎が提示され、その謎の解明を果たすために主人公が奮闘する様がメインプロットとなっているわけだ。

が、そこはコナリーが描く物語だ、単純な謎解きだけでは終わらない!

プロットに絡めて主人公の生き様が描かれるのだ。


無罪であるはずの人間が有罪になることを避けるために構築されたシステム、陪審員制度や「推定無罪」の概念、これらが使いようによっては、有罪の人間を無罪にし得る・・・・。

司法制度が抱える矛盾、どんなシステムにも完全なものなどあり得ないということ、を判事も検察官も弁護士も捜査官も被告も、誰もが知りながら、それでも正義の存在を信じ、それを遂行しようと試みるアメリカの姿が描かれている。

主人公の弁護士ミッキー・ハラーと、立場的にはその真逆にいる刑事ハリー・ボッシュ。異なる立場の両者ではあるが、共にアメリカの良心を体現していることには変わりがない。

コナリーは、そんな二人の男を実に味わい深く描く・・・。 読み終ってしばらく余韻に浸れるんだよなァ。。。


本書を読んで改めて思ったね。やはり、コナリーは当代きってのストーリーテラーだって! コナリーはテッパン!

お薦めです。

いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2012年01月18日(水)

『生物から見た世界』

テーマ:自然科学とか
『生物から見た世界』  ユクスキュル/著、 日高敏隆・羽田節子/訳、 岩波文庫(2005)


風邪をひいた。

週末に法事で実家に帰った際に弟からうつされた・・・んだと思う。

火曜日午後に客先との打ち合わせがあったので、月曜日と火曜日は少々無理して仕事をしたが、今日は休暇を取った。

昨夜は打ち合わせ終了後、早々に帰宅し、夕食も採らずに寝ていた。12時間以上も寝ていたが、さすがにそれ以上は寝ていられず、寝床で本を読んでいる。

途中までだった本書を読み終り、今はコナリーの新作を読んでる。コナリーの新作ももう直ぐ読み終っちゃいそう。。。



さて、本書、「絵」のある岩波文庫


「環境」が客観的世界であるのに対し、「環世界」という個々の生物が見ている主観的世界について、世界でも最初期に提唱したのがユクスキュルというドイツの生物学者で、その人が書いたのが本書。 訳者は故・日高敏隆博士


生物の空間・時間認識について書かれている。

全ての生物に共通する空間や時間などない、空間や時間は生物によって異なる捉え方をされている、ということが解り易く書かれ、また、訳されている。 


僅か160ページ程度。ポケットに入れといて、外出時のちょっとした空き時間に読むのに絶好の厚さ。しかも名著。

お薦めです。


いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年01月15日(日)

『不良のための読書術』

テーマ:エッセイ・随筆とか
『不良のための読書術』  永江 朗/著、 ちくま文庫(2000年)


単行本が刊行されたのが1997年ってんだから、ずいぶん前の本だ。

本の流通のことだとか、本の値段の内訳のことだとか、15年も前の内容で、今の時代どこまで信頼性があるかは判らない。

現代の出版事情を語る際には欠かすことのできないamazonのことにも当然のことながら触れていない。

さらに、読書「術」ってほどオオゴトなことも書かれていないように思える・・・。

だから読んでもしょうがない・・・・・ってわけじゃない。


時代が新しい/古いとか、流行にのってる/遅れてるとか、というのとは違うトコで結構頷ける箇所がある。
例えば、「本当の自分」とか「自分らしさ」、「オリジナルな考え」なんてものは幻想に過ぎない・・・、

よほどの天才でもない限り、本当のオリジナルなんて追求するな!・・・、

・・・・・というような趣旨のことをハッキリ言っている点。


他人の考えや何処かで聞いたことのある事、ごくごく僅かな自分の経験、これまでに読んできた本の中に書いてあったこと、などなどの断片が混然一体となって、それらが混ざり合って、今の自分がある。。。

混ざり合ったものの上澄みであったり、沈殿したものであったり、ゲル状になって浮遊しているモノが、時と場合に応じて表出する・・・。

そういうのがヒトなんだ・・・って。


↑本書はこんなコト言ってなかったかもしれないが、兎にも角にも本書を読んでたらそんなことを思った。。。



いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2012年01月08日(日)

『猫』

テーマ:エッセイ・随筆とか
『猫』  クラフト・エヴィング商会プレゼンツ、 有馬 頼義・他/著、 中公文庫(2009)


クラフト・エヴィング商会が編集した猫にまつわるエッセイ集。

1955年の単行本を底本に、クラフト・エヴィング商会が2004年に再編集した単行本をさらに文庫化したもの。

↑の画像は単行本のもの。



エッセイの書き手はいずれも大家と云われる人たち。

有馬頼義、猪熊弦一郎、井伏鱒二、大仏次郎、尾高京子、坂西志保、滝井孝作、谷崎純一郎、壺井榮、寺田寅彦、柳田國男。

それと、クラフト・エヴィング商会が描いた作品がおまけで載ってる。


この中では、有馬、大仏、寺田の書いたものが良かった。


なぜか猫絡みのエッセイを読んだり、Youtubeの猫動画を観るのが好きだ。

内田百閒の 『ノラや』 なんて、もう最高だ!


なんだか猫が家に居るのもイイな。。。と思う今日この頃・・・。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年01月06日(金)

『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』

テーマ:ファンタジー・SFとか
LIVIATHAN (2009)
『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』    スコット・ウエスターフェルド/著、 小林美幸/訳、  新☆ハヤカワ・SF・シリーズ(2011)


「新☆ハヤカワ・SF・シリーズ」 が始まった。2013年6月までに10回の配本を予定しているみたいだ。

本書はその第1弾。


本書の概要についてはハヤカワのWEBをご覧いただきたい。


で、本書の感想だが、

まずは、舞台となる架空歴史の設定や世界観がイイ。SFはこれが大事ネ!

そんでもって、挿絵が多量に挟み込まれているので、作品世界のイメージを補強してくれるもイイ。

本書の作者、なかなかのストーリー・テラーである。一気読み必至。


だが、中途半端なところで本書は終わる・・・。つまりは、気を持たせて、続きは???ってなる。


本作の続き、第2作『ベヒモス』は2012年6月、第3作『ゴリアテ』は2012年12月に出版予定だそうだ。

どうせなら、全部まとめて矢継ぎ早に出してほしかった。

まァ、今年の楽しみの一つができたと思えば嬉しいものである。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2012年01月02日(月)

『ビゴー日本素描集』

テーマ:歴史とか

『ビゴー日本素描集』  清水勲/編、 岩波文庫(1986年第1刷、1992年第17刷)


ビゴーはフランス人。子供の頃、浮世絵を見て日本に憧れ、21歳で来日し、日本人の妻を貰い、以来18年程滞在した画家、漫画家。

前回読んだ(見た) 『ワーグマン日本素描集』 が、幕末・維新期の日本を描いたものなら、こちらは明治中期の日本と日本人をメインに描いている。

本書には約60点のスケッチが載ってる。

東京・神戸間の鉄道が敷設された際の車中の人々や、兵士、芸者、娼婦、女中の一日、などが描かれている。

続編も探さなきゃ。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。