テーマ「永井路子」さん第4弾は拡大版!!


妹ブログでは永井路子本棚(古代史)をUPしています。

その新しい紹介記事のおしらせとともに、こちらでは古代史以外の作品を簡単にご紹介しています。

 

今回は永井路子『美貌の女帝』に併せ、杉本苑子『穢土荘厳』も採り上げています。この2作、重なる時代を描いていてまったく同じ主張が入っているんですよね~(妹ブログ参照)。そのあたりのおしゃべりも読めるかなと思い、二人の対談集を読んでみました。

 

 

* 第4回 ごめんあそばせ独断日本史 * (杉本苑子との対談)

 

最強のお姉さまお二人が話し散らす歴史対談。

私は永井路子さんだけでなく、杉本苑子さんの作品ももちろん読んでいます。お二人はなにかと比較されがちな存在なのではないでしょうか。年齢もちょうど一緒でデビューも同時期、今日ではさほど珍しくありませんがともに女流歴史作家。杉本さんによると、昭和27年(1952)の『サンデー毎日』懸賞小説に入賞した(永井さん第2席、杉本さん佳作)際、エレベーターの中で言葉を交わしたのが最初の出逢いだとか。そのとき両者まだ27歳。

 

正直いって私の好みでは断然永井さんに軍配で、その理由はスタイルの差にも出ています。永井さんはどちらかというと史伝寄り。時折作者が顔を出し史料などの種明かしをする……最近思うに決してそうでもないのですが、フェアな印象を受けるの。あと巻末の参考史料もありがたい(笑、杉本さんもあるかもしれませんが)。

 

小説としての心理描写は圧倒的に杉本さんが上かもね。面白いもの。「永代橋崩落」って短編だったかな、あの母性の醜さを突いた箇所とか。なのにかゆえにか、生来の性格の悪さで歴史上の人物を片付けるパターンが散見……それと特に藤原氏(!)がらみで、政変をすぐに「毒殺」処理で済ませてしまうのがなぁ……好きになれない部分なのです。この対談でも、杉本さんはやっぱり毒殺について「病死にしては実に怪しい、一服もったんでは、と思われる例がいっぱいあるでしょ」(新装改訂版、51頁)と語っていて、やっぱりそうなのかと(笑) でも小説にしたとき猫も杓子も毒殺だと興ざめなんだよなぁ。

 

さて対談、なにより面白いのはやっぱり毒舌の部分ですよね!?

平家滅亡の悲劇の中、壇ノ浦で入水したのに助けられた建礼門院(平徳子)へのディスはヒドイにひひ (同137頁)

「それをブカブカ浮いてしまって……。(笑)」(杉本)

「あれは何だ、というわけよ、まったく。ハッハッハ」(永井)

(中略)「感情の起伏がないのね、平板なの(後略)」(杉本)

 

あと、きちんと認め合いながら対立意見を戦わせられるのもクレバーだし心地よい。この二人って、ほんとに戦友的な存在なのかもしれない。女性の友情とは、とても素敵なものなのですよニヤリ

 

◆いままでとりあげた「永井路子本棚」◆

永井路子本棚160813

 

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永井路子特集<古代史編>

第3回/永井路子『美貌の女帝』

付録/杉本苑子『穢土荘厳』

永井路子年表・本棚整理しなおしました

 

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