天皇陛下のお言葉と安倍首相の談話 (2) | 永松昌泰学長のブログ【ものの道理で人生を豊かにしよう】

天皇陛下のお言葉と安倍首相の談話 (2)

「日本はいつまで謝り続けなければならないのか?」

よくこういう論調が見られます。


しかし、私はこう問いかけたいと思います。

日本は、今まで真摯に謝罪したことがあったのですか? と。



おそらく、今までの中で一番真摯な謝罪は、村山談話でしょう。
村山元首相の思いは真剣だったと思いますし、新しい時代の幕を開いた画期的な談話でした。
そして、中国も韓国も非常な好感を抱きました。
謝罪らしい謝罪は初めてだったからです。



ところで、人は、どれくらい謝罪されたら、十分に謝罪された、と思うでしょうか?

例えば、ちょっとぶつかった時には、一度謝ったら十分でしょう。
しかし、家族を殺された時にはいかがでしょうか?


しかも、相手はずっと50年も謝罪せず、50年経ってようやく謝罪したとしたら。
そしてその後は謝りたくない態度が見え見え。
ようやく謝ったと思ったら、今度はいつまで謝り続けなければならないのか? と開き直られる。

それで人は謝罪されていると思うでしょうか?



そうなると、村山談話に対しても、いろいろな受け止め方が出てきます。


まず、村山首相は、自民党ではなく、社会党でした。
錯綜した政治力学から連立内閣で首相にはなりましたが、
あくまで少数党の社会党の委員長でした。

なので、自民党という日本の主流からの謝罪ではありませんでした。


また村山談話を継承した小泉首相は自民党でしたが、
「凡人、軍人、変人」という流行語になったように、
「自民党をぶっ壊す」と公言した変人であり、異端児です。


つまり、日本の主流というか、
戦争を起こした「保守本流」からは謝罪されたことは一度もありません。
一度として。



そして、今は、謝罪の気持ちなど一片もなく、
内心は憤懣やるかたなく、ただ嫌々言わされていることが見え見えなのです。



それが、韓国や中国が謝罪を求め続ける理由です。