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弁護士 堀口 佑美


昨年12月のブログで、夫が6億6000万円の財産を相続し、その一部を貸与して賃料収入を得ていた事案について、「婚姻費用の分担額を決定するに際し考慮すべき収入は、主として相手方の給与所得である。」と判断し、夫の特有財産である不動産からの賃料収入を婚姻費用算定の際に考慮しなかった東京高裁昭和57年7月26日決定をご紹介しました。

しかし、この判例と全く逆の判断をした判例があります。

東京高裁昭和42年5月23日決定は、妻が特有財産である不動産から毎月3万円の賃料収入を得ていた事案について、「妻の特有財産の収入が原則として分担額決定の資料とすべきではないという理由または慣行はない。…申立人の特有財産である前記共同住宅の賃料収入を考慮して婚姻費用の分担額を決定することは当然のことである。」と判示し、婚姻費用算定の基礎として妻の特有財産からの収入を考慮に入れました


上記2つの判例は、夫側、妻側のいずれに特有財産からの収入があるか、及びその額等に違いがあり、事案ごとに個別の判断が必要なことは間違いありませんが、特有財産からの収入を婚姻費用算定の基礎に入れるという考え方も有力なようです。

婚姻費用は婚姻期間中の生活費の分担であり、離婚時に夫婦が協力して形成した財産を清算する財産分与とは性格を異にすること、婚姻費用の根拠規定である民法760条が、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と規定していることなどが、特有財産からの収入を婚姻費用算定の基礎に入れる立場の根拠と思われます。




少子高齢化の著しい昨今、祖父母や両親から財産を相続または贈与されることにより、夫婦のいずれかが価値の非常に大きな特有財産を保有していることは珍しくありません。

特有財産からの収入を婚姻費用算定の基礎に入れるか否かについて、今後、裁判所の判断の動向が気になるところです。





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