2011年01月30日(日)

『蘇えるスナイパー』

テーマ:ミステリーとか
I, Sniper (2009)
   
『蘇えるスナイパー (上)(下) 』 スティーヴン・ハンター/著、公手成幸/訳、扶桑社ミステリー文庫(2010)


生ける伝説のスナイパー、ボブ・リー・スワガーが活躍する勧善懲悪アクション小説。

シリーズものです。

完全無欠・無敵の主人公が、ワルモノを撃つ!殺す! ただただそれだけの話です。

プロットや内容を紹介するほどの小説ではないですナ。


数年前にこのシリーズの初期の作品を読んだ我が家のカミさんなどは 「ただの暴力小説だ」 と云って毛嫌いしている。

しかし、アホアホな私は、悪人が問答無用で徹底的に叩きのめされる---現実の世界ではほとんどありえない---このような物語を読むとチョイと爽快になってしまう。

年度末の忙しい時期、仕事のコトを考えずに済む、このようなマッチョ小説は束の間の清涼剤。

ホント、我ながら単純だと思うよ。。。


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2011年01月25日(火)

『愛おしい骨』

テーマ:ミステリーとか
Bone by Bone (2008)
『愛おしい骨』  キャロル・オコンネル/著、 務台夏子/訳、 創元推理文庫(2010)


20年前。

当時17歳だったオーレン・ホッブズと二つ年下の弟ジョシュアは森に出かけた。だが、森から家に帰ったのはオーレンだけだった・・・。 ジョシュアは死んだのだろうと誰もがわかっていた・・・。


弟が行方不明となって以来故郷を出ていたオーレンの元に、ホッブズ家の家政婦ハンナ・ライスから帰郷せよとの連絡が入った。何者かが毎夜、ホッブズ家の玄関先に骨を1つずつ置いてゆくのだそうだ。

ハンナによれば、元判事で地元の名士であったオーレンの父ヘンリーは、骨を1つずつ棺桶に入れ弟の部屋に保管していると言う。警察に届け出ることもなく・・・。しかも時折、夢の中を彷徨い、亡くなった母と会話をすることもあるという。


合衆国陸軍犯罪捜査部の腕利き捜査官だったオーレンは20年ぶりに故郷に戻った。

骨は弟のものなのか? なぜ今頃になって?? 父ヘンリーの様子がおかしいのは何故??
世界中の紛争地域で死体・遺体を見てきたオーレンは気付く。毎夜玄関先に届けられた骨は一人のものではない、ということに・・・。

父の意向に逆らって、地元保安官事務所に事件のことを届け出るオーレン。保安官バビットは20年ぶりに捜査を再開する。

保安官バビットによって半強制的に捜査に協力させられる破目になったオーレン。 彼は、弟の身に起きた出来事を解明する過程で、弟の失踪以来今も町に暮らす知人たちの秘密の一つひとつについて向き合う事となって行く・・・。


主人公による事件捜査を介しながら、コヴェントリーという静かな街に暮らす人々が抱える愛憎を炙り出した物語で、ミステリーというギミックを使いながらも、どちらかというと純文寄りの作品と云える。

読み応え充分、かつ、ページを捲る手を休ませてくれないオモシロ小説。 お薦めです。


読後最も印象深かった登場人物は、家政婦ハンナ。本作を読んだ人なら、大抵の人が同意してくれるだろう。

主人公オーレンの捜査を裏で支える家政婦ハンナ・ライスが、この物語のもう一人の(真の)主人公と云える。

オーレンとジョシュアの母親が亡くなったその日に突如、家政婦としてホッブズ家に入り込み、その後、兄弟の母親代わりでもあったハンナという老婆のキャラクターは他の登場人物を圧倒する。

超常現象やオカルトなどをまったく信じることもなく、極めて合理的なモノの考え方をするハンナ。彼女には、オーレンの捜査を助け、時にはオーレンのピンチを救うことにもなる不思議な能力が備わっている!?

だが、彼女に備わるこの不思議な能力(魅力)について、文章による説明は一切ない。

リアリティを持たせたミステリーでありながら、突如、“不思議現象”を挿し込むあたり、同著者の 『クリスマスに少女は還る』 にも通じるところがあるように思えたのは私だけ??



本書を読み終えたのは今月の頭。

読み終えてから記事にするまでの日数が、以前よりも開き出してきた・・・。

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2011年01月04日(火)

『本は、これから』

テーマ:本を読むこと・本にまつわること
『本は、これから』  池澤夏樹/編、 岩波新書(2010)


最近は、読み終わった本のコトを記事にするのが面倒くさくなってきた。。。

この本を読み終わったのは確か昨年12月の頭だった。読み終わってから1ヶ月ほど経ってしまった。

記事にするにしても記憶がアヤフヤだ・・・・・



電子書籍の本格的な登場によって変わりつつあると言われている本とその周辺の物や出来事について、37人の評者が語っている。

いったい何が変わるのか? 何が変わらないのか??


 ●電子書籍と紙の本の住み分けができてくるだろう、両者の「重み」や「価値」に異なりが生じるだろう、

  などと予想する人。

 ●先(将来)のことなど自分には関係ないものだから、電子書籍に対してほとんど興味をしめさない年寄り。

 ●今まで読んできた紙の本について、ただひたすら郷愁を語る人。

 ●電子書籍に対して何だかんだイチャモンを付けて、悪者に貶めて、頑なに紙の本だけを擁護する者。

 ● ・・・・・・・・・・・・・・・・・etc, etc・・・・


まァ、いろんなことが言われている。。。 いろんな人がいる。。。



さて、ここからは私見を思いつくままに羅列する。 メモ。


●文字にしろ映像にしろ音にしろ、記録のためのデバイスは構造も材質も単純なほうがいい。

 一般的には単純なモノほど劣化の進行速度が小さく、情報・データの長時間の保存が可能。

 この本の中でも誰かが言っていたが、洞窟に描かれた壁画が良い例。
 だが、単純過ぎると情報・データを記憶する容量が少なくなる。

 容量を増やすためにはデバイスにひと工夫する必要がある。

 記録を電子化してシリコンに閉じ込めるのは効率的。そういった点で、電子書籍はイイ。問題は時間。


●情報と知識は異なる。前者はデータの集積。後者はそれらを体系化したもの。
 どちらかというと電子書籍は前者で、紙の本は後者のような感じ…かとも思える・・・

 一方で、1冊の本を読んだだけでは判らなかったコトも、同分野の複数の本を読んでみたら理解が深まり、

 知識化されることもある・・・と、見方を変えれば、一冊の本だって単なる情報の断片にしかならない。

 ブログなどまさに情報の断片の典型。

 結局、情報・断片であるのか、知識・集積であるのか、は、デバイスによらない。

●本に書(描)かれたもの(コンテンツ)と、それを読む人間とのインターフェイスの問題は?

 紙の本の場合、読書中には本の厚みや紙の手触りなどがインターフェイスとして、コンテンツと同時に

 読者に自然と運ばれる。

 今のところ電子書籍には、そうしたインターフェイス的な機能が少ないような気がする。

 だが、そんなものもいずれはどうにかなるだろう。

 紙の本でできるものは全て電子デバイスでも可能となるだろう。

 逆に、紙にできないことが電子デバイスで可能となる新しいモノやコトが出てくるだろう。


●数百年後、数千年後まで、情報・記録・コンテンツを持ち越す方法・システムさえ確立できれば、

 電子デバイスが紙の本を圧倒するのは目に見えているような気がする。


●かつての記録デバイスだった巻物を、現代の一般人が日常的には見ない・読まないのと同様に、

 いずれは紙の本も同じ道を辿るような気がする。

 だが、完全に電子デバイスに移行するには、数十年単位の時間が掛かるだろう。




最後に、本書に対して文句を一つ。

●どこかの大学の文化人類学者だか批評家だかの書いている『本を還すための砂漠』という文章は全く以て何を言っているのかわからない。日常ではほとんど使わないであろう言葉を多用したり、哲学用語らしきカタカナ表記の単語を漢字にあてていたり、無理矢理な比喩を使ったり。

ともかく他人に解り易く書こうという意識みたいなものがまったく感じられない。難しく書く事を良し、とする、最近では珍しい、久しくお眼に掛からなかったヤカラが居たのには驚いた。

これ、新書だろ! 新書を書くのに適切な人選だとはとても思えない。


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2011年01月02日(日)

『本だけ読んで暮らせたら 2010年のお薦め本』

テーマ:メモランダム

明けましておめでとう御座います。


例年に比べると少し遅くなりましたが、2010年に私が読んだ本の中からお薦め(かな?)と思える作品を紹介させていただきます。 おこがましいかもしれませんが、お付き合いいただければ・・・



まずは、ミステリー関連


2010年ミステリ作品で真っ先に思い浮かぶのが、早川書房のポケット・ミステリ・シリーズ(HPM)各品のレベルの高さでした。

ベニオフ著 『卵をめぐる祖父の戦争』 と、新人作家ブライアン・グルーリー著 『湖は餓えて煙る』 は、2010HPMの代表作だと思います。

数年前までHPMは、読みたくなるような新発掘作品が余り出ていなかったように思えたのですが、今年は出る作品でる作品、皆ハイレベルだったように思えました。

既存のHPMのシリーズモノの中では、イアン・ランキンのリーヴァス警部シリーズが、 『死者の名を読み上げよ』『最後の音楽』 と、2作も出たのが嬉しかったですね。シリーズとしては終わっちゃったけど・・・。


その他の長篇では、各社ミステリー・ランキング本でも上位に入っている、トマス・H・クックの 『沼地の記憶』 と、ジョン・ハートの 『ラスト・チャイルド』 はテッパンです。

短篇集では、ジャック・リッチーの日本オリジナル編集 『カーデュラ探偵社』 。コージー好きの方にはイイかも。

短篇の名手ローレンス・ブロックの 『やさしい小さな手』 もイイです。


さて、私にとってのTOP3、一つ目は、久しぶりのボストン・テランの新作です。

あまりにも悲しく苦しい人生であるにも拘らず、生きることに希望を失わず闘いぬく女性達を感動的に描いた 『音もなく少女は』 。 読み終わった直後は、コレが2010年のベストだと思った程はしゃいでました。。。

しかし、年末によくよく考えてみたら、ハメット作品の新訳 『ガラスの鍵』 がベストなんじゃないかと思えてきました。 これぞハードボイルドだ! と言える、ジャンルを代表するド真ん中の傑作だと思います。 ノワールの原型も入ってます。

3番目は、珍しくハードカバーで読んだ 『古書の来歴』 というのが良かったです。歴史ミステリーです。



次は、ポピュラー・サイエンス関連・・・といっても、余りお薦めできるものがありません・・・。昨年は私自身が読んだものが少ないもので・・・。

敢えて1冊だけ挙げれば、 『セミたちと温暖化』 。 動物学者だった故日高先生のエッセイ集はいつ読んでも何度読んでもイイです。



歴史関連では、

『進化考古学の大冒険』 に圧倒されました。この本を書いた松木武彦さんという学者は、私にとっては一種の革命家にも見えます。ホント、面白いものを読ませていただいて感謝感激です。

それと、今さらながらで申し訳ありませんが、梅棹忠夫著 『文明の生態史観』 も物凄く面白かったです。



その他では、

ヘレーン・ハンフ編著 『チャリング・クロス街84番地』 ってのが面白かったです。本の売買のために交わす手紙だけで構成された物語です。 本好きの方なら是非!



ん~、こうしてみると、ミステリ以外は余りお薦めできる本がないですね。。。orz

昨年は読書量が低下したことが良く判ります。 このブログを書く回数も確実に減ってきていますし・・・。



ともあれ、ここまで当記事をお読み頂きました皆様、わざわざ当ブログに御越しいただきました皆様、本年も宜しくお願いいたします。


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