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2009年03月30日(月)

『秋期限定栗きんとん事件』

テーマ:ミステリーとか
 
『秋期限定栗きんとん事件』  上・下  米澤 穂信/著、 創元推理文庫(2009)


季節限定事件シリーズの3作目。巷では「小市民シリーズ」とか呼んでいるのでしょうか??


上下巻の2冊なんだけど、併せても500ページに満たないから、すぐに読み終わる。この著者の話の進め方は実に滑らかで、スイスイ読めちゃうしね。


シリーズ3作目にして、ページ数もそれなりに掛けて、今までで一番大きな事件(連続放火事件)なんだけど、犯人とその犯行動機は少々単純過ぎのような気がしないでもない。あのようなキャラクターの使い方では、犯人が誰かも直ぐに判っちゃうし・・・。

今回、準主役で登場した新聞部員の彼もイマイチだったかな。個人的には、もっと尖がらせても良かったような気がする。


前作がなかなかの衝撃的な展開とオチであっただけに、今作での小佐内さんは毒気が足りなかったな。


でも、次作『冬期限定・・・』も読みます。


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2009年03月28日(土)

『夏期限定トロピカルパフェ事件』

テーマ:ミステリーとか

『夏期限定トロピカルパフェ事件』  米澤 穂信/著、 創元推理文庫(2006)



船戸高校に通う主人公の二人。小鳩常悟朗と小佐内ゆき。

この物語は、小鳩君の一人称視点で進行する。


小鳩君。彼は、目端が利き、洞察力豊かで優秀な頭脳をもつ。日常のチョットした疑問や時折巻き込まれるイザコザに対して、その解決を図らずにはいられない。本当の小市民なら、疑問を疑問として捉えることもなく、実害のないイザコザ程度ならそのまま受け流してしまうようなことでも、合理的な説明を付けて納得せずにはいられない。いわゆる、しゃらくせぇ性格の野郎だ。


小佐内さんはというと、標準よりかなり小柄な背丈と童顔で、着るものによっては小学生にさえ間違えられてしまう。普段の口調も小声で控えめ。だが、ひとたび害を被るようなことがあれば、しかもそれが故意にともなれば、彼女を傷つけた相手に対して、容赦のない復讐に走り出す。それも姦計を持って。

要は彼女、裏には狼の性格を隠し持っている。


夏休み期間中に、街の甘味どころの商品を味わいつくそうとする小佐内さんの計画に付き合わされる小鳩君。

物語前半で、二人が魅せる一見ほのぼのとした雰囲気や、表紙の乙女チックな絵柄・色使いが、脳のなかに潜在的な情報としてインプットされてしまう。

ところが、この潜在的な情報が仇となって(?)、物語のクライマックスで繰り出される小佐内さんの罠に、小鳩君ともども読者も陥るのである。


読後の第一声は、「コエェー女!」。 


1作、2作と読んだが、このシリーズ、オモシレェ! 「秋期限定・・・」を早速明日にでも買いに行ってこよっ。


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2009年03月27日(金)

『春期限定いちごタルト事件』

テーマ:ミステリーとか

大宮駅9時22分発の東北新幹線「はやて9号」の7号車両搭乗列に、発車5分前に並んだ。片手には、青森のクライアントへの説明資料の入った鞄を持ち、もう一方の手には、カツサンド弁当とウーロン茶の500ミリリットル・ペットボトル、それと、さっき駅中の本屋で買ってきた文庫本が一緒くたになって入ったビニール袋を持っている。列に並んでいる他の乗客達も大抵ビジネススーツを着ている。ま、この時間帯の新幹線にビジネス客が多いのは、東北新幹線に限ったことではないか。


「はやて9号」がホームに入ってきた。車両に乗り込む。私の席は進行方向に向かって右列3人用シートの窓際だ。

すでに東京駅か上野駅から乗り込んだいた乗客が通路側の席に座って、ノートパソコンを開き、一心不乱になにやら打ち込んでいる。その乗客に一度立ち上がって貰わなければ私は座席に辿り着けない。声をかける。パソコンを置いたテーブルを畳んでもらい、私の通れる空間を作って貰う。3人用シートの窓際が私、真ん中の空席を挟んで通路側がパソコンおじさんである。

私はコートを脱ぎ、ひとまず書類の入った鞄を足元に置く。弁当とペットボトルと文庫本の入った袋は隣りの空席に置く。

その間にも、パソコンおじさんはキーボードをブッ叩き始めている。何だか知らないが、新幹線の中でも一心不乱に仕事をしているようだ。しばし、横目でチラチラ見ていると、パソコンぶっ叩きおじさんの真剣さにチョットたじろぎだした私がいる。何だか私も仕事をしなきゃいけないような気になってくる。


鞄を開き、同じ新幹線に乗っているはずの若い同僚の作った書類を取り出し、読み始める。クライアントの施設の耐震性チェックを行った内容の資料である。結果は承知しており、その内容に間違いのないことは確認済みであったが、それを資料としてまとめるにあたって書いた文章に誤字が多すぎる。アヤフヤな用語も使っている。計算結果とそこに至った条件や経緯に誤りがないだけに、文章のお粗末さが気になる。同僚とは、八戸で下車した際に会うことになるだろうから、その際に、報告書の文章を修正するように伝えればいい。客先に提出する当日の朝になって気付くとは。事前にチェックしなかった私にも責任がある。クライアントへの説明の前口上として、報告書の文章については後日修正することを云わなければならない。少々カッコ悪いが、誤りに気付かないよりは遙かにマシだ。


パソコンぶっ叩きおじさんの御蔭で、普段だったら車中では見ないはずの資料を見て、チョットしたミスを発見することができた。心の中でおじさんに礼を言うが、そんなこと知ったコッチャないおじさんは尚もキーボードをぶっ叩いている。。。


さて、一仕事した気になった私は、ビニール袋からウーロン茶のペットボトルを取り出し、一口飲んで喉を潤し、文庫本を取り出す。

それが、コレ↓

『春期限定いちごタルト事件』  米澤 穂信/著、 創元推理文庫(2004)


現在、『春期限定・・・・・』、『夏期限定・・・・・』、『秋期限定・・・・・』と、シリーズ三作品が出ている。つい最近、『秋期限定・・・・・』が出版されたばかりで、いろんなブロガーさん達の評が出回り始めたところである。

最新作も、前の2作も、ブロガーさん達の評をみていて気になっていたものだから、今回の出張でいよいよ1作目に取り組んでみようと思った次第である。。。出張の往復の電車の中で読み切るには最適なページ数だし。


それにしても、40歳過ぎたオッサンが、スーツ着て、出張中の新幹線の中で読んでいる文庫本の表紙絵のなんとも可愛いこと。


小市民になることを目指す主人公の高校生男女二人の周りに起こるチョットした謎を解いていく物語。7つの短編連作集だが、7編トータルでは長編小説を構成している。全部でも240ページ程度の薄い本。

最初の方を読んでいるうちは、かなりライトな内容で、こんな内容じゃ、直ぐに忘れちゃうような作品の一つだナ、って思っていた。が、最終的には、主人公2人の素直じゃない性格が上手くストーリーに生かされていて、なかなか良くできた作品だと思い直した。特に、女性の方の小佐内さんの隠れた恐ろしい性格が発揮される物語のオチは、そこそこにインパクトのあるものだった。


なぜ、主人公2人が“小市民”を目指すことになったのか? 2人の中学時代のトラウマなどが、この先の作品に披露されるのか?


読み終わったのは、帰りの新幹線、仙台を過ぎたあたりだった。その後、大宮までは同僚達と缶ビールを飲んで過ごす。

20時過ぎ。帰りの新幹線は大宮駅に到着した。新幹線の改札を抜けた私は、朝にも寄った駅構内の本屋で『夏期限定トロピカルパフェ事件』を買った。

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2009年03月25日(水)

『ファイティング寿限無』

テーマ:なんでも読んでみよう

『ファイティング寿限無』  立川 談四楼/著、 ちくま文庫(2005)

第4回酒飲み書店員大賞受賞作

落語家、橘家龍太楼に憧れ弟子入りした小林博=橘家小龍は、師匠から、落語以外にウリにできるものを作れといわれる。

そこで選んだのがボクシング。ジムに入り、プロ・ライセンスを獲得し、リングネームを“ファイティング寿限無”とする。

二つ目昇進に合せて最初の試合を行い、それに勝利する。“落語もできるボクサー”として、目論見どおりマスコミに取り上げられる。

もともと才能に恵まれていた小龍は、瞬く間にJr.バンタム級の日本チャンピオン、世界ランカーにまで駆け上り、ついには世界タイトルを賭けてチャンピオンに挑む・・・。その頃、師匠の龍太楼は・・・。


一種の青春サクセス・ストーリーであり、人情モノでもあり、ベタな話ではある。主人公が落語家でなければ、どこにでもありそうな話である。だが、そうと判ってても、読んでしまう。単純に面白い。

外からの俯瞰した目線ではない、主人公の感覚(疲労感、痛覚、視覚など)を通して描かれるボクシングシーンは特に面白い。

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2009年03月22日(日)

『エミールと探偵たち』

テーマ:児童書・絵本とか

『エーミールと探偵たち』   エーリヒ・ケストナー/著、 小松太郎/訳、 岩波少年文庫 018 (1953年)


「ブ」で見つけた105円本。

やはり、 『飛ぶ教室』 には敵いませんナ。


そういや、私がこれを読んでいるとき、小学生の娘は『三国志』を読んでた・・・。普通、逆だよな・・・。


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2009年03月18日(水)

『続 羊の歌』

テーマ:エッセイ・随筆とか

『続 羊の歌—わが回想』  加藤 周一/著、 岩波新書 青版 690(1968)


前作 を読んでから結構経つ。この続編も読みたかったのだが、随分時間があいてしまった。それというのも駅中の本屋や地元の書店では本書をなかなか見つけることができなかったからだ。

最近はいろんな出版社から新書がヤタラ滅多ら出ているものだから、よほど大きな書店でない限り、かつてはスタンダードと云われていた作品でさえ、古くなった物は置いてない・・・。

だが、加藤氏が亡くなり、一時的にせよ、氏の著作への回帰が見られたのか、今年の2月に第36刷版が発行されたようだ。おかげで私も手に入れることができた。

前作を読んだ時のような新鮮さを覚えることはなかったが、それでもやはり、著者の独立精神には感嘆してしまう。女好きのところもイイ。




この人、ホント、上手い文章を書くなァ。

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2009年03月15日(日)

『プリーズ、ジーヴス 1』

テーマ:マンガとか
『プリーズ、ジーヴス 1 』  勝田 文/著、 花とゆめCOMICSスペシャル(2009)

世界中で出版されているP・G・ウッドハウスの小説。その代表作である「ジーヴス&バーティー」もの。
それらを映画化、TVドラマ化した作品は数あれど、マンガ化したのは今作が世界初だそうだ(笑)。
最近流行の執事モノとの相乗効果を狙ってのものか???

なかなか絵柄もイイ。
マンガ版・・・、これはこれでアリかな。

小説版の方も読みたくなりますナ。
以前読んだ小説版はこれ → 『ジーヴスの事件簿』
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2009年03月14日(土)

『東京大学のアルバートアイラー 東大ジャズ講義録・歴史編』

テーマ:なんでも読んでみよう

『東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編』 菊地 成孔・大谷能生/著、文春文庫(2009)


東大生よりもモグリの聴講生の方が多かったという、今や伝説化された講義の記録。

ジャズ史。ジャズの構造分析論。 こりゃ、面白いわ!


楽器など弾けない私でも、ジャズと他の音楽との違いを感覚的には捉えることができる。だが、その違いについて、音を聞かせずに言葉だけで他人に説明するのはかなり面倒なことだ。

また、音楽の良し悪し・好みというものは、個々人の身体あるいは脳が生得的に保持している感覚で、そうした個人的な嗜好を他人に伝えるのはかなり難しいことだと思っていた。しかし、そういったことを、一部分かもしれないが他人に伝える・説明する術がある、ということに驚かされた。


何かを他人に説明するためには、論理とか理屈とかが必要である。本書の2人の著者は、それを実現している。

彼らはジャズという音楽自体の構造・メカニズムを理論的・記号的に扱っている。だから、楽器を弾けない、意図した音を発することのできない、プレイヤーでない私のような人間でも、理屈として理解できる(ように思える)。

さらに、アメリカ・ミュージック・シーンの勃興、ジャズが誕生した背景・歴史、ジャズ・プレイヤー達の経歴、こうしたものを物語として構築しているから、読み物(実際は授業・講義)としても楽しめる。


実際の東大での講義は、聴講者達に音を聞かせながら説明を行ったようだ。講義で流された曲やそれらが収録されているアルバムの名称なども紹介されている。

私も、紹介されている曲と同じモノがiPodに収録されている場合は、それらを聴き比べてみながら本書を読んだ。

私のiPodに入っていなくて、本書を読んで聞きたくなった曲もかなりある。いくつか、TSUTAYAで借りてきたよ。。。


本書は、2分冊のうちの上巻にあたる。

次は、『キーワード編』 ↓ 。


東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編 (文春文庫)/菊地 成孔


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2009年03月11日(水)

『さがしもの』

テーマ:エッセイ・随筆とか

『さがしもの』   角田 光代/著、 新潮文庫(2008)


ブログ「本の世界の迷子です」 の管理人honyomiさんとこの記事 に触発されて読んでみた本書。


これまで角田光代さんの小説を読んだことはない。

だが、以前、岡崎武志氏との共著『古本道場』というエッセイ を読んだ時に、“あまり女々しくない女性”という(私の勝手な)イメージ・好印象をもっていた。いつか読んでみたい作家さんではあった。

そんな作家さんの“本”を題材にした短編小説集という紹介だったので、早速読んでみた。


それぞれの物語、それぞれの主人公に強烈なインパクトがあるわけではない。でも、一つひとつの物語には、それぞれにチョットづつ違った味わいを感じることができる。その味わいは、ハッキリとした甘みや苦味ではない。甘み、苦味、辛味などが微妙にブレンドされた味である。どこかで味わったことはあるが、それが何処でだったかは良く判らない。

若い主人公達の日常や本に対する感情とまったく同じではないけど、似たような想いを何時か抱いた事があるような気がする・・・。そんなボヤケタ感覚、味わいである。

オジサン(私のことネ)には、そんなふうに感じられた(ボヤケているのではなく、ボケているのかもしれないが・・・)。


各作品には、本に対するチョイと気になる言葉やセンテンス、シーンなどが所々に何気なくまぶしてあって、そういった所を見つけてニヤつくという、オマケ的な楽しみもある。

例えば・・・、

ある主人公が、ブローディガンの詩集にチャチャを入れる場面だとか・・・。このブローディガンの詩集というのが、彼が東京に来た時に、東京について詠った詩なんだそうだ。。。読みたくなっちゃう・・・・。

また、別の女性主人公の場合は、かつて男と一緒に暮らしていた部屋の本棚に、マンシェット著『殺戮の天使』という本を2冊見つける場面だとか・・・。マンシェットの小説を登場させるなんざ、小洒落てるでしょ。

さらに、他の主人公の場合では・・・、引越した新しい部屋にカーテンやベッドよりも先に本棚を用意しようと決める場面だとか・・・。

と、まァ、本にまつわるこのようなシーンが楽しいんだよな。


一編一編が短くて、気軽に読める。旅先に持って行くのに程好い感じの文庫。



そうそう、角田氏のあとがきエッセイと岡崎氏の解説を読んだが、どうもこの2人とは馬が合う!

                                     ・・・・・と、勝手に決めさせていただいた。。。

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2009年03月10日(火)

『川は静かに流れ』

テーマ:ミステリーとか
DOWN RIVER (2007)
『川は静かに流れ』  ジョン・ハート/著、 東野さやか/訳、 ハヤカワ・ミステリ文庫(2009)


家族に対する想いを描いた小説への評価ってのは、読者によって大分変わるように思える。読者自身の境遇や置かれた立場、それと、そういったものを背景とした想像力によって、物語への親和度が大きく異なりそうだ。。。


小説、物語としては非常に面白い。主要登場人物一人ひとりの書き込みも申し分ない。主人公が抱く感情と行動には理解できるところも多々あり、共感する場合さえある。実際、無我夢中で読んだ。

しかし、主人公の父親と継母、それに主人公に多大な影響を与えた父親の親友、この3人の言動に対して、私はほとんど理解できなかった。特に父親と継母には、途中から嫌悪感さえ覚えた。

フィクション作品の人物にこれほどムカッ腹立てることも、そうそうあるものじゃない。それもこれも、人物の描き方にリアリティがあり、小説世界に引きずり込まれてしまうからだ。

それほど、優れた小説だ。エドガー賞は伊達じゃない。


でも・・・、

作者が採った、主人公の父親と継母に対する処遇が気に入らない。

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