2008年03月31日(月)

『完全版 アレクサンドロス 世界帝国への夢』

テーマ:マンガとか



『アレクサンドロス 完全版―世界帝国への夢』  安彦 良和/著、NHK出版(2008)

安彦さんの歴史マンガ。

33年の短い生涯でありながら濃密な時間を生きた(であろう)アレクサンドロスの物語をわずか260ページにまとめた。。。 大変だったろうな。


ヒトの心象や心情、人間関係を、同じページ数で描くなら俄然、小説による表現のほうが緻密である(と思う)。

だが、マンガを読む。


決して多くはないラインによる描画で、これだけヒトの表情や登場人物たちが醸しだす雰囲気を描き分け、俯瞰の大地や群衆シーンを表現する、一流のプロの画力を堪能する。



【安彦良和 関連記事】
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2008年03月29日(土)

『禁中御庭者綺譚 乱世疾走』

テーマ:ミステリーとか




『乱世疾走 ―禁中御庭者綺譚』  海道 龍一朗/著、 新潮文庫(2007)


前作 『真剣』 のとんでもない面白さには敵わなかったものの、この作品も途中に一息入れることなく(他の本へと脇目することなく)読み終えることができた。 うん!この作家の力量は確かだ。


戦乱、下克上の時代。世の中が混乱している時代。織田信長という時代の寵児が登場した!?

憂う帝。天皇の耳目となり、信長の動静を探るために集められる5人の若き異能者たち。


5人のメンバーを集める場面。

それぞれが様々な過去をもち、一般世間(集団)からは疎まれながらも、見ている人は見ている・・・そんな、強烈な個性と特殊な才能を持つメンバーが集められる。

集まった5人は互いに反目する。どうしても受け入れられない奴がいる・・・。

そんな中で、任務を与えられる。

訪れる絶体絶命のピンチ。協力しなければそれを脱することはできない。。。苦難に遭って、発揮するそれぞれの能力と気性。それを認め合い、いつしか仲間として結束してゆく5人。


まったくもって、ベタで、ありがちなプロットだ。だが、夢中で読んでしまう。降りるべき駅も通り越してしまう・・・。たいした大活劇だ!


こういう活劇は、いかに特異なキャラを創り、魅力を与えるかに掛かっている。前作の登場人物たちにも重要な役割を与えつつ、新たな5人の主人公達にも充分な“異能”を与えている。その点でもこの作品は成功している。


ただ・・・、それでも、どうしても、主人公たちを凌いでしまう織田信長の強烈な個性が目立つ。

この作品でも、織田信長を凌ぐ登場人物は見当たらなかった?? 御庭者たちと信長が遭遇する幾度かの場面では、圧倒的に信長のキャラの方が立っている。

良し悪しはともかく、この人物は、現代人にとって最大の歴史ヒーローなのか!?



この作品は、あの有名な“金ヶ崎の退き陣”で終わっている。ってことは、続編が作れそうだ。その際には、5人の御庭者たちの信長を凌ぐ“キャラ立ち”に期待したい!

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2008年03月25日(火)

『真剣』

テーマ:ミステリーとか




『真剣―新陰流を創った男、上泉伊勢守信綱』   海道 龍一朗/著、 新潮文庫(2005年)


久しぶりに読んだ時代小説。

噂に違わぬ超オモシロ・エンターテインメント小説だった。


時代小説、そのなかでも武士を描く物語には比較的駄作が少ない。・・・ような気がする。

独特の世界、身分や武士道などといった制約された条件の中で、魅力あるプロットや人物たちを描かなければならない作家達の技量には相応のレベルのものが必要とされる。だから大抵の時代小説は面白い。もっとも、この作品は面白いどころか傑作だ。


物語は戦国乱世の頃。

主人公は上総( “かずさ”と読みます。今の群馬県ね)の小国、大胡(おおご)の領主の次男として生まれた。幾度か名前を変えているが、最終的には、上泉伊勢守信綱。兵法者。上州地方の小国の武将。新陰流の創始者。後に「剣聖」と呼ばれる漢。


大胡という地名は今も群馬県にある。赤城山の南側の麓に位置する小さな町だ。私の父方の一族は今もこの地方の周辺に暮らしている。私にとっても身近な地名であり、この小説の主人公がこんな辺鄙な片田舎で生まれたのかと思ったら、なんだか少し嬉しかった。

いきなり話がずれた。。。あいかわらずだが・・・


この物語には、大きな山場が3回ある。

いずれの山場も、普通の小説だったらラストの大団円に相当するほどだ。それが3度もある。たまらん。。。


一つ目の山場。

信綱が十代の頃、元服前、幼名、源五郎と呼ばれていた頃の物語。剣の道を目指すに至った過程の話。

信綱は、自身にとっての最初の剣の師と出会い、その師から鹿島神道流の剣を学び、三日三晩に渡って壮絶な模擬戦闘を行う「立切仕合」をやり遂げる。その直後、師からの言葉によって噴出する感情。イイ場面だ。


二つ目の山場。

兄の死により領主となった信綱。 北条、上杉、武田といった、戦国メジャーによって戦乱に巻き込まれる上州の小国領主として苦悩する。

その白眉は、敗将でありながら、その戦い方や武将としての人となりを敵方に認められ、武田信玄と対面する場面。武田に仕えることを請われながらも固辞する信綱。流浪の身となり、剣の道を究めるために諸国を廻る旅に出たいと申し出る信綱と、他家に信綱を盗られることを心配し、そのリスクを回避するためなら信綱を殺す、とまで言い張る信玄、その二人の駆け引き。そのスリリングなことといったら・・・。


三つ目の山場。

南都の地で宝蔵院流槍術を創始した覚禅坊胤栄。その胤栄と信綱の決戦がこの物語のオオトリに来る。

そこに至るまでには、胤栄の回顧シーンや、信綱が信玄の下を離れ南都に到達する途中で出会った北畠具教との邂逅などが描かれる。

ラストの信綱vs胤栄の対決場面は本当に圧巻だ。真剣と真槍を持ち出しての対決。そのチャンバラ・シーンが良い! ワザを繰り出すに至る二人の兵法者の心理状況を描く場面もイイ! 決戦の結末がさらにイイ!!



余談だが・・・、
なぜ新陰流というのか? 主人公が二人目の師匠から学んだのが陰流だったから。。。

では、「陰」とはなにか? 刹那の際においても心の静謐の中に映しだした自分自身なのだそうだ。

この物語、カッコいいハードボイルドな男達がワンサカ登場する。




そうそう、この作者の2作目、『乱世疾走』も読み始めた。 まだ序盤だが、これまたワクワクする内容のエンタメ小説だ。

北上次郎氏が言っているが、この海道龍一朗という作家、現在のチャンバラ小説界では、荒山徹と双璧を成す、そうだ。

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2008年03月11日(火)

(映画)マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

テーマ:メモランダム

MR. MAGORIUM'S WONDER EMPORIUM (2007)


娘が観たいと言ってた映画。

カミさんと娘に無理矢理連れられて先週末観てきた。

「黄金の羅針盤 ライラの冒険」、ドラえもんの新作、ディズニー映画の新作の先行ロードショウ、などなど、メジャーな映画が同時期にいくつも上映されていたにも拘らず、なんだって娘はこんなマイナー(? 少なくとも私はこんな映画が上映されていることなど、まったく知らなかった)な映画を観たがったのか???

ハッキリ言って、全然期待していなかった。


ところが、予想外にもオモシロかった。90分程度の物語としては良く出来ていた。

ダスティン・ホフマンなんて、(今では)えらく年取ってしまった俳優が出演していた。

シネコンに行ったのだが、観客はなんと我が家の3人だけ! 貸切状態。こんなのは生まれて初めてだ!!

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2008年03月10日(月)

『列島創世記』

テーマ:歴史とか




『旧石器・縄文・弥生・古墳時代  列島創世記』 [全集 日本の歴史]  松木 武彦/著、 小学館(2007)



およそ6世紀頃までの日本列島の4万年分の歴史の概要が書かれている。
いや~、予想以上に面白かった。


考古学だけでは良く判らないかもしれないことに、心理学?or (and) ヒューマン・サイエンス?を適用(援用)しながら、縄文、弥生、古墳の時代に生き、暮らしていた人間たちの営みや文化・文明、はたまた生き方・死生観などを表出してみせる。


縄文人たちが何故あのような文様の土器を作り、ヤマト以前の人たちが何故かくも巨大な古墳を増築したのか? その理由が端的に、しかも、それなりの根拠をもって語られる。


人の感情や思想が形になる。ましてや、未だ文字を持たなかった時代、ヒトは自分たちの考えを物質や造形物によって表現する。

人より大きいもの、高いものを作るという理由には、見栄や虚栄心が反映されるし、それなりに財力や他人を使うための力(権限)がなくてはならない。自分(達)と他人を区分するためには、土器に描く模様を変えてみせたりする。より凝ったものを作るってことは、それだけ生活に余裕があったってことになる(生活に余裕が持てるようになる最大の要因はもちろん気候・環境である)。


それが、縄文時代だろうが、弥生時代だろうが、21世紀だろうが、同じホモ・サピエンスの考えることなら、大体が同じだろう! たいした違いは無いだろう! っていう前提に立って昔のこと(まだ文字のなかった時代のこと)を考えてみよう! というのが、この本の著者の考え方だ。

こういうのを「認知考古学」って云うらしい。


この認知考古学に基づく根拠が、科学的かどうかは私には判断できないが、それでも、こういった方法が採られること自体は面白いことだと思う。

なぜ歴史を学ぶのか、なぜ昔のことを知りたいのか、ということを考えた場合、おそらくは、そして結局は、我々は他人や自分という“ヒト” や “ヒトの考え” について知りたいってことだもんな。


今までの歴史書にはなかった、かなり思い切った解釈の本書。だが、その文章・文体は易しく、流れるよう。しかもそういった解釈をしたことに対する説明が判りやすく、そいでもって勢いがある。物語性もあって非常にイイ。
若くて、バイタリティのある(ように見受けられる)学者先生の書く文章は粋だ!


縄文時代、弥生時代、古墳時代・・・、同じ時期でも各地で出土するモノがまったく同じことはない。

ってことは、同じ時代でも、列島各地の人達が皆同じように暮らしていた訳ではない。同じ土器を作っていたわけでもない。同じものを食べていたわけでもない。そんなはずがない。

同じ時代の暮らしでも、地域によって、個々人によって、多様性が認められる。これまでにあちこちで発掘したモノからそんな当たり前のことを知る。そういったことがキチンと書かれているところもイイ。

専門家が読んだら当たり前の内容(?)なのかもしれないが、一般読者(の私)にとっては画期的な考察方法を用いた歴史書だと思う。 チョーお薦め!


2巻、3巻も出たんだよナ~・・・、読みたいナ~、でも高いナ~。。。

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2008年03月06日(木)

『ルインズ』

テーマ:ミステリーとか


    
『ルインズ  廃墟の奥へ』 (上・下)   スコット・スミス/著、  扶桑社ミステリー(2008)



あの『シンプル・プラン』を書いたスコット・スミスの久しぶりの作品だからって、勇んで読んだ。


上巻を読んでる最中、読み終わった直後は、なんだかネチョネチョしていてヤだな~、って感じだった。

二人の女性登場人物のキャラにもイライラしっぱなし。こういう輩には我慢できん!


・・・・・・・・と、ここまでを、上巻を読み終わった時点で書いていたんだが・・・・・


これ以上、この作品に煩わされるのは止めにしよう。


まったく・・・・、

なんてこった!の一言だ。


こんな内容のない本をよくも翻訳して出版する気になったもんだ!

扶桑社は、自主回収を考えてもいいんじゃないかと思う。


このブログ開始以来読んだ中で最低の本。




↓ コッチはホンと名作なんだけどネ~。一発屋だったのか?

シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)/スコット・B. スミス


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2008年03月03日(月)

読む時間を作らなくちゃ!

テーマ:読みたい・・・(未読本倉庫)

最近、チョイと忙しい。



『怪しい科学の見抜きかた―嘘か本当か気になって仕方ない8つの仮説』 ロバート アーリック/著、草思社(2007)


amazonでは検索できなかったが、『数学者の無神論』 ジョン・アレン・パウロス/著、青土社、(ISBN:9784791763863) もチェックだな。


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