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前回ブログ記事(「若年女性の子宮頸がんについて(1)」の続編を予定していましたが、その前に、ことの重大性の観点から、掲題の記事を取り急ぎアップしたいと思います。

乳がんでは、2000年代後半に入って、検診(マンモグラフィー)によって発生する過剰診断・治療の弊害を指摘する論文が立て続けに発表され(〔*1〕~〔*4〕)、海外では大きな問題になっています。それら複数の研究報告によると、乳がん検診で発見されたがんのうち、4分の1から3分の1が過剰診断であると推定されています。
(スイス医療委員会が乳がん検診の廃止勧告を出したのも、それらの論文の影響が大きいでしょう)

子宮頸がん検診でも相当な数の過剰診断・治療が発生しているはずです。いったいどれくらいの頻度(割合)で起こっているのか、その推定の裏付けとなるデータを探していたのですが、それについて触れた論文はほとんど見当たらず、頻度を推定できるようなデータや情報に今まで接し得えていませんでした。

しかし最近、日本の若年女性が検診を受けた場合に、どれくらいの頻度で過剰診断・治療(手術)の弊害が発生することになるのか、それを推定できるデータをある論文の中に見つけました。

そのデータは、まさに産婦人科医が医学会誌に寄稿した論文(〔*5〕)の中にありました。その論文の中で著者らは以下のように述べています。

―――――――――――
・・・30歳未満の女性から採取された(子宮膣部頸部細胞診の)検体は137,349件あったが(ほとんどが無症状)、細胞診要精検率は2000年以降では10%を超す頻度となっていた。・・・驚くべきことに、30歳未満では精密検査を受けた女性のうち12.2%がすでに手術が必要な子宮頸部病変となっていた〔*6〕。すなわち、単純に計算すると、2000年以降無症状で検診を受けた30歳未満の女性の100人のうち1人はすでに手術が必要な病状であったと言える。
―――――――――――

つまり、こういう事です。
自覚症状もない健康な30歳未満の女性10万人が子宮頸がん検診(細胞診)を一度受けてしまうと、1万人がより侵襲の強い、痛みと出血を伴うような精検(組織診)を受けるはめになり、さらにその中の1000人が医師から手術(頸部円錐切除か子宮全摘、場合によっては広汎子宮全摘術)を迫られる事態になるということです。

私はこの頻度のあまりの大きさに唖然とし、産婦人科医が言うのとは違う意味で驚き、こんなに多いわけはないだろう、もしかしたら数値の取り違えや桁間違いをしているのではないかと思ったほどです。

30歳未満(20代)の女性が子宮頸がんで亡くなるのはかなり稀で、10万人当たり1年間で僅か0.2人(2013年度の総死亡実数で14人)です。30代で2.1人(同174人)、40代で4.1人(同366人)。
もし仮に日本の20代女性全員(618万人)が検診を一度受けてしまうと、6万人を超える膨大な数の女性が手術を迫られることになるのです。
本当に救えるかどうかも定かではない14人の死亡を減らすために、6万人の女性に手術という大きな不利益をもたらす「医療」を唱えるのが専門家と言われる産婦人科医たちなのです。

論文によれば、100人に1人という頻度は一回の検診によって発生する確率ですから、例えば20歳から30歳までこまめに毎年検診を受けると、それは何倍にもなる可能性があり、50代、60代までずっと検診を受け続けたら、先にあげた6万人という数字はいったいどこまではね上がるでしょうか、ざっと概算を考えただけでも空恐ろしくなります。

今、我々市民には、産婦人科医ら専門家が吹聴する検診のメリットを批判的にしっかり吟味し、ほとんど公にされることのない、過剰診断・治療の多大なデメリット(不利益)をしっかり捉えて判断する必要が求められているでしょう。

〔*1〕
Welch HG,Black.Overdiagnosis in Cancer.J Natl Cancer Inst 2010;102:605-13

〔*2〕
Jorgensen KJ,Zahl PH,Gotzsche PC.Overdiagnosis in organized mammography screening in Denmark. A comparative study.BMC Womens Health 2009 Dec 22;9:36. doi:10.1186/1472-6874-9-36

〔*3〕
Jorgensen KJ,Gotzsche PC.Overdiagnosis in publicly organized mammography screenings:systematic review of incidence trends.BMJ 2009 Jul 9;339:b2587. doi:10.1136/bmj.b2587

〔*4〕
Autier P,Boniol M,Gavin A,Vatten LJ.Breast cancer mortality in neighbouring European countries with different levels of screening but similar access to treatment:trend analysis of WHO mortality database.BMJ 2011;343:d4411. doi:10.1136/bmj.d4411

〔*5〕
「若年者の子宮頸がん検診の重要性,予防的ワクチンの行方,HPV検査の位置づけ」
(青森県臨床産婦人科医会誌 第25巻1号,2010年)
(※この論文は「青森県臨床産婦人科医会」のホームページにある「臨産婦会誌」のpdfファイルから読むことができます。)

〔*6〕
「30歳未満女性の子宮頸がん検診」
(「産婦人科治療」2007年9月号)(現在は休刊)
(※〔*5〕のデータの元になった論文で同じ著者らによるもの)
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