今週水曜、「スーパーニュースアンカー(関西テレビ)」という番組の中で青山繁晴さんが、約25年前のエピソードを中心に大相撲について興味深い話を披露した。
 その内容を紹介する(要旨・太字は私)。

1 青山氏が共同通信の若手の事件記者だった時(25年くらい前)、ある暴力団の組長を取材していた。その組長は「自分の家の金庫に行司の軍配がある」と話した。実際にそれを見せてもらったら、本当に行司の軍配があった。ある行司が賭博に負け、その借金のかたとして、次の場所が始まるまでに借金を払わせるために、その組長が軍配を預かっているということだった。
2 それを聞いた青山氏は、東京社会部の警視庁担当から警視庁にそのことを伝えてもらった。すると当時の警視庁から、「そんなことを事件化したら大相撲が崩壊するのでとてもこんなものは捜査できない」という返事が返ってきた
3 「警察が捜査しなくても国技の大問題だから報道すべきだ」ということを社内で青山氏が主張したら、当時の東京社会部長は、「警察の権威なしではこんなものは報道できない」と言った。そしてこの時取材してわかったことは、全部ボツになってしまった。
4 この話から、25年以上前から大相撲は暴力団の関与した賭博漬けだったということがわかる。
5 もう一つわかることは、世の中、案外よくなっている面もあるということだ。今は、大相撲の賭博について一応警視庁が捜査して、曲がりなりにもマスコミも報道している。その点、25年前とは違う。

 だいたい、上記のような内容だった。この日、この番組は消費税の問題が中心で、この話題は、そんなに詳しく突っ込むことはなかった。
 最近のマスコミの報道について振り返ってみると、確かに、官房機密費の問題など、今まで知られていなかったことがオープンになっていることもあるので「世の中、案外よくなっている面もある」というのは、それなりに正しいと思う。
 大相撲に関しては、「なぜ今までこうした暴力団が関与した賭博漬けの実態が明らかにならず、今、この時期に捜査・報道されるようになったのか」というところが、よくわからない。捜査されたり、報道されたりする前に、相撲協会の方で手を打って自粛することはできなかったのだろうか。
 オープンになること自体はよいことだと思うが、今回の大相撲に関する捜査・報道には「なぜこの時期なのか?」「何か背景があるのではないか?」という疑問が残った。


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