2009-09-08 16:57:31

ヘイト・アシュベリー・フリークリニック

テーマ:大麻入門

ハードドラッグによる疾患や依存症の患者に対して積極的に活動を行っている機関がある。

サンフランシスコのヘイト・アシュベリー・フリークリニックがそれだ。

恥ずかしながら僕は、依存症治療について調べている中で最近になってこのクリニックの存在を知った。

ヘイト・アシュベリーといえば、言わずと知れたアメリカを代表するロックバンド、グレイトフルデットの本拠地であり、ヒッピームーヴメントの発信源としても有名だ。

1960年代のアメリカではLSDの再発見やマリファナ体験などにより、ラブ&ピースやサイケデリック・ムーブメントが生まれた時期だ。(過去記事参照)

サイケデリック・カルチャーは、「スィンギング・ロンドン」と呼ばれていたロンドンの都会っ子が夢中になっていたブリティッシュ・ロックと呼応しながら、世界中に新しいカルチャーを強力に発信していった。それは、保守的な大人だけのものだった世界規模のカルチャーシーンを解放した瞬間でもあった。その大きな伝播媒体がロック・ミュージックだった。新たな時代を告げる音楽であったロックの創世記は、様々な科学技術と人々の知恵と心が一体となった幸福の瞬間だった。アンプリファイヤーによる音の増幅は、今まで以上に多くの人々と音楽を共有することを可能とした。そして、そこから送り出されるノイズやディストーションによって、新たな音楽表現も誕生していった。ロックの中にレコーディング技術を積極的に取り入れていったのはイギリスのビートルズだった。一方、アメリカ・サンフランシスコのグレイトフルデッドは、『ウォール・オブ・サウンド』と呼ばれた巨大なスピーカーシステムを作り、野外でコンサートを開始した。このシステムこそが、現在僕たちが全てのロックコンサートで体験するPAシステムと呼ばれる音響システムの原型である。つまり、たった4~50年前までは野外でロックやレゲエやテクノを堪能するような文化は存在しなかったのである。それらの文化は参加者である若者たちが一つ一つアイディアを出し合い、実践していったことで誕生していった。野外コンサートの原型を作り始めたグレイトフルデッドや彼らを支持するデッドヘッズたち、そして、サンフランシスコを中心に音楽制作を開始したプロデューサー、ビル・グラハムたちにより蓄積されたノウハウは『ウッドストック』という伝説的なロックイベントを成功に導き、現在のロック・カルチャーの礎を築いていく。フジロックなどでも見られるように、当時の野外イベントでもテントを張り、野営をしながら数万人が音楽を楽しむ。かれらの多くは、LSDや大麻を吸い、トリップも楽しむ。しかし、中にはハードドラッグで身体的トラブルを引き起こしたり、LSDのバッドトリップに襲われて気分が悪くなるものも頻繁に発生した。そんな人々をケアしたのが、<RockMedicine>と呼ばれる医療ボランティアたちだった。彼らは様々な野外フェスに駆けつけ、独自の救急テントを張り、若い医師や看護士たちがボランティアで救護にあたっていた。ドラッグの作用にも深い理解をもつ彼らのサポートは参加するすべての人々に安心感を与えたに違いない。

そして1967年、彼らのベースとなる「ヘイト・アシュベリー・フリークリニック」が誕生する。

その後、ビル・グラハムは自らの遺産から多額の寄付をし、様々なアーティストや一般の人々の助力によって現在までその活動が継続されている。

ヘイト・アシュベリー・フリークリニックは、ハードドラッグ依存への治療はもちろんのこと、様々な疾患などについてもサポートしていると聞く。もちろん費用はかからない。恐ろしく医療費が高いアメリカに住むフリークや貧困家庭にとってはなくてはならない施設なのだろう。


政府や市などには頼らず、若者たちの手で作り上げたヘイト・アシュベリー・フリークリニック。ドラッグや公衆衛生について、市民が自らの責任の中で解決していこうとするアメリカ市民の姿勢は、やはり見習うべきところがある。そして、その根本には、常にタブーや因習に囚われずに問題を見つめ、解決に向かって問題を共有していこうとするロック・ジェネレーションの生きかたが投影されているのだろう。

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2009-09-02 16:28:43

ドラッグ患者は犯罪者か?

テーマ:大麻入門

ドラッグに関連した犯罪には様々なパターンがある

しかし、事件として扱われるものの多くは経済的な理由によるものだ。

例えばヘロインを使用すると気持ちよすぎてもう何もしたくなくなる。ただひたすらソファーやクッションに横たわり、水パイプなどでボコボコと紫の煙を吸い続ける。クスリが無くなるとどんな手を使ってでも入手しようとする。咳や鼻水や下痢でどうしようもなくなり、ただひたすらヘロインを手に入れることだけを考える。

覚せい剤の禁断症状はヘロインとは異なるが、事情は似たようなものだ。最初のうちは使用するとテキパキと仕事や家事や勉強に精を出す。24時間など軽く戦える力を手に入れられる。しかし、それが続くと徐々に基礎体力が衰え、クスリの量も増え、出費もかさんでゆく。手元のクスリが無くなると仕事もそっちのけで入手するために動き回る。そのうち、以前にフル回転で仕事をしてきた余波にてんてこ舞いになりながら、クスリも切れ気味になり、精神的にも追い込まれていく。やっと入手した覚せい剤をここぞとばかりに沢山使用して「パキパキ」な状態になり、気持ちばかりが空回りしていく。しかし、本人は代わっていく自分に気が付かない‥

結局、金もなくなり、人をたぶらかしてでもクスリを入手しようとする。やがて、自分が活動してきた様々な状況から追い詰められた精神が一機に破裂し、傷害や自傷行為を引き起こす。

ドラッグが引き起こす事件は多少の差はあれ、だいたいこんなことから発生する。

「だからドラッグは取り締まらねばならない」というのが一般的な考え方である。しかし、僕はそのような一方的な考え方に疑問を感じる。もちろん、他人の生活を侵害する行為は犯罪だ。しかし、誤解を恐れずにいうならば、他人を侵害せずに個人的に使用することに問題があるのだろうか。個人で阿片を酒のように嗜む文化は日本にも存在したし海外にもある。極端かもしれないが、その行為がその人にとって幸福なのであれば、そして他人を侵害しなければ、だれも取り締まることはできないという考え方もあるのではないだろうか。もちろん、極論である。事故を起こしていないからといって、制限速度をオーバーして自動車を運転することは大変危険な行為だ。ドラッグを取り締まる理論もそれと同じ論法なのだろう。しかし、そのような状況の中で、ドラッグを使用したものを一方的に凶悪犯のように扱う社会の風潮には大きな疑問を感じるのだ。

傷害事件や窃盗・強盗などは当然犯罪だ。自傷行為や自殺も避けなければならない。押尾学のように、一緒に使用した人間を見捨てて立ち去り、死に至ったことにも責任は生じるだろう。しかし、それでも尚、ドラッグを使用している者イコール犯罪者という単純な図式には疑問を感じる。


拘留中の酒井法子は「逮捕されてよかった」と言っているという。同時に「何度もやめようと思った」とも語っている。そして、本人も世間もあの夫婦は意思の弱い人間だと蔑みの目で評価している。しかし、そうではないと僕は思う。ドラッグは意志が強い弱いに関わらず、使用した人間を中毒にさせる作用を持っている。では、最初からてを出さなければいいじゃないかというかもしれない。しかし、自分がいつどんな状況になるかは分からない。まさか自分がと思っていても、気が付いたらドラッグを使用しているというケースは山ほどある。そして、今でも多くの人が、罪の意識や経済的な問題を抱えながらドラッグを使用している。誰にも相談できずに罪悪感と快楽の大きな振り子を行ったりきたりしているのだ。

「本当にクスリをやめるには逮捕されるしかない」

のりピーの発言の裏にはそんな思いが存在しているのだ。



ヨーロッパでは、ヘロインなどのハードドラッグを使用している人たちを患者として認識している。かれらはけっして犯罪者ではなく、トラブルに巻き込まれた患者なのである。オランダなどではドラッグ中毒に悩む人々を治療するホスピスや団体が多く存在する。それは、日本の一部の断酒やドラッグに対しての更生施設のように精神的な強制や抗うつ剤の大量の使用などとはことなり、メタドンなどの代替薬物や大麻の使用などによって医学的に禁断症状を中和させたり、社会的な立場を保護することで精神的なダメージを軽くして患者が立ち直ることをサポートするのである。

日本では毎年数千人単位で覚せい剤などのハードドラッグ使用者が逮捕されている。しかし、彼ら以外にも日本には、覚せい剤をやめたくてもやめられずに悩んでいるひとたちも逮捕者の軽く数倍はいる筈だ。彼らは今、この瞬間にも、自らの悩みを周囲に打ち明けられずに、ますます深見にはまっていく。そして、最後は犯罪を犯すか、所持や使用を発見されて逮捕されてしまう。意志の強さに関係なく、肉体がクスリを強烈に欲しがり続けるからだ。

ドラッグを使用している人間は患者なのだ。逮捕される前に彼らが相談できる窓口をもっと沢山つくるべきだ。一般の病院や保健所などで気軽に相談でき、逮捕もされず、周囲からも犯罪者ではなく、寧ろ患者であり被害者であるという理解を受けながら、厳しいながらも懸命に再起に向かうことができるような世の中になれば、もっと多くの人が救われるのではないかと思うのである。

そのためには日本の社会がもっとドラッグのことを学ぶ必要があるのだろう。

もはやタブーや固定観念などに縛られている場合ではないのだ。



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