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同時廃止における免責の判断資料について、東京高等裁判所(東京高判平成26年7月11日決定)において、参考になる判断がされました。

同時廃止について詳しくはこちら

破産者が同時廃止手続きによることを選択し、破産手続を申立てた事案で、原審の免責不許可決定を維持したという決定です。免責不許可決定自体、非常に珍しいですが、この決定では、破産者が「同時廃止」手続きを選択したことについて、次のように判示しています。

「一般に,破産裁判所が破産申立てを受けて自ら職権で調査し得る事実の範囲は限られており,破産手続の進行や免責の判断について深刻な争いになった場合には,破産管財人が自己の調査結果に基づいて述べる中立的な意見が重要な意味を持ってくるが,抗告人は,上記のとおり同時廃止の申立てをすることを選択して破産手続の進行を求めたものである。その場合、破産裁判所としては,破産管財人の調査結果及び意見を聴くことができないのであり,そのような破産裁判所が,免責不許可事由のある破産者について,自らの認識可能な事実では裁量による免責をすることができないとして免責不許可の決定をしたときは,一般に,抗告審において,破産裁判所のこの判断を否定する証拠資料を得る手立てがないものといえる。」

破産管財人は、免責不許可事由該当性の判断を含めて、免責に関する意見書を書き、免責の可否について、客観的な立場から意見をします。


これに対して、同時廃止では、破産管財人が選任されませんから、免責に関する意見書が作成されることはありません。ただし、破産手続きが同時廃止で終わったとしても、裁判所が破産者から事実の取調べをすることは不可能ではありません。


裁判所は、免責手続きや抗告審において、破産者を「審尋」(裁判所が書面または口頭で当事者その他の利害関係人に個々的に自由な方式で陳述の機会を与えること)をすることが可能です(民事訴訟法335条、破産法13条)。しかし、審尋は、あくまでも本人が裁判所に対して陳述をするにすぎず、得られる判断資料は、破産管財人による免責に関する意見書よりも客観性が低いことは否めません。また、破産管財人は、破産手続中、破産者と何度も面談をするため、裁判所が審尋手続きにおいて本人を審問する場合に比べて、多くの客観的な情報を得ることが多いです。


本判決は、この点を指摘して、抗告を棄却しました。


名古屋地方裁判所をはじめほとんどの裁判所では、免責不許可事由があることが疑われ、免責に影響すると考えられる場合には、原則として、「免責調査型」として破産管財人を選任する運用になっています。破産を取り扱う弁護士は、免責不許可事由をしたがって、免責不許可事由があり、裁量免責の可否が問題になっている場合に、同時廃止で破産手続きが進行することは、珍しいケースではあります。


同時廃止は、予納金が不要であり、破産費用が安く終わりますが、免責の判断において、破産者にとって有利な判断資料が不足するというリスクがあるということも気に留めなければなりません。

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