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auのデザイニングスタジオは良い企業の宣伝です。宣伝と見せてないところが大きい。スタジオにいってもけしてauを進められるのではなく、auを使ったさまざまな活用事例や面白いこと(シールを作ったり)、新進アーティストの作品をみたり、やすみに最上階のカフェで一息ついたり。本当に充実しています。場所も原宿なのでいかにも若者にターゲットを絞った作戦です。しかし、ここではauの端末に興味をもってもらうよりも、auもしくは、kddiとはどのような企業なのか、という企業メセナの場となっています。興味をもった人はラセン階段になっているスタジオを訪れてください。
日本でナンバーポータビリティは効果あるんでしょうか。日本のようにほとんど通話エリアが拡大している国では、効果はない、と言い切る人もいます。米国ならばベライゾンなどに比べて他社は通話エリアが狭いなどのハンデがあるので料金を安くしたり特色をだせば移るかもしれないが。日本は代わり映えはあまりしないからな。ただ、色々な資料を見る限りではauが断然有利に働くように見える。おそらく300万はドコモやボーだフォンから移動するかと。auのデザイン戦略は今のところあたっているな。
ドコモに対してauはどうでしょうか。明らかに違う戦略をとっています。わかりやすくはデザインに特化した戦略を実施している。ターゲットも明確で若者をターゲットにしています。あるアンケートではauのユーザは10代が一番多く利用しています。auの思惑どおり若者が加入していることがわかります。また、auは学割も出してよりこの分野での一人がちを狙っています。10代は今は親に料金を払ってもらっているが、この先数年すれば、自分で支払いを行う、ヘビーユーザになることも秘めています。auはその辺も考えて戦略をねっているのではないでしょうか。明らかにビジネスユーザにシェアが高いドコモと真っ向から戦うのではなく、定石どおりにユーザをセグメントしたのです。
携帯電話は現在8800万契約程度まで伸びています。市場のパイも9兆円近くになっており、その市場を3社で分け合っているのが現状です。その3社の中でも変化が現れはじめました。まず、NTTドコモですが、一時期はauに負けていた月間加入者数が勝るようになり、一時の不安はなくなってきました。これはFOMAが順調に推移している(2005年3月で1090万予測)こと、さらにはおサイフ携帯が順調に伸びてきていることによると思われます。このビジネスモデルは現在のARPUで儲けを出す仕組みから脱した、新しい社会基盤のなかで儲けを出す仕組みを考えてできたものです。おそらく他社もこの流れを追いかけていることから携帯がサイフになることは目前のことでしょう。
ブロードバンドでは、ソフトバンクの参入が大きかった。なにしろ、「パラソル部隊」を使っての他に例のないジンカイ戦術である。その効果は最初は疑問視されていたが、しだいに結果を出しはじめ、現在では480万程度の加入者数を誇っている。これはNTTの東西を合わせた数に等しい。シェアでいえば30%程度である。このADSLを使って各家庭へブロードバンドを広めて、ソフトバンクは次の施策を考えているであろう。たとえば、現在影ですすめているようなFTTHのような商品をADSLを契機にすすめたり、また携帯をはじめた場合(詳しくは後述)、ADSLとの抱き合わせを考えているだろう。それはいわゆるクロスセリングであり、またFMCという考えでも説明できる。このFMCをソフトバンクは前面に出すことは明確である。まずは、新規の携帯顧客を集めるよりも、既存の固定、ブロードバンドの客に対して携帯を売ることによって両方の満足度をアップする狙いがある。それによって既存の1500万程度の顧客の満足度を上げることを考えている。
国内の通信市場はそれぞれに厳しい状況になっている。それぞれというのは、固定、携帯、ブロードバンド、無線LANなどである。今回は全体の概況について述べる。固定は、NTTの一人勝ちであったが、NCC各社は直収電話が開始されてから様相が変わって来た。直収電話はNTTのドライカッパーが値下げされたため、それにともないNTTの基本料よりやすく提供しても黒となるためにNCCが一斉に開始したサービスである。現在は各社が激安競争を行っており、日本テレコムが最安値を維持している。しかし、その価格差は数十円~百円なので大きなインパクトはないはずであるが一般コンシューマにとっては、一円でも安いほうが魅力的にうつるようである。今後のNTTの盛り返しが気になるところである。しかし、固定網は3年で1兆円減収する見込みなので各社苦しい展開となっている。