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ネット生保のライフネット生命社長の岩瀬大輔氏が、数日前にフェイスブックで「改めてよくよく考えたのですが、私の友人知人、フェイスブックをフォロー頂いている皆さんはライフネットにして頂きたい」との保険の“お願い営業”を行ったと話題です。


というのも、ライフネット生命は2008年5月にネット専業の生命保険会社として設立されたもので、「営業職員がいないから保険料が安い」が売り言葉だったからです。つまり、自分から積極的に情報収集する意識の高い顧客をターゲットとする生命保険会社だったのです。

しかし冒頭の岩瀬社長の投稿は、同社のビジネスモデルを真っ向から否定しています。

とはいえ、ライフネット生命は2008年の設立以来、赤字決算を続けています。また、新契約は2011年度・2012年度の6万件ごえをピークに減少に転じ、2014年度にはピーク時の半分以下の数字となってしまっています(「ネット生保の先駆、ライフネット苦戦の理由」東洋経済2015年5月23日号)。これは2011年以降相次いで、オリックス生命や楽天生命などがネットに参入し、競争が激化したからとされています。

このような動きを受けて、ライフネット生命は販売の多チャンネル化を試み、2014年に「ほけんの窓口グループ」と乗合代理店契約を締結し、2016年4月にはKDDI(au)と代理店契約を締結し、スマホを媒体として保険募集を行っています。

このように販売の多チャンネル化を模索しつつも、同社のサイトをみると、岩瀬氏の社長メッセージの欄には、『インターネットを活用した生命保険市場の成長ポテンシャルは大きく、当社はまだ道半ば』とのコメントがあり、「ネット生保」への強い思いがあることが窺われます。

にもかかわらず、その岩瀬社長が、まるで新米の営業職員のように「改めてよくよく考えたのですが、私の友人知人、フェイスブックをフォロー頂いている皆さんはライフネットにして頂きたい」とお願い営業をFBに投稿したのはかなりのインパクトがあります。

しかしこれは生命保険という商品の特性からはあながち間違ってはいません。生命保険は「ニーズが顕在化していない商品」とよく言われます。つまり、自動車保険や火災保険、がん保険などは人々は「自分もそういう目にあうかもしれないから保険にはいっておこう」と思いますが、自分が死ぬことは普通の人は考えたくもないので、生命保険のことは後回しとなります。ですから生命保険はなかなか売りにくい商品です。「保険営業は義理と人情とプレゼント」と言われるゆえんです。

そのため、多くの保険会社の支部・営業所などでは、指導役の職員が、新人の営業職員に、「まずは友人・知人・家族などに保険を勧めなさい。そしてその間に本当の営業の力を身につけなさい。」と指導していることが多いと思います。

2008年にライフネット生命は設立されたわけですが、このような生命保険商品の特性について約9年もかかってやっとわかるとは、ハーバード大学経営大学院で優秀な成績を修めたと天才のエリートを売りにしている岩瀬社長にしては少々物分りが悪いのではないでしょうか。

(ライフネット生命ウェブサイトより)

とはいえ、平成28年5月に保険業法が大幅に改正されましたが、その改正の柱のひとつは保険会社・営業職員の顧客への説明義務のさらなる強化でした。にもかかわらず、ライフネット生命の社長その人が、自社の保険商品の内容を丁寧に説明するのではなく、義理と人情によるお願い営業をネット上で始めたのは、非常に時代錯誤な感があります。(そこまで追い詰められている切迫感はよくわかりますが。)

思うに、他のネット系生保をみると、営業職員のいる従来型の生命保険会社の子会社となっている会社が成功しているように思います。出口治明会長は日本生命出身とのことで、ライフネット生命は日本生命の子会社等にしてもらえばよいのではと思いました。

■関連するブログ記事
・ライフネット生命「auの生命ほけん」が改正/特別利益の提供の禁止・保険業法300条1項5号

・ライフネット生命が同性パートナーを死亡保険金受取人に指定可能にしたけれど・・・


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