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2009年10月31日(土)

『拳闘士の休息』

テーマ:ミステリーとか

THE PUGILIST AT REST (1993)


『拳闘士の休息』   トム・ジョーンズ/著、 岸本佐知子/訳、 河出文庫(2009)

初出は1996年。新潮社の単行本。




訳者:岸本佐知子 氏の名前と、カバー裏面の煽り文句「暴力と、苦難と、生命の安さが当たり前のギリギリの場所で、心身の痛みが”生”そのものであるような、どこかこわれた人間たち。絶望の淵、一歩手前で彼らが垣間みる澄明な「救い」とは---。」を見て即買い。

全11作品の短篇集。


PARTⅠ

  「拳闘士の休息」

  「ブレーク・オン・スルー」

  「黒い光」

PARTⅡ

  「ワイプアウト」

  「蚊」

  「アンチェイン・マイ・ハート」

PARTⅢ

  「七月六日以降、当方自らの責務以外、一切責任負いません」

  「シルエット」

  「わたしは生きたい!」

PARTⅣ

  「白い馬」

  「ロケット・マン」


進行性のガンに侵された初老女性の一人称視点で書かれた「わたしは生きたい!」は極めつけのハードボイルドだ。

開腹手術を行い、その後は幾度の化学療法。そして、その療法の副作用による物凄い苦しみ。苦しみを和らげるためのモルヒネ投与。そういった数々の体験のなか、医師や家族、周辺の人たちに対する主人公の赤裸々な感情の描写にリアリティを感じる。その末に描かれるラスト・シーン。シンプルかつ衝撃的な最後の一文がスゲー!


ボクシングの試合で脳に損傷を受け、その後たびたび癲癇の発作を起こすようになった元ベトナム戦争従軍兵士だった男が主人公となっているPARTⅠの3作もイイ。ベトナム戦争での極限状態、そんな状態下でイってしまう人間たちを描いた場面がコワイ。


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2009年10月29日(木)

形勢逆転、と行きたいところだ

テーマ:メモランダム

すっかり忘れてた。

8月初旬に受けた資格試験の合格発表が一昨日(27日に)あったんだった(それにしても、資格試験なんて受けたの久しぶりだった)。

確か、発表日の前日には、そのことが念頭にあったはずなのに、仕事が忙しかったのと、仕事以外の時間は昨日まで読んでいたウィンズロウの『犬の力』 が気になっていて、合否の確認をするのを忘れていた。


今日の帰宅途中、歩いていて思い出した。で、先ほどWEBで確認した(最近は便利だね)。

WEB上には合格者の受験番号が掲示されているはずなので、自分の番号が無ければダメ(不合格)!ということ。


・・・あったよ。

受験直後は正直落ちたと思っていて、その後、最近に至るまで受験したこと自体も忘れていた。

合否確認を忘れているくらいだから、マァ、あまり大層に考えていたものではなかったのだが、それでも受かっているのは何ともラッキー。 

もっとも、筆記試験に受かっただけで、今後、論文を提出して、その後、口頭試問(面接試験)を受けなければならない。その口頭試問にも合格しなければすべてはオジャンだ。

筆記試験に受かったら受かったで、提出論文を用意しなけりゃならないのと、口頭試問への準備も多少はしとかなきゃならんだろうから、チョイト面倒ではある。


今回は、会社(上司)から半ば強制されて受験しただけに、ホントに合否の興味など大してなかったな。

受験勉強用の資料などを読むくらいだったら、小説を読んでいたい性質なだけに、その命令には結構腹立たしいものがあった(上司としては、“頼み”だなどと言ってたが・・・)。

しかし、近い将来の私自身のチョットした計画を実現させるためには、会社からの出資が必要になるので、交換条件に受験を承知した。

5,6,7月の3ヶ月間は小説も読まずに、試験対策用の資料として必要最低限のものを1冊だけ、ひたすらに読んでいた。その中身がマタ、つまらなくってネー・・・ 辛かったゼー (TωT)


未だ最終合格したわけじゃないが、これで最終合格したら、会社にはイヨイヨ今度はコチラの要求を呑んでもらおう・・・。夏の3ヶ月間、私から読書の自由を奪った会社システムにはツケを払ってもらう。。。

合格することよりも、私の要求を呑んでもらうチャンスが開けたことに価値がある。こうなったら、口頭試問、なんとしてでも受からなくちゃな!



↓ このテの参考書・マニュアルは読まなくても何とかなりました。。。

技術士試験 総合技術監理部門 傾向と対策〈2009年度〉

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2009年10月28日(水)

『犬の力』

テーマ:ミステリーとか
THE POWER OF THE DOG (2005)
  
『犬の力』 上・下   ドン・ウィンズロウ/著、 東江一紀/訳、 角川文庫(2009)


何年ぶりだろう? ドン・ウィンズロウの作品。ニール・ケアリー・シリーズ以来か?

しっかし、なんだってこんなタイトルなんだ?この野暮ったいタイトルで損してる感じがするのは私だけだろうか?

それと、上・下巻で2000円という、文庫とは思えない値段。

でもね、もし、タイトルで退いちゃってる方がいるとしたら考え直してください。

値段で退いちゃっている方だったら、「ブ」に出回ったら、即購入してください。

図書館派の人は、できるだけ急いでリクエストしてください。


本作、間違いなく超オモシロ・エンターテイメントです!(断言します・・・・。イヤ、チョット待て! 読む/読まないは、あくまでも御自身の責任で決めてください・・・。)



メキシコ・シロアナ州の麻薬の元締めとその一味を一網打尽にしたDEA(合衆国麻薬取締局)特別捜査官のアート・ケラー。

しかし、その壊滅作戦は、アート・ケラーがその後30年に渡って関わることになる麻薬戦争への入り口に過ぎなかった・・・。


シロアナ州に新たな麻薬カルテルを組織するミゲル・アンヘル・バレーラ。

後にその組織を受け継ぐミゲルの甥、アダン・バレーラとラウル・バレーラの兄弟。

ファン・パラーダ枢機卿。

高級コールガール、ノーラ・ヘイデン。

ヘルズ・キッチン育ちのアイルランド人、ショーン・カラン。

アート・ケラーの所属するDEAの上司や同僚。合衆国中央情報局CIA局員。 メキシコの警察や軍特殊部隊、メキシコ政府の閣僚たち。 更には、神を信奉する者たち=カトリック教会組織。 中南米の極左・極右ゲリラ組織。 そして、もちろん麻薬カルテル一味。

こういった組織同士あるいは組織構成員個人の対立や反目、時には協力・妥協・・・、腐敗と裏切り・・・、拷問と殺戮・・・、正義と悪事が錯綜し、様々な思惑と銃弾が交錯する1000ページの物語。


この物語のリアルは、味方と敵、正義と悪、協力と裏切り、愛情と憎しみ、これら全てが相対化されることにある。


正義でさえ、愛情でさえ、「絶対」は存在しない。それはあくまでも一人ひとりの個人による。 いや、個人でさえ、立場が変われば、時が変われば、悪と正義が逆転する・・・。愛憎も反転する・・・。

特別捜査官アート・ケラーもまた、彼の中に存在し変化する感情の波の位相と振幅に翻弄される。それに合わせてプロットが疾走する。


途中からは、徹夜覚悟の一気読み。 堪能した。 


私にとっての今年TOP3入り。 お薦めです。

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2009年10月22日(木)

『死をポケットに入れて』

テーマ:ミステリーとか

『死をポケットに入れて』  チャールズ・ブコウスキー/著、 中川五郎/訳、 河出文庫(2002)


70過ぎの不良じいさんのエッセイ。

イヤー、楽しいーッ(*^o^*) 、面白いーッ!(^_^)v


ブコウスキーのじい様。彼は、昼間、競馬が開催されている時は競馬場に行き、夜はマッキントッシュに向かって言葉・文章を繰り出す日々を過ごす。

ブコウスキーのじい様が競馬場に行くたびに見かける一人の男。あの男はレースが終わるごとに文句を垂れている。奴が馬券の当たったところを見たことが無い。なのに、来る日も来る日も終日競馬場に居る。そんな一人の男を見て、じい様は人生についてやら、生死についてやら取り留めの無いことを考える。

競馬場から帰って、マッキントッシュに向かい、言葉を打ち込んでいるその瞬間にも次の言葉が、様々な想いが湧き出してくる・・・。クラッシックを聴きながら、くだらない愚痴を言いながら、書く。

じい様が書いていることは大層なことではない。毎回まいかい云ってることも同じようなことばかり。

でもイイんだ。その書きっぷりが。その正直さが。潔さが。世の中をナメているそのクソッタレさが。


何故か私の中では、このブコウスキーのじい様とミロ・ミロドラゴヴィッチ(=ジェイムズ・クラムリー)が重なる・・・。



【ブコウスキー作品 過去記事】

『パルプ』

『勝手に生きろ!』

『ブコウスキー・ノート』

【ジェイムズ・クラムリー作品 過去記事】

『さらば甘き口づけ』

『ファイナル・カントリー』

『明日なき二人』

『正当なる狂気』

“名探偵なのか? ミロ・ミロドラゴヴィッチ”


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2009年10月21日(水)

『江戸時代のロビンソン -七つの漂流譚-』

テーマ:歴史とか
江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚 (新潮文庫)/岩尾 龍太郎


海に囲まれた日本。しかし何故か国産の海洋冒険小説と呼ばれるジャンルが人気を博したことは無い!? こんな疑問を投げかけるイントロダクション。

著者の調べによると、日本では結構、漂流して生還した実話が残っているとのこと。江戸時代、相当な数の漂流生還者がいたらしい。しかも、その漂流期間が長い。

  (1) 何故、江戸時代に長期間に及ぶ漂流が頻発したのか?

  (2) そして、漂流・生還の実話が紙の記録に多く残されているにも拘らず、そういった話をあまり聞いたことが

    無いのは何故か?(私が知っていたのは、精々が、アメリカ船に助けられたジョン万次郎の話程度だ。)

こういった疑問に答える序章の「漂流の背景」。

この序盤を読んだだけで、グワッシと掴まれた。持ってかれた。


(1)の理由は実に判りやすい。

江戸時代の廻船船の構造自体は結構頑丈で、しかも積荷も多く漂流時の蓄えがソコソコあった。その一方で、江戸時代の航路としてはもっぱら陸の見える沿岸域でしかなく、外洋での航海技術が未熟であったこと。が要因として挙げられている。

(2)については、日本文化の内向きなメンタリティ(具体的なことは本書を読んでください)による隠蔽体質などを挙げて、それを嘆いている。

本書中、こうした日本文化・体制のマイナス面に対する恨みごと・愚痴が折に触れてでてくる。尤もなことを云っているように思うが、余りにも愚痴が多く、この部分についてはウザイ。


とにかく、著者は、頻発した漂流譚、否応無き冒険とサバイバルを経験した人物達・・・・・この漂流者たちのことを著者は“ロビンソン”と云っている・・・・・の実話を明るみに出したかったとのことである。



で、肝心の漂流譚であるが、本書の題名にもあるように、7ケースが紹介されている。


■東京から約580km南方に位置する無人島(鳥島=とりしま)に漂着し、そこで20年以上もサバイバルした話。

■同じ鳥島に、異なる時期に漂着した3組のロビンソン達がサバイバルし、ついには協力して脱出する話。

■大黒屋光太夫たちのシベリアでの話(これは割りと有名か)。

■ボルネオ・ジャカルタに漂着し、現地で数年間奴隷とされながらも、策を巡らして日本行きのオランダ船に

 乗船する話。

■484日間も太平洋を彷徨い、ついにカリフォルニア沖で英国商船に救出される話。


・・・・などなど、その一つひとつの話の中身が実に凄まじい。スゲー!としか言いようがない。


著者の云うとおり、こうした記録が存在することをもっと多くの人が知っていてもイイ・・・(かも)。


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2009年10月18日(日)

積読本、おぼえがき

テーマ:読みたい・・・(未読本倉庫)

ブック・オフなどの中古本屋で購入したのって、つい、読むのを後回しにしがち。

購入したまま、他の作品を読んでいるあいだに熟成期間が経過してしまうと、家に在ること事態を忘れてしまい、再度買ってしまうなんてこともある。 (読まれないのをイイことに、またまたカミさんに怒られそうなこと書いてんナ、俺・・・)


マ、そういったことを避けるためのメモだ・・・。



【海外モノ】

北壁の死闘/ボブ・ラングレー

高い砦/デズモンド・バグリー

偶然の犯罪/ジョン・ハットン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 確か、ジョン・ハートと間違えて買った奴だ

真夜中の青い彼方/ジョナサン・キング

あの日少女たちは赤ん坊を殺した/ローラ・リップマン

殺人者の顔/ヘニング・マンケル ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 評判高いマンケル作品のシリーズ第一弾

ビート・オブ・ハート/ビリー・レッツ

ハメット/ジョー・ゴアズ (2009.12/08読了)

クライム・マシーン/ジャック・リッチー (2009.11/08読了)

セントラル・パーク事件/クレイグ・ライス

氷の天使/キャロル・オコンネル ・・・・・・・・・・・・・・・・・ これもシリーズものの第一弾だっけ?

アマンダの影/キャロル・オコンネル ・・・・・・・・・・・・・・ で、これが第二弾? 

砂漠の惑星/スタニスワフ・レム

ターミナル・エクスペリメント/ジェイムス・P・ホーガン ソウヤー

ハヤカワ・ポケミス版のふるーいSF10冊程度


【国内モノ】

王妃の離婚/佐藤賢一

相克の森/熊谷達也

クアトロ・ラガッツィ(上・下)/若桑みどり

日本の思想/丸山真男

太陽の塔/森見登美彦 (2009.11/15読了)

夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 (2009.11/10読了)

四畳半神話大系/森見登美彦 (2010.02/02読了)

大金塊/江戸川乱歩

阿呆列車/内田百閒 ・・・・・・・・・・・・・・・ 途中までは読んでるんだけどナ・・・

本居宣長(上・下)/小林秀雄

ななつのこ/加納朋子


会社の机の上にも数冊置いてあるし、他にもありそうだが、取り敢えず自宅の机周りの目に付くところにあるものだけでも記録しとく。




読みかけの

 レナード・ムロディナウ/著 『たまたま』

 瀬山士郎/著 『はじめての現代数学』 

の2冊は、ナカナカはかどらない。いつになったら読み終わるんだ?



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2009年10月16日(金)

『バッド・モンキーズ』

テーマ:ミステリーとか
BAD MONKEYS (2007)

『バッド・モンキーズ』  マット・ラフ/著、 横山啓明/訳、 文芸春秋(2009)  


明らかに編集者が狙って作ったと思われるB級感あふれるアメコミ調の表紙絵、装丁、紙質。この本、何もかもがチープなつくり。ペイパーバック。そして、というか、だからこその1200円という値段設定。

このような小説、読む側としては、考えさせられたり感動するようなものは求めていない。ぜひともブッ飛んだ中身であることを期待したい。


悪を殲滅する組織の実行部隊「バッド・モンキーズ」の一員(つまり殺し屋)であるジェイン・シャーロット。

殺人で逮捕された彼女は、6面が真っ白な部屋で精神科医の尋問を受けている。

ジェインは精神科医に告白する。

彼女の生い立ち・・・溺愛された弟のフィルとは異なり、母親に嫌われて育った少女時代。

「バッド・モンキーズ」に関わることになった経緯。「バッド・モンキーズ」で行ってきた数々の任務・・・幼児連続殺人鬼、連続爆弾魔たちの抹殺・・・。


ジェインと精神科医との会話シーンと、ジェインが語る任務の回想シーン(ハイパー・アクション・シーン)とが交互に綴られる構成。


ジェインが口にする余りにも現実離れした出来事・・・。精神科医は手元にあるジェインの資料と照らし合わせる。資料と照合していることもあれば、資料には記載されていないことも・・・。矛盾点を突くと、前言を翻したり・・・・・。

はたして彼女の言っていることは本当なのか?嘘なのか? 現実に起こったことなのか?、狂人の妄想なのか?

ジェインの二転三転する供述が尋問者と読者を翻弄する。



予想通りポップ。そいでもってサイケ。 だが、いまひとつブッ飛び感に欠ける。

何故か? ラストの捻りが懲り過ぎなんだと思うナ。

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2009年10月12日(月)

『ダーウィンの思想 -人間と動物のあいだ』

テーマ:自然科学とか

『ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ』   内井 惣七/著、 岩波新書(2009)


著者は工学部と文学部を卒業して哲学の研究者になった方らしい。

文理融合の方なのか!? 面白いものを書かれるようだ。


この本、『種の起源』の内容の理解を補うための解説本として読むのに丁度良いだけでなく、『種の起源』が著された頃の社会状況や時代背景などについても理解しやすくなっている。さらに、『種の起源』以降に発表されたダーウィンの学説・思想や、当時から進化論を提唱していたダーウィン以外の学者たちとの関係性・競争関係についても説明してくれている。実に判りやすい。


目次を紹介しとこう。


第一章 ビーグル号の航海

第二章 結婚と自然淘汰説

第三章 ダーウィンのデモン -進化の見えざる手

第四章 種はなぜ分かれていくのか -分岐の原理

第五章 神を放逐 -設計者なしのデザイン

第六章 最後の砦、道徳をどう扱うか


この中で、個人的に特に面白かったのは第一章と第六章。

第一章「ビーグル号の航海」では、ダーウィンがその思想形成の上で影響を受けたという地質学(チャールズ・ライエルという人が書いた「地質学原理」という本)についてが紹介されている。

種の分岐や地形の変化など、現在生じている現象について、---不動のメカニズム原理の元で---、過去に生起された現象(の痕跡)との連続性から説明されなければならないとする科学的思考法が、進化生物学にも地質学にも同様に適用されなければならない・・・、という箇所などを読むと感動を覚える!


第六章では“道徳の獲得”ということに焦点を当てている。

ダーウィンの考えと対立する創造説やインテリジェント・デザイン説のなかで、人間と動物を隔てるもの、あるいは人間の特殊性を示すものとして採り上げられる“道徳”という単語に代表される心性の問題である。

こうした問題については、『種の起源』発表後の晩年の著作『人間の由来』に詳述されているらしい。

ダーウィンは、道徳感覚、良心の働き、共感能力、相互扶助、功利原理、利他的な行動など、感情面・心理面の発達・進化に関してでさえも「社会的本能」という概念を持ち込むことにより、自然淘汰説の中で説明できることを示している、とのことである。本書の解説の中でも私が最もエキサイティングに感じた箇所だ。


“ヒトはサルと同一の祖先から自然淘汰によって進化してきた”ということを始めとした進化論的な知識は、現代でこそ知らず知らずのうちにインプットされている。しかし、150年以上も前、ダーウィンがいなかった時代に、ダーウィンはそれらのことを思索し世の中に発表した。本書によって、あらためてダーウィンの革新性を思い知らされる。


巷には結構な数のダーウィン解説書が出ているようだが、コンパクトかつ明瞭さという点で本書はかなり良質な解説本なのではなかろうか。 超お薦めです。

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2009年10月11日(日)

買い物の付き合い

テーマ:メモランダム

週末の買い物の付き合い。

最近は、カミさんと娘が店内を物色している最中、私は駐車場に止めた車の中で本を読むことが多くなってきた。

彼女ら(特にカミさん)の買い物は時間が掛かっていけねー。付き合いきれないので車の中で本を読むことにした。


昨日と今日は、車の中で岩波新書の 『ダーウィンの思想』 内井惣七(著) を読んでる。

先日読んだ 『種の起源(上)』 に引き続き、ダーウィン関連本。 面白いです! 

種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)/チャールズ ダーウィン

ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ (岩波新書)/内井 惣七
↑この本の冒頭で紹介されている、ダーウィン若かりし頃の旅を記録した『ビーグル号航海記』ってのは翻訳出版されてないのかな? 読んでみたい・・・。
今年はダーウィン生誕200周年だそうで、やたらとダーウィン関連本が出ているようだ。今更知りました。。。

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2009年10月08日(木)

風が吹くと本屋が儲かる

テーマ:メモランダム

今日は台風18号のおかげ(強風)で首都圏の交通機関はテンヤワンヤ。私もソレに巻き込まれた。


朝の通勤電車は遅れて来た上に、乗り込んだはいいがナカナカ前に進んでくれない。本を読む時間が確保できるのは良いのだが、その分仕事をする時間は削られていく・・・・。来週連休明けに報告しなければいけない地震応答解析が未だ終わっていないというのに・・・。

まァ、でも、しょうがない。ノロノロ運転でも、多少遅れても、そのうち到着するのだから。気長に本でも読んでりゃいいや。

と、悠長に構えてたが、電車は途中の駅でストップ。駅構内の放送によれば、関東全域で正午までは動かないとのこと。オイオイ!

ところが、不幸中の幸いか? 電車が停まった駅には大型書店が2店隣接してる。お昼に電車が動き出すまで時間を潰すには丁度良いかも。。。


で、2店のうちの1店に入り、文庫本コーナーで立ち読み開始。

選んだのは桜庭一樹の読書日記。 この人、物凄い量の本を読んでるんだなァと呆れる。

少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記

読んでいるうちに11時。そろそろ腹も減ってきた。何も買わずに早々に飯でも食いに行ってしまえばいいのに、なぜか店を出る前に強迫観念に襲われて文庫本を3冊購入。なんで??



砂漠の惑星/スタニスワフ レム
↑ 1冊目はコレ。
ソラリスとコレと他のもう1作と併せてSF3部作を構成しているうちの一つだそうだ。なんでもレム本人が一番気に入っていた作品だとか。

妻を帽子とまちがえた男/オリバー サックス
 
2冊目はコレ。↑
この画像はハードカバー版。私が買ったのはコレじゃないんだ。早川NFで文庫化された奴なんだ。
以前何処かの書評でみて、気になってた。

江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚/岩尾 竜太郎
3冊目がコレ。↑
あれ? こっちも文庫版の画像が出ないや。新潮文庫から出てます。
漂流の実話を集めたものらしい。匂ったもんだから衝動買い。

この記事、カミさんに読まれたら、また怒られちまう・・・(^_^;)


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