手術と決まれば、次は日程調整です。

9/20(土)の説明時に、
「既に予定がいっぱいなので、時間外に準緊急扱いで手術をしましょう」
と言われましたが、流石に前日決定では誰も立ち会えません。
「せめて前々日迄に教えて欲しい」と、お願いしていました。

しかし、9/23(祝)の夕方、消化器外科の主治医が病室にニコニコ顔で訪ねて来ました。
「明日の夜、手術しようと思っているんだけど、ご家族は来られる?」

「え"っ、いきなり明日⁉︎」
昨日迄は何も言われず、かつ祝日に先生が来るとは思っていなかっただけに、二重に予想外でした。

幸い、明日は妻が病室に顔を出す予定でしたので、すぐに各種承諾書にサインをして、「手術日決定」の連絡を取りました。

明けて手術当日、朝の回診時に、
「午前中に枠が取れたから、午前中の手術で良いね!」
と更に予想外の展開が……

心の準備どころの騒ぎではありません。
妻には「夜の手術だから面会は遅めで良い」と連絡してあったので、急遽、早く来るように連絡し、
ボク自身は慌ててシャワーへ向かいます。

シャワーから上がり、手術着に着替えると、看護師が迎えに来ました。

あとは、妻の到着を待つばかり。妻が病院に到着次第、手術室に向かうことになっているのです。

長距離を焦って運転させたく無いので、妻には手術が早まった事は、まだ知らせていませんでした。到着した病室の物々しい雰囲気に、さぞビックリしたことでしょう。申し訳ない。

さて、そんなこんなで、心の準備の間すら与えられずに手術に雪崩れ込みました。

ああ、良い修行をさせられているなぁ……
麻酔で霞む意識の中で、ふと思いました。
初め、経過は順調でした。

45分間の苦行(イレウス管挿入)から6日。管からの廃液も止まり、廃液バッグが外されました。

翌7日目には、水分解禁!
「最初は水とお茶だけど、様子を見ながら段々増やして行くからね」……このひと言は嬉しかったなぁ。

許可が出ても、最初の一口がペットボトルじゃもったい無くて我慢。買ってきて貰ったティーバッグの焙じ茶の最初の一口が美味しかったこと。なんと香ばしく、甘いのでしょう。
涙が出ました。

しかし、その後が続きません。
いつまで経っても様子見のままなのです。

10日目の回診時に、
「今日の検査結果が良かったら、イレウス管抜いて、柔らかい食事を始める予定」と言われて期待しましたが、今度は、いつ迄経っても検査結果が病棟に届かないのです。

そして、待ちくたびれ始めた入院13日目。
消化器外科医から、一転、衝撃の説明を受けました。

曰く……
検査と経過観察の結果、水しか通らないことが判明。
その水も、通過に1日半かかる。
このままでは一生点滴が必要なため退院出来ない。
骨軟部腫瘍科の判断では、腸に浸潤している腫瘍の切除は、多くの腸管切除を伴うためリスクが大きすぎる。
一番安全なのは、腸のバイパス手術。
との事でした。

同席した妻共々、一も二も無く、バイパス手術に賛同しました。

ここに至り、ようやく手術が決定したのです。
鼻からイレウス管を通す処置の後、何をしてたかと言うと……



寝ていました。

最初の数日は、ひたすら寝ているだけでした。
イレウス管から内容物が排出されるのを待ちつつ、点滴で体力を維持する。

何せ、水も飲めない完全絶食のため、命綱は点滴のみ。排出量に応じて、点滴を増量して電解質を補うのです。

トイレ以外一人で出歩くのも許されず、車イスで移動するよう指示されていましたし、既に脱水症状起こしていた体では、フラフラして、まともに歩けません。

そんな生活が6日間続きました。
排出量も順調に低下、4日目にはほぼゼロになり、連日のレントゲンによる経過確認を経て、廃液バッグが外されます。
そして翌9/14(日)、水とお茶、スポーツドリンクが解禁になりました。
ここまで順調です。
「食べられる日も近いか?」と喜んだのですが、そうは簡単に行きませんでした。

入院生活は、まだまだ続きます。