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2008年10月30日(木)

『ぼくは夜に旅をする』

テーマ:ミステリーとか

THE NIGHT TOURIST (2007)


『ぼくは夜に旅をする』  キャサリン・マーシュ/著、 堀川志野舞/訳、 早川書房(2008年)


14歳の少年が亡くなった母を捜しにニューヨークの地下にある“黄泉の国”を冒険する物語。

『優雅なハリネズミ』という巷で評判の本を確かめたくて書店に行ったのだが、何気なくその横に並べられていた本書の方を手にとってしまった。

数ページ立ち読みして、購入を決定。立ち読みの最中、この作品からは、私好みの匂いがしていたんだ・・・。


手軽にさくさくっと読めて、それでいてソコソコに面白い。でも、やっぱり、そこそこだね。スペシャルではない。

私もそろそろジュブナイル小説からは卒業か? でも、また忘れた頃に読んじゃうんだろナ・・・。


そうそう、本書、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の最優秀ジュヴナイル賞を受賞した作品だそうだ。



娘にあげちゃいます。学校での朝の読書の時間に読むんだと。


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2008年10月29日(水)

『ガセネッタ&シモネッタ』

テーマ:エッセイ・随筆とか

『ガセネッタ&(と)シモネッタ』   米原 万里/著、 文春文庫(2003年)  単行本(2000年)


ロシア語同時通訳という専門職につき、世界のアチコチに行き、様々な文化・ひとに接触した経験を豊富に持つ著者の毒舌エッセイ集。


著者は、私などが決して到達できない圧倒的な知識と見識をもっているようであり、ただただ平伏するしかない。

つまらない正論など云わないところが凄くイイ。

痛いところを突いてくる箇所がいくつもあるが、その指摘・意見のどれもが、いちいち尤もに受け取れるので反感を抱かせることもない。

そもそも、言い方(書き方)にユーモアが籠められているからだね。


2年前に亡くなられているようだが、作品は結構残っているようだ。この著者の他のエッセイも大事に読んでいきたい。

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2008年10月27日(月)

『ちくま日本文学 内田百閒』

テーマ:なんでも読んでみよう

『内田百閒 [ちくま日本文学001] 』  内田 百閒/著、 ちくま文庫(2007)



短編小説やら随筆やらが全部で36編収録されている。


例えば、『 件 (くだん) 』という話は・・・、

顔だけ人で身体は牛の「私」。そんな「私」が、何千、何万もの人々に囲まれる。

人々は、「私」がなにか大そうな予言をすると期待している・・・。だが、「私」には予言するようなことなど何もない。。。 だが、次第に人々の囲みが狭まり、「私」を圧迫するような状況に至って・・・・。

ネッ! ↑コレ、何が何だか判らんでしょ!

判らんけど、なぜ「私」の身体は牛なのか?とか、「私」はどんな予言をするのか?とか、気になっちゃうでしょ。


怪奇譚か? 夢の世界か? 妄想か? 百閒さんの描く物語世界には説明などまったくない。

読み出すと、いきなり摩訶不思議な世界に突き落とされ、その状態を否応無く受け入れさせられるモノだったり・・・、あるいは、いたって普通の日常の物語だったのが、だんだんと実は日常などでは無さそうだということが分かりだしてきたり・・・。


とにかくヘンテコリンな感じの短編がいくつも載っていて、そのどれもが一度読み出したら読者の首根っこをつかんで物語世界に引きずり込んでしまう。

で、引きずりこんどいて、何の前触れも無く、いきなり手を離す。そう、物語は唐突に終わってしまう。

どうなるんだ、どうするんだ、と思ったところで、ブラックアウト。。。 エッ! 終わりなの!? っていうラストばかり。


この本の前半部はそんな話ばかりが何篇も続く。オイ!またかよっ! と思いながらも読んじゃう。

意味不明、理解不能だけど、物語世界の雰囲気や匂いが、物語中の人物が何故そんな言動を採るのかが、不思議とワカるような気がする。。。解るのではなく、判るのでもなく、ワカる。ん~、旨く言えない・・・。


後半部は、随筆。エッセイというよりも随筆。明確な違いは無いかもしれないが、私の感覚としては随筆。良く判らんが随筆。 とにかく随筆。 いや、随想・・・?


最近の私の鞄の中には常にこの本が入ってる。 何気ない待ち時間とかに、チョコちょこっと、一編づつ読むのに都合がイイ。

お薦めです。

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2008年10月26日(日)

『破天 インド仏教徒の頂点に立つ日本人』

テーマ:なんでも読んでみよう

『破天  インド仏教徒の頂点に立つ日本人』   山際素男/著、 光文社新書(2008)

全590ページ、しかも2段組。 こんなノンフィクション新書はじめて読んだ。

インド仏教の頂点に立つ日本人:佐々井秀嶺(ササイ シュウレイ)の半生記である。


本書のサブタイトルが本屋で目に付き、手に取ってパラパラめくって少し読んでみたら、そのまま1時間があっという間に過ぎていた。面白すぎて、全篇を読まないわけにはいかなくなった。だが、立ち読みで読破できるほど薄っぺらな本ではなかったので購入した。


スゴイ人間がいるものだ。しかも、それが日本人だというのだから・・・。

この本を読むまで、私、恥ずかしながら、佐々井秀嶺なる人をまったく知らなかった・・・。



1998年5月にインド政府が、地下核実験を成功させたと発表した。そのおよそ1ヵ月後。デリーのインド国会議事堂に向けて数千人の仏教徒を引き連れてデモ行進する仏僧の次の言葉から、本書は幕を開ける。


(以下、本書からの引用)

「おー、大馬鹿者のバジパイ首相よ、出て来い!汝らは仏陀誕生の日に地下核実験をやってのけた。汝ら亡国の輩よ、汝らは仏陀とダンマ(理法)の国をその穢れた足で踏みにじった。何という悪魔の仕業だ。仏陀はその愚かさを嗤っておるぞ。その声が聞こえぬか!」

「おお首相よ、ここに現われ、仏陀の嗤いに答えてみよ。 私の生まれは日本である。そして、原爆体験をした唯一の民族、日本人の怒りの血が燃えたぎっている。

・・・(中略)・・・。

私に腹が立ったら、この場で撃ち殺すがいい。何十万もの人間を一度に殺す気でいる汝に私一人を殺すことなどわけもないであろう。

さあ、殺すがいい。私は仏陀と共に嗤ってやろう。この大馬鹿者の恥知らずめがと。」

(引用ここまで)


国会議事堂前に集まった野次馬も、警備の警官達も、誰も一言も発せず、この仏僧の言葉に聞き入っている。

30分以上もアジテーションを続けた仏僧の前に2台のジープが接近し、車から降りた国会警備隊幹部は彼に丁寧に言ったのである。(以下、引用) 「どうぞ、あちらの車にお乗り下さい。大統領官邸、国会議事堂にご案内いたします。」 と。



仏教の発祥の国でありながら、国内では1500年もの間ほとんど顧みられることのなかったインドの仏教。

圧倒的多数のヒンデゥー教徒やイスラム教徒の中にあって超少数派の仏教徒。

何よりも、カースト制の最下層にさえも数えられない「不可触民」と云われる人々と仏教徒は重なっていた。

インドという超大国の首相でさえ、大統領でさえ、知らぬものはいないと云われる仏僧、佐々井秀嶺。彼の、40年間の、不可触民の解放と仏教の復興を目的とした命懸の運動の物語。

この佐々井という坊さん、あまりにもブッ飛んだ人物で、こういうヒトは本人も知らないうちにトンデモないエピソードや他人を自然と引き寄せてしまうんだろうナ。一つひとつのエピソードが物凄くて、読んでいるコチラとしてはいちいち鳥肌が立つほど揺さぶられる。


私自身にもチョットした目から鱗ゴトがあった。

佐々井が云うところの、佐々井が実践するところの仏教とは、そんじょそこらの宗教ではない。哲学であり、生き方のルールであり、自分を律する規範である。この坊さん、相当カッコイイ。

宗教アレルギーの私の眼がほんの少し啓かれた。


少々早いが、私にとっての2008年ベスト本はこれに決まった。

お薦めです。




【追 記】

元々この本は2000年に単行本で出版されていたもののようなので、当然のことながら2000年くらいまでのことしか記されていない。その後の、現在の佐々井の様子が知りたい。著者もかなりの高齢のようだが、是非、この続編を書いてもらいたい。


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2008年10月25日(土)

さいたま武蔵丘陵森林公園自転車コース

テーマ:今日のポタ

荒川の河川敷に施設されているサイクリングロード を少し走ってきた。

河川敷のサイクリングロードだから何キロメートルも信号などない。ただひたすら自転車をこぎ続けることができる。

サイクリングロードは堤防の天辺もしくは小段のフラットなところを舗装して作られている。荒川という一級河川の堤防だから、結構な盛り土がされていて、標高的には案外高いようにも思える。秩父の山なども見えたりする。反対側の堤防までの距離などは2,3kmくらいありそうだ。とにかくだだっ広い河川敷である。


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私の自転車はクロスバイクという奴で、本来は街中を走りやすいように出来ているスペックだから、ロードレーサーのようなスピードはでない。それでも巡航速度25km/hといったところか。1時間で25kmも移動できちゃうんだから凄い。これがロードレーサーだったら、さらに10kmくらいは上乗せされるんじゃなかろうか?

自転車にとって、河川敷のサイクリングロードはハイウェイである。


すれ違ったり、追い抜いて行く自転車の6~7割方はロードレーサーである。そういう人たちは特有のサイクルウェアを着ている。乗っている方たちの年齢層はイロイロ。結構年配の方もいる。カップルで走っている人たちもいる。私もいつかはロードレーサーに乗るのではないかと予感する。



サイクリングロードの河川側でない方には、すぐ脇に民家や工場なども建っている。そして、結構よく目にするのが、小さなお堂や祠。川や湖などの水際にはこうした小屋が数多く見られる。


081025-6  ← これも何かを奉ったお堂。



途中、荒川を渡河する圏央道が建設中だった。西側(川越とか八王子方面に行く方)は桁が掛かっていたが、河川敷内は橋脚だけが建ち並び、桁は未だ掛かっていなかった(職業柄、こういったものに目が行ってしまう)。


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今日のところは、往復で2時間程度をかけて走ったのだが、当然のことながらコース全長を走破したわけではない(いつかヤッテやる・・・)。吉見町の「桜堤」 という所で折り返した。春にも来よう。


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復路も同じ道を走った。往路の巡航速度は25km/h程度だったが、復路は逆風のため20km/h以下。
そういや、途中、3台で直列に走っている方達がいたが、風を意識して走っていたんだ・・・と、今更ながらに思い出す。

全行程およそ36km、約2時間。

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2008年10月18日(土)

『日本に古代はあったのか』

テーマ:歴史とか

『日本に古代はあったのか』  井上 章一/著、 角川選書(2008)


どこかの新聞の書評欄で、書名を見ただけで読みたくなった。書評自体も読んだが、その内容については既に忘れた。


歴史(時代)の区分の仕方に、古代、中世、近世、近代、といった分け方があるが、日本には有史以来、「古代」という区分はなかったのではないか、いきなり中世から始まるのではないか? といった問いが発せられている。

「古代」とか「中世」といった区分は世界史に合わせよう!と言うことらしい。


西洋史ではローマ帝国が解体し、ゲルマン諸族が旧帝国内に進入しだす頃をもって、古代と中世を区分しているらしい。それが5世紀の終わり頃(476年前後)ということになる。

ユーラシア大陸のもう一方の端っこの東アジアでは、秦や漢といった帝国の時代から、3世紀に漢帝国が崩壊して三国時代になる頃くらいから、古代と中世が区分されるのではないか、という。

ユーラシア大陸の東西で、並列的に歴史が転換してゆく。こういう歴史の捉え方を京都大学の偉い先生が最初に言い出したらしい。


一方、教科書的な日本史では、鎌倉幕府の成立、武士が世の中を統治する時代からが中世であり、それ以前を古代としているのだそうだ(そんなことさえ私は知らなかったが・・・)。

鎌倉幕府の成立が12世紀末。このように、日本史では古代と中世を区分する時期があまりにも中国史や西洋史と違いすぎる! ということらしい。

私には、それがどうしてダメなのかがイマイチ良く判らなかった・・・。


ともかく、この鎌倉幕府の成立ということが、日本史上画期的な出来事であったかのような捉え方が、著者には気に入らないらしい。鎌倉幕府の成立なんて大したことないゼ。それが凄いことだと言っているのは、明治になって首都も天皇も東京に移って、関東の学者たちが関東の優越さを吹聴するようになってからだぜ。ということらしい。京都大学を卒業した著者は、日本は平安時代をもって中世に突入する、という京大史学にシンパシーを感じているとのことだ。

そもそも、日本では3世紀頃から大和政権が成立していく過程だって、中国での漢帝国の滅亡が遠因となっているのだから、中国の歴史区分、つまりは漢帝国が滅亡した時期くらいと整合させるほうがいいだろう、そのあたりから中世という区分にするのが世界史的な枠組みでの見方だ。

・・・など、現在の教科書的な古代と中世の区分の仕方が何故気に入らないか、ということが延々と書かれている。


そこには、○○学派とか、△△史観とか、京都大学の□□教授がこういった歴史区分を最初に言ったとか、そうでなかったとか・・・、東北出身で東大で歴史学を学んだ◇◇教授は京都学派の提唱した○○○という説に否定的だとか、東大説vs京大説、関東史観vs関西史観など、そんな話ばかりがグダグダと続けられる。

歴史の区分をどのように決めるのか?ということが書かれているのかと興味をもって本書を取ったのに、あまりにもくだらない、どうでもいいような愚痴が延々と綴られているのにはマイッタ。

歴史・歴史学ってのは、未だに、東大説vs京大説、なんてことで盛り上がれるような、くだらネェ世界なのか?

こういうこと云ってるから、歴史は科学じゃない、って云われるんだろうネ。


久しぶりに読んでいて不快な本に出会った。こんな本は、ポイッだ!


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2008年10月17日(金)

『破局噴火』

テーマ:自然科学とか

『破局噴火 -秒読みに入った人類壊滅の日』   高橋 正樹/著、 祥伝社新書(2008)


『死都日本』 というフィクションが先にあって、このノンフィクション本が出来たようだ。普通は逆だよな!?


で、その『死都日本』 だが、科学的にもリアルで、物語としてもあまりにも凄すぎた。この本と『死都日本』 のどちらかしか読めないとしたら、絶対『死都日本』 をお薦めする。来月には文庫化もされるし。


さて、

破局噴火だとか超巨大噴火(スーパー・ボルケイノ)だとかが地球上の何処かで起きたら、間違いなく文明は後退する(そうだ)。

日本でならおよそ7000年に一度の確率で破局噴火が生じ、世界規模で見たらおよそ5万年に一回の確率で超大規模噴火(スーパー・ボルケイノ)が起こるとの超概略試算もあるようだ。

ちなみに、破局噴火<超大規模噴火(スーパー・ボルケイノ)という大小関係にある。

日本で最後の破局噴火が起こってから既に7000年は過ぎているそうだし、地球史的には約7万4千年前に起こったスーパーボルケイノで一度ホモサピエンスは絶滅しかかったらしい(ミトコンドリア遺伝子DNAの研究から判明しているとのこと)。経過年数から考えると、いつ次の破局噴火やスーパーボルケイノが起こってもおかしくないらしい。


で、こうしたことが起こったときの対策だが・・・、著者は、有効な対策を打ち出すのは難しい、というようなことを言っており、まァ正直だ。取り敢えずは、「人類を危機的状況に追い込む超巨大噴火とは何ぞや」ということを知ること、認識すること、が第一だと言っている。そのくらいしか言いようがないだろうな、と思う。


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2008年10月14日(火)

『イニシエーション・ラブ』

テーマ:ミステリーとか

『イニシエーション・ラブ』   乾 くるみ/著、 文春文庫(2007)


「ブ」の105円本。今更かもしれないけど読んでみた。(*゚.゚)ゞ 


小説ならではのミステリ。

確かに一度読み終わった後、引っ繰り返して読んだ。二度読みというよりも1.5度読みって感じだったかな。

きっと何年か後でも、ギミックの部分は記憶に残っているだろうな。


これから読む人は、読んでいる途中で感じる違和感を大事にして読んでね。

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2008年10月13日(月)

『シャカリキ!』 『しおんの王』

テーマ:マンガとか

11,12,13日の3連休は、チョット自転車に乗って、あとは漫画ばかり読んでいた。



    

『シャカリキ! 』   曽田 正人/著、 小学館文庫(全7巻)

文庫版全7巻一気読み。自転車ロードレースに命を懸けた少年、野々村 輝(テル)の物語。イヤー、熱いマンガだった。久しぶりにマンガを読んで興奮したゼ。



『しおんの王』  安藤 慈朗/著、 講談社アフタヌーンKC(全8巻)

4歳の時に目の前で両親を惨殺された少女、安岡紫苑(しおん)。殺された父親の額の上には王将のコマが載せられ、ただ1人生き残った紫苑の手には勾玉のペンダントが握られていた・・・。

事件のショックで失語症となりながらも、引き取られた安岡夫婦の愛情の基で育つ。8年後、養父であるプロ棋士、安岡8段の影響もあり、中学生女流棋士となった紫苑が将棋の世界に入り込んで行く。。。


ミステリと将棋の話を巧く融合したマンガだった。犯人もその動機もすぐに判ってしまって、ミステリ要素部分の出来はたいしたことないけど、将棋対戦パートの話は面白かった。



両作とも、現実にはほとんどあり得ないと思える話だが、物語の構成力とキャラの魅力でグイグイと読ませる。

漫画ってのはこうでなくちゃね。


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2008年10月09日(木)

『THO-ZAP! ソー・ザップ!』

テーマ:ミステリーとか

『ソー・ザップ!』   稲見 一良/著、  角川文庫(初版1993,再販2008)


この作品の作者である稲見一良(いなみ いつら)の熱狂的ファンのことを“イツラー”と言う。

そのイツラーたちにとって、一昨年から朗報が続いている。早川文庫の『ダック・コール』以外、長らく絶版状態だった氏の作品が再刊行され出したことである。一昨年からは光文社文庫で、そして今回、角川文庫から今作が再刊行された。


この作品(単行本)が私の本棚から姿を消してから、もう随分と長い時間が経っていた。ブックオフに行った時などに思い出したように探してみるのだが、見つけることはできなかった。なぜ姿が消えたのかは判らない。他の作品は本棚の見える所にあるのだが。家捜しをすれば、もしかしたら姿を現すかもしれない・・・?


愛着のあった作品の姿が見えないと、探しても見つからないと、そういったものに限って無性に読みたくなる時がある。

だから、今回、角川文庫から本作が再刊されたことが嬉しい。



パブ・パピヨン。4人の常連の男たちが顔を合わせて飲んでいる。

元レスラーで、素手の格闘では無敵の男、ベアキル。

若干19歳ながら、手裏剣と小太刀の名手、ハヤ。

元警察官で、ライフルを異常なまでに愛する射撃の名手、実際に人を狙撃したこともあり、ことあるごとにそれを自慢する男、金久木(かなくぎ)。

若かりし頃アメリカンフットボールの選手であり、アフリカを始めとする世界各地で野生の大型獣のハンターをしていた男、ブル。


この4人の男達の前に、個人所有の山林を舞台にした命がけの勝負を申し込むレッドムーン・シバと名乗る謎の男が現われた。賞金3000万円を懸けるというその申し入れに心動かされるブル。他の3人は金などに興味はないが、男同士の命がけのゲームができるとあって、全員がその申し入れを受ける。

かくして、レッドムーン・ブルと4人の男達の命を懸けたサバイバル・ゲームが始まった・・・。



この物語に登場するすべての男が、一般社会への不適合者であり、どこか屈折している。そういった男たちの“決闘”を描いた内容は、極めてクラッシックな定型プロットだ。だが、そんな定型な物語にこそ、稲見の峻烈でありながら時に優しい語り口が威力を発揮し、読む者を熱くさせる。


名文・名セリフの宝庫。名作。 お薦めです。



【イツラー御用達作品の過去記事】

『ダック・コール』   『セントメリーのリボン』   『猟犬探偵』


そのうち、『ダブルオー・バック』なども含めて、稲見作品全部再読して記事にするかナァ。。。

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