新刊のお知らせ | 不思議旅行案内 長吉秀夫

新刊のお知らせ

次回作「ドラッグの品格」のゲラが届いた。
ゲラというのは、本の中身のレイアウトまでしてある原稿のことだ。
今回の本は、今までのとは違い、編集者と企画から校正まで全て相談しながら進めてきた。
その結果、ある意味、僕らしい作品でありながら、今までの著書とはおもむきが変わっている。
ドラッグについて真面目に向かい合った内容ではあるが、そのティストは、なんというか、「バッドチューン」という感じだ。
小説仕立ての中で、主人公たちにかなり過激にドラッグについて語らせながら、医療大麻についてもしっかりと理解できるようにもなっている。
そして、特徴的なのが装丁や扉のデザインである。なんと、各登場人物を萌え系のキャラクターで表しているのだ。
ハードな内容なのに、萌え~な感じのデザインが、これまたバッドチューン
「不思議旅行案内」「タトゥー・エイジ」「大麻入門」とはまったく異なる本に仕上がっている。
こんな説明では、恐らく、どんな本なのか、殆ど想像できないと思うが…
とにかく、ハチャメチャでまじめで萌え~な本なのである。
4月には出版されるので、是非、読んでみてください。
章立てなどを少しだけご紹介します。



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『ドラッグの品格』






(舞台)
ある、南ヨーロッパの安いゲストハウス。時間は14時過ぎ。ラウンジには、世界各国の各種ドラッグ使用者たちが集まっている。オープンテラスのこのラウンジからは、道行く人たちの姿も見ることができる。
このゲストハウスは、オーナーやスタッフからもドラッグを入手できるし、ラウンジでは多くの人たちが、ドラッグ情報を交換している。つまりここは、世界のツーリストたちによくしられた「ドラッグ・ハウス」なのだ。
午後になったので、この街に到着した新たなツーリストを迎える準備がゆっくりとはじまっている。ゲストハウスのラウンジは、そんないつもと同じ昼下がりを迎えようとしていた……。







<主な登場人物>


宿のオヤジさん(スペイン系アメリカ人 LSD使用者 65歳)






早見キメル(日本人 覚せい剤使用者 37歳)






オピウム・ワン(オランダ人 ヘロイン使用者 42歳)




カナビス・ガーベイ(ジャマイカ系移民 大麻使用者 17歳)




ウィッチ・ドクター(年齢、国籍不詳。謎の女性呪術師)




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<主なコンテンツ>

第1章 覚せい剤
 東京から来たシャキシャキ男
 機内のトイレで一発キメて、手ぶらでここまできたってわけ
 戦争と覚せい剤
 男より女のほうがシャブ・セックスにはまる理由
 シャブと仕事、猜疑心について
 下品なのは覚せい剤かヘロインか


第2章 ヘロイン
 本当に気持ちよくなるのは吐いたあと
 3日も吸えば中毒症状
 ヘロインは嫉妬深い女
 五次元世界はあるのか
 アセンションか現実世界か
 彼女はウィッチ・ドクター
 嗜好品への欲望が世界を大きく変えていく
 ヘロインと戦争


第3章 LSD
 サイケデリックカルチャーの誕生
 コンピュータとLSDの相性はいい
 イメージされることを嫌う人々
 シャブやって仕事してる時点でダメだな
 どうしても彼女に会わないとマズイんだよ


第4章 大麻
 これが最後のチャンスなんだ、頼むよ!
 中途半端に途方に暮れている奴が日本にはたくさんいる
 大麻はドラッグじゃなくてハーブ


第5章 エピローグ
 離脱