シャイなもんで

京都を拠点に芝居をしている中野劇団主宰 中野 守の演劇に関する雑文やら、日記やら、映画の感想やらを綴ります。


テーマ:
ふと思いついた、PC周辺機器

セットした時刻に目に向かって目薬を飛ばすUSB機器
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ビンゴをしながらそれが「ビンゴ」って名前だと度忘れした男

登場人物
 男
 司会者
 その他客複数


○結婚式の二次会会場

結婚式の二次会もクライマックス。
ビンゴゲームが行われている。
客のひとりである男、手にしたビンゴカードをまじまじと見ている。

男(M)「あれー? これ何て名前だっけ? んん?」


男(M)「おお、度忘れした。出て来ないなあ。書いてないなあ。
さっき司会者が言ってたよな? ええ?
ボーッとして聞いてなかったなあ」

二次会の司会者を見る男。

司会者「48番!」
客「ああ…」
客「っしゃー!」
客のあった、なかったの声。


男(M)「揃えたら叫ぶんだよ。その言葉を。
ナントカー! って。
うん。何だ?
何だっけ?
ああ、もう! 出かかってるのに。
お尻の辺まで出かかってるのに。
これはあれだなあ。
誰かが揃えて叫んだのでわかるってのは負けだな。
絶対先に思い出したいなあ。
「リーチ」は覚えてるんだよ。
そうそう、「リーチ」みたいな短い言葉なんだよ。

あれ?
何で「リーチ」なんだ?
麻雀用語じゃん。
アメリカでもリーチって言ってるのか?
え? リーチって英語のリーチじゃないよな? ええ?
確かこんな【立直】字書くし。
しかもよくよく考えると「リーチ」じゃなくて「テンパイ」じゃないのか?
でも「テンパイ!」って叫ぶのは確かに語呂悪いな。
リーチ、リーチ。
あーもう! 出てこないな。
しかもこれ、全然揃ってないし。
「グ」がついたような気がする。
グ…、グ…。
…グラス。
…グーグル。
…グルメ。
…グラビア。
ガ。
ガ、ガメラ。
ガ、ガ、ギ、ギ、ギフト。
ギフト、グ、グ。
ゲ、ゲ、ゲーム。
ゲーム。ゲーム。ゴ。


ゴォ?」


何か思い当たった顔の男。


男(M)「ゴがついたきがする。
ゴか。
ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ。
ゴール。
ゴンゴール。
ゴリラ。
ゴメン。
ゴリラしてゴメン。
こんなとこでゴリラしてゴメン」



男(M)「くそう、出てこねえ。
あ~もう、誰も俺が思い出す前に言うんじゃないぞ」


周囲の客を見る男。

男(M)「「ゴ」じゃないのかな~。
外来語なんだよ。
それは間違いない、気がする。
あ~全くわかんねえ。
外来語だろ?
違うのか?」

男(M)「あれ?
何かの言葉と同じだったような気がする。
日本語に同じ音の言葉があったような。
何だっけ?
わたし。
あなた。
おはよう。
好き。
キライ。
彼氏。
カレシ↑」

男(M)「俺。ボク。ワシ。拙者。
昔の何かだったような。
うん。何だっけ?
人名。地名。地名? 地名? 昔の地名?

男(M)「摂津。
丹波。
あ~何か近そう。
何か近そう。
丹後、あれ?
但馬。
播磨。
備前。
備中。
備後。
美作。
伯耆。
出雲。
安芸。
長門。
すっげー、めっちゃ覚えてる、俺」

男(M)「筑前?
筑後?
豊前。
豊後。
豊後?
ブンゴ? おお!
ブンゴでビンゴか?」

男「ってビンゴじゃん!」
客「おお!」


うっかり声を発してしまった男に反応し、盛り上がる二次会会場。


司会者「どうぞ、前へ!」

男「え? え?」

隣の知人が、男を立ち上がらせる。
ビンゴが揃ったと思われて、狼狽え、キョロキョロする男。


男「え? いえ! あの、違います! すいません」

女性客「え~何それ」

司会者「じゃあ続けていきますね。7番!」

客「あった!」

恥ずかしさのあまり、顔面真っ赤で席につく男。


男「…」


終わり。

ペタしてね

***************

モノローグで進んでくお話です。
どうかな?
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金の斧(4/4)

ある村に林業従業者が住んでいて沼に斧を落としてしまい、沼の精霊が現れました。

木こり「ということはさ、自分でも薄々気づいてるんちゃうん? こんなとこ通る奴にそんなテストなんかしたかて、社会に何ら影響ないって」


沼の精霊は最早心が折れそうになっていました。
精霊「そんなことありません。どんな小さなことでもコツコツと」

木こり「うわ、寒」

精霊「え?」

木こり「ごめん。いやいや。でも何かまだ選択肢あるような気がしてきたわ」

精霊「え?」

木こり「自分な、こんな風にがーって言われるって思ってなかったんちゃう?」

精霊「ええ、そりゃ」

木こり「「落としたのは金の斧ですか? それとも銀の斧ですか?」って質問したら、金の斧って答えるか、銀の斧って答えるか、本人が落とした斧って答えるかの3パターンしかシミュレーションしてなかったんやろ? 俺みたいに「何て答えたらええん?」とか「カニです」とかって返されると思ってなかったやろ?」

精霊「ええ。思ってませんでしたよ」

木こり「それでも精霊か!
精霊「ええ?」

木こり「自分みたいなのに、何で試されなあかんねん。質問したらあかんとか前もって教えてくれへんし。言うてること綻びだらけやないか。他の精霊はどうなん? 他もおるんやろ? 他の精霊がどないやってるかとか聞いたことないん? いっぺん聞いてみ? ホンマむかつくわ。何で三つとも貰える選択肢残ってないねん。正直者がバカを見るってこのことやな。結局はカネ持ってる奴のトコにカネ集まるようになってんねんな。戒めとか言うて、ホンマは淘汰してるねんな」

精霊「あの」

木こり「何?」

精霊「わかりました。三つとも差し上げますから」

木こり「は?」

精霊「それで、あの…」

木こり「ちゃうやん」

精霊「え?」

木こり「ええ? 何か俺めっちゃごねて、くれくれ言うてるみたいになってるやん」

精霊「いえそんなんじゃないんで。質問したら駄目って前もって説明しなかったのは確かに、私の方に落ち度がありました。だから、えと、ホントはこういうのは駄目なんですけど、今回に限りその特別に三つともさしあげますので…」

木こり「…そこまで言うんやったら貰うけど。ホンマにええの?」

精霊「はい」

木こり「後で自分上に怒られたりするんちゃうん?」

精霊「いえ、上とかいませんから」

木こり「ホンマに?」

精霊「はい」

木こり「いや、そんなつもりやなかってんけど。…ごめんな、何か俺カーってなってまうトコあるから」

精霊「いえ、なって当然だと思いますから」

木こり「何か、自分ばっかりそんな、何か俺めっちゃあれやん」

精霊「いえいえ」


木こり、斧を貰えるのを待ってる。

精霊「あ、はい」


精霊、木こりに金と銀の斧を渡す。

木こり「念のため聞くけど、これは、後でメッキになるとかないよね?」

精霊「そうですね。本物の金と銀の斧です」

木こり「…あと俺の斧」

精霊「あ、すいません。ちょっと取ってきます」


精霊、沼に潜っていく。

木こり「…」


木こり、金の斧と銀の斧を沼に落とす。
精霊、三本の斧を持って戻って来る。

精霊「あの…?」

木こり「いや、こういうパターンはどうなるんかなって…。気になったから」

精霊「…」

木こり「…」


終わり。
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金の斧(3/4)


ある村に林業従業者が住んでいて沼に斧を落としてしまい、沼の精霊が現れました。


木こり「ほな、あれやん。カニ落としたら、カニになるんちゃうん?」


精霊「いえでも、金のカニとか銀のカニとかってないですから、「金のカニを落としました」って答えたら、明らかに嘘ってことになるじゃないですか」

木こり「金の斧も嘘やん」

精霊「でも、金の斧っていうのはまだ存在しうるというか」

木こり「そうかな? そうは思わへんけどな。金の斧やで。そんなダイヤモンドとかならわかるけど、金って言うほど硬くないし。実用性ないやん。お飾りやん」

精霊「それでも金のカニよりはまだ…」

木こり「あったとしても、こんな森の中に持って来るわけないやん。そんなん、宝物殿とかに安置されてるくらいやん」

精霊「まあ、そうなんですけど」

木こり「そのさ、前の男って金の冠とかつけてなかった?」

精霊「いえ、貧しい木こりみたいな感じの」

木こり「ほな、絶対金の斧とか言うたら嘘やん」

精霊「でも、その正直に答えるかを試すのに、そこまで細かいことは…」

木こり「わかるけどな。そらわかるけどな。てか、貧しいって見えたって言うてるけど、絶対そいつ生活に余裕あると思うわ。ホンマはあんまり見る目ないんちゃう?」

精霊「そんなことないと思いますけど」

木こり「まあ、ええわ。で、どうなるん? 言い方ってこと? 俺がその前の男が言うたみたいに「いえいえ、私の落としたのは鉄の斧です」って答えたら、貰えるん?」

精霊「いえ、もうわかってらっしゃるから」

木こり「納得いかんわあ。そんなんやってわかってたら、俺かて聞かんかったやん。それって、俺だけのせいか? 答えたあんたもちょっとあれちゃうん? だって、ほな、俺、今どない答えてもベストの選択肢は残ってないわけやろ? 選ぶ前からそんなんなるってちょっとおかしいやん。それやったら、俺が何聞いても答えへんとってほしかったわ」

精霊「すいません」

木こり「すいませんって謝られても、状況変わらへんねやろ? え? ちょ、なんか凄い凹むわ。うち、貧しいから、できるだけええ結果になるように正直に聞いただけやのに、聞いた時点でアウトって。そんなんな、「質問したら一番いい選択肢がなくなりますよ」って最初に言わなあかんのと違うん?」

精霊「あかんとか言われても、別に私は仕事でやってるとかではないんで」

木こり「趣味? 道楽? 人が正直者かどうかテストする趣味? ちょっと待ってな。それってな、普通に考えて、ものすごい根性悪くない? え? そうやん。人が正直者かどうかとか云々の前に自分はどうなん? え? 趣味で人を試すって。やむなくやってるとかならわかるけど」

精霊「いえ、別に好きでやってるわけではなくて」

木こり「ほな、何で? 何でこんな人を試すようなことをしてんの?」

精霊「良い行いをしている人を認めて、そうでない人を戒めることによって、人間界の秩序をその…」

木こり「いや、わかるけどな。その建前は」

精霊「建前じゃなくて」

木こり「てか、じゃあ何で「ここ」でそれをやってるん?」

精霊「え?」

木こり「もっと秩序云々ちゃんとした方がええ人間ようさんおるやん。社会に影響が出る「へん」がおるやん。こんな森の中の辺鄙なトコ通る奴なんか、そんな大して社会に影響ないやん。はっきり言うておってもおらんでもええような奴ばっかやと思うで、ここ通る人達は! 俺も含めて! もっと何? 国を統べる人のトコとか行った方がええんちゃうん?」

精霊「いえ、何度も言いましたように、私はこの沼の精だから」

木こり「ここから動けへんの?」

精霊「はい」

木こり「ということはさ、自分でも薄々気づいてるんちゃうん? こんなとこ通る奴にそんなテストなんかしたかて、社会に何ら影響ないって」


沼の精霊は最早心が折れそうになっていました。
続く。
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テーマ:
金の斧(2/4)

ある村に木こりが住んでいて沼に斧を落としてしまい、沼の精霊が現れました。


木こり「で、もう他にはないん?」

精霊 「え?」

木こり 「俺が「自分の斧を落としました」って言うのが、一番得するん?」

精霊 「いえ、そういうのを先に聞かれるとちょっと展開が違ってくるんですけど」

木こり 「は? 何で? さっき言うたやん」

精霊 「いえ、前の人は正直だったので、それに感心して金の斧も銀の斧もあげたんです」

木こり 「ちょっと待ってな」

精霊 「はい?」

木こり 「その男がどんな奴か見てないからわからんけどな。それってホンマに正直者か?」

精霊 「え?」

木こり 「俺の方が正直とちゃう?」

精霊 「え?」

木こり 「よう考えてみ? 普通人間って、よりええ方の選択した方が得って考えるやん」

精霊 「そうとは…」

木こり 「普通な、鉄より金とか銀の方がええやん」

精霊 「まあ、そうなんですけど。でもね」

木こり 「まだ、俺話してるから。そいつ何でどっちも選ばんと自分の斧選んでるねん。正直か?」

精霊 「え?」

木こり 「普通、金の斧選んだらどうなるのかとか、自分の斧選んだらどうなるかとか気になるやん」

精霊 「ああ」

木こり「現に俺、めっちゃ気になってるし」

精霊 「…」

木こり「その男、せやのに、聞かんと鉄の斧って答えたんやろ?」

精霊 「ええ」

木こり 「何処が正直やねん。俺の方がめっちゃ自分に正直やん。そう思わへん?」

精霊 「えっと。あの、おっしゃりたいことは何となくわかるんですけど、この場合ね、自分に正直とかではなくて、そのね、誠実さとか、謙虚さとか、嘘をつかないって意味の正直さとかそういうことで…」

木こり 「せやから、俺、めっちゃ正直者やん。自分に嘘ついてないやん?」

精霊 「いえ、自分にじゃなくて」

木こり 「あんたにも嘘ついてないやろ? 嘘ついてたらわかるんやろ? 神なんやろ?」

精霊 「ええ、まあ」

木こり 「斧の精霊やろ?」

精霊 「沼の精霊です」

木こり 「せやろ、わかるんやろ」

精霊 「まあ」

木こり 「ちょ、(沼から)上がって喋ろうや」

精霊 「いえ、ここでないと」

木こり 「何か話聞く体勢ちゃうやん」

精霊 「いえ、沼の精なんで」

木こり 「まあ、ええわ。例えばな」

精霊 「はい」

木こり「あんたが家売ってる人で、俺が家買いに来たとしようや」

精霊 「え? どういう話ですか?」

木こり「それを今からするんやん。自分、見た目おっとりやけど、意外とせっかちやな」

精霊 「…」

木こり「ほんでな、えと何言おうとしたんやっけ。…あそやそや。間に挟むからわからんようなったやん。ほんでな、どんな家がいいかってなった時にな、普通、自分の蓄えとか稼ぎとか家族構成とか自分の理想とかその辺と天秤にかけて、とにかく安くて、できるだけええ物件探すやん」

精霊 「はあ」

木こり 「そのためにはとにかくどんな家があるんかとか、聞きまくるのが普通やん。何も聞かんとその家でいいですって答えるのが、誠実で正直で謙虚な人間ってことになるか? カネ持ってて余裕あるからできるんやん。ほんでそれってちょっとめんどくさがりも入ってるわな」

精霊 「えと…」

木こり 「ここまでの話、ちゃんとついてきてる?」

精霊 「えと、たぶん」

木こり 「な。普通悩むやん。情報をできるだけ貰おうとするもんやん。その前の男が自分の斧を選んだって言うけどな、金の斧選んだらどうなるんやろうとか、普通考えるやん。家族養わなあかんかってみ、家に余裕なかったら、金やったら売ったらカネになるなあとか、これで年越せるなあとか、普通考えるやん。何も聞かんと、自分のこれですって、それ逆におかしないか? そいつ、それ金の斧がめっきってわかってたんちゃう? 目利きできたんちゃう?」

精霊 「いえいえ、本物ですから。これもそうですよ」

木こり「めっきって言うたやん」

精霊 「いえ、見せてるのは本物なんです」

木こり「は?ほな、それですって言うてそれもらったら、本物の金の斧が貰えるん?」

精霊 「いえ、めっきです」

木こり「ようわからんなあ。さっきからだいぶ矛盾したこと言うてるけど、大丈夫? 自分。まあええわ。何か脱線するなあ。その男、独身でな、別に暮らしに困ってなくてな、その斧に拘りがあるとかとちゃうん? 形見の品やとか、鉄の斧でも限定品とかの珍しい斧やったんちゃうん? それで金の斧と較べてもそっちの方が価値があるとかとちゃうん?」

精霊「いえ、普通の汎用の斧でしたけど」

木こり「わからんわ。その自分の言う正直ってのはホンマに正直やと思うわけ?」

精霊 「ホントに正直でいい人だったんですよ」

木こり 「え? 「落とした斧はどれですか?」って聞いて、鉄の斧ですって答えただけやろ? その一往復の言葉のやりとりで、人柄がわかるわけ?」

精霊 「精霊ですから」

木こり 「そんな眼があるんやったら、ほな別に質問せんでも、ぱっと見ただけでええ人かどうかわかるんちゃうん? ええ人捕まえて、金の斧と銀の斧あげたらええやん」

精霊 「いえ、斧は、沼に斧を落としたから金の斧と銀の斧を…」

木こり 「ああ、斧は最初から決まってるわけやないの?」

精霊 「ええ」

木こり 「ほな、あれやん。カニ落としたら、カニになるんちゃうん?」

続く。
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金の斧(1/4)

昔、ある村に一人の木こりがいました。
木こりは毎日せっせと木をこっていました。
ある日、その木こりは沼に斧を落としてしまったのです。
男は沼の前に立ちつくしていました。
すると沼のの中から泡がぶくぶくと浮き上がってきたかと思うと、沼の中からまるでギリシャ神話に登場する女神のような格好をした美しい女性が現れたのです。彼女は沼の精霊でした。そして右手には金の斧、左手には銀の斧を持っていました。

精霊「あなたが落としたのはこの金の斧ですか? それともこの銀の斧ですか?」

沼の精霊はとても綺麗な滑舌で木こりにそう尋ねました。
しかし、木こりはその質問に答えようとはしませんでした。

精霊「あなたが落としたのはこの金の斧ですか? それともこの銀の斧ですか?」

沼の精霊は、聞こえなかったのかと思って、もう一度同じ質問をしました。
しかしやはり木こりはその質問に答えようとはしませんでした。

精霊「あの…」

木こり「え? 何?」

精霊「あなたが落としたのはこの金の斧ですか? それともこの銀の斧ですか?」

木こり「…何て答えたらええん?」

精霊「え?」

木こり「何て答えたらええん? 俺、初めてやから」

精霊 「初めて? え? えと、初めてっていうのは…」

木こり 「いや、これ、なったことないから」

精霊 「はあ」

木こり 「何て答えたらええん?」


沼の精霊は予想していなかった展開に戸惑いを隠せませんでした。


精霊 「何てって。その正直に思ったままに…」

木こり 「どういうこと? 俺が思ってること? え? 「ホテル行こ」とかそういうこと?」

精霊 「いえあの、そうじゃなくて」

木こり 「これ、金なん?」

精霊 「はい」

木こり 「こっちは銀なん?」

精霊 「はい」

木こり 「何で?」


間。


精霊「 …え?」

木こり 「用意してたん?」

精霊 「いえ、あの」

木こり 「…」

精霊 「私、この沼の精で」

木こり 「うん」

精霊 「だから」

木こり 「は? いや、え? わからん。沼のせいでどうなったん?」

精霊 「いや、その「せい」じゃなくて。沼の精霊で…」

木こり 「(最後まで聞かず)で、俺はどない答えたらええん?」

精霊 「え?」

木こり 「こっち(金)って答えたらどうなるん」

精霊「いや、そしたらこの(金の)斧を渡します」

木こり 「金の斧?」

精霊 「はい」

木こり「ホンマに貰えるん?」

精霊「はい。あ、でも、メッキなんですよ」

木こり 「は? …え? こっち(銀)も?」

精霊 「はい」

木こり「メッキ? 中は?」

精霊 「柔らかい金属です」

木こり 「何それ? 柔らかい金属って。アルミみたいな?」

精霊 「いえ、もうちょっと粗悪な」

木こり「…半田みたいな?」

精霊 「それに近いかなと」

木こり 「何に使うねん?そんなん」

精霊 「何にって申されましても」

木こり 「何それ。…前の人は何て答えたん?」

精霊 「え?」

木こり 「前の人」

精霊 「えっと、「いえいえ、私の斧は普通の鉄の斧です」って答えたんですよ」

木こり 「ふうん。え? その人も斧落としたん?」

精霊 「え? ええ」

木こり 「え? 連続?」

精霊 「いえその…」

木こり 「ごめんごめん、話遮って。ほんで?」

精霊 「えっと、それで、その人は正直に答えたので、その人の斧も返して、それとは別に金の斧と銀の斧もあげました」

木こり「めっきの?」

精霊「いえ、その場合は本物の金の斧と銀の斧なんです」

木こり「は? それとは違うってこと?それは見本? 本物が別にあるわけ?」 

精霊 「違うんですけど、まあ、そんな感じなんですけど」

木こり 「それはホンマに本物なん? 先に見せてもらえるん?」

精霊 「え? どういう意味ですか? いえ。これを渡すんです。これは本物です」

木こり 「え? さっき「めっき」って言うたやん。「さっきめっき」やて。「あっちこっち丁稚」みたいやな」

精霊「…」

木こり「他には?」

精霊 「え? 他にはと申しますと?」

木こり「その三パターン以外の選択肢はどんなんがあるん?」

精霊 「え? 他の選択肢って?」

木こり 「いや、ほなな、例えば俺がな、「カニ落としてんけど」って言うたらどうなるん?」

精霊 「カニですか? カニってあの?」

木こり 「季節的にな」

精霊 「いや、でも落としてないですよね」

木こり 「落としてないけど、落としたって言うたらどうなるん?」

精霊 「いや、落としてないから、「あなたは嘘をつきましたね」って言って」

木こり 「言って? 何するん?」

精霊 「え? いえ。だからその罰を」

木こり 「罰? は?」

精霊 「いえその」

木こり 「自分が俺に罰を与えるん?」

精霊 「一応そういうことになってて…」

木こり 「何で?」

精霊 「何でって言われましても」

木こり 「誰が決めてるわけ?」

精霊 「誰がとかじゃなくて、あの、私はその神なんで」

木こり 「カミって神様の神?」

精霊 「そうなんですけど」

木こり 「でも、自分さっき沼のせいって言うてたで」

精霊 「だから、精霊っていうのは神のことで…」

木こり 「あ、そうなん? 自分って神なん?」

精霊 「はい」

木こり 「へえ」

精霊 「いえその…」


木こりは品定めするような目で沼の精霊のことを見ていました。
続く。
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テーマ:
パズル、大事なところが間違ってた。
ありゃりゃ。やっぱりこういうの作るのって難しいね。

「天」→「転」だわ
ここがスタートです。ありゃりゃ。大事なところを・・・
まだ何かやらかしてそう。。
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