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弁護士 堀口 佑美

4月のブログでは、夫婦間の契約は原則として取り消すことができるとご説明いたしました。
今回は、夫婦間の契約取消権の例外についてみていきましょう。 


現在の最高裁判所に当たる大審院は、昭和19年10月5日、妻以外の女性と不倫・同棲した夫が、妻に対する財産の分与として家の登記名義を妻にしましたが、その後夫婦間の契約取消権を行使して家の所有権登記を夫に移転することを求めた事例について、次のように判断しました。



「かかる環境事態に鑑みれば、上告人(夫のことです。)と被上告人(妻のことです。)との夫婦関係は単に戸籍上の夫婦に過ぎず、本然の姿における真の夫婦にあらずして、その関係は既に破綻に瀕せるものというを妨げざるものというべし。…

(夫が、夫の妻に対する)右家屋の所有権移転契約は、夫婦間の契約なるの故を以てこれを取り消し、被上告人(妻)より其の生活の保障とも見るべき唯一の財産たる右家屋を取り戻さんとするが如きは、被上告人(妻)に損害を加ふることのみを目的とする権利の濫用なりとして、右取消は其の効力を発生せざるものと判定するも、必ずしも不当というを得ざるのみならず、…」



簡単にまとめると、夫婦関係が既に破綻に瀕している状態において、夫婦間の契約取消権を行使した場合は、相手方に損害を加えることだけを目的とするもので、権利の濫用に当たるから、取り消しは認められません、ということですね。

その後、昭和42年2月2日に最高裁が、「民法754条(夫婦間の契約取消権について規定した条文です。)にいう『婚姻中』とは、単に形式的に婚姻が継続していることではなく、形式的にも、実質的にもそれが継続していることをいうものと解すべきであるから、婚姻が実質的に破綻している場合には、それが形式的に継続しているとしても、同上の規定により、夫婦間の契約を取り消すことは許されないものと解するのが相当である。」と判断したことにより、婚姻関係が実質的に破綻しているときには、夫婦間の契約を取り消すことができないという判例が確立しました。



仮に婚姻関係が実質的に破綻しているときにでも取消権を行使できるとしてしまうと、離婚に際してなされた財産分与契約も取り消すことができることになってしまいますので、婚姻関係破綻時に契約取消権を制限した最高裁の結論は妥当と言えるでしょう。


次回も、引き続き夫婦間の契約取消権の例外について見ていきます。



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