妙満寺は、京都は洛北・岩倉にある顕本法華宗の総本山のお寺です。叡山電鉄鞍馬線・木野駅からのんびりと徒歩で辿り着くことができ、中坊進二もお気に入りの街並みを通り過ぎれば緑に囲まれたお寺の門が見えてきます。ツツジのお寺として知られ、春先は多くの参拝客が訪れます。また、仏舎利大塔や安珍・清姫伝説のゆかりの鐘、俳諧の祖・松永貞徳作「雪の庭」などでも知られています。
特に中坊進二は安重・清姫のお話を先に知っていたので、「ここにあったんだ!」という思いが強く、印象深いお寺でもあります。京都ではなく、はるか南の和歌山県は日高郡日高町、御坊のあたりにある道成寺の名物和尚さんのお話でその伝説を知っていたので、そちらを知っている方は、ある意味聖地巡礼かもしれないですね。
中坊進二の楽しみどころは名物の花。春は、4月初頭に境内に満開にしだれ桜が咲きます。夜間にはライトアップも施され、夜の京都の幻想的な空気を楽しめます。そして5月頃になるとお寺の名物である、門構えから境内にまで続くツツジの花が非常に美しいです。白・ピンク・茜色など、とても華やかで、その数なんと約3000株。夏場は睡蓮、秋は紅葉が非常にきれいです。また、花はありませんが、冬の庭園に降り積もった雪景色も実に見事で毎年参拝してしまいます。
もうひとつのみどころは、俳諧(俳句)の祖といわれた、松永貞徳の造営した枯山水の庭です。寛永6年(1629年)にこの庭園を会場に正式俳諧興行として「雪の会」を発足させ、これにより俳諧は、それまでの連歌から独立した文芸として認められることとなります。後に、松尾芭蕉・与謝蕪村などを輩出するなど、妙満寺は俳諧の地として広く知られることとなりました。