今日は夕方、母校の東京工業大学で「原発事故の当時の状況と課題」と題する講演予定。


  福島原発事故では私が原子力災害対策本部長、東工大で私の7年後輩にあたる吉田昌郎所長が現場の責任者だった。東工大は私が入学したころは一学年700名程の単科大学で、規模としては大きな大学ではない。そこで学んだ二人がこの歴史的大事故に極めて中心的な役割で対応にあたることになったのも奇遇といえる。


  私は事故が起きるまで吉田氏のことは知らなかった。事故発生直後、福島原発の運転にかかわったことのある東工大の先輩から話を聞き、現場の責任者が東工大の後輩にあたる吉田氏であることを初めて知った。


  直接会ったのは二度だけだった。一度目は事故発生の翌朝、私が現地に飛び、免震棟で40分余り話をした。信頼できる男だという印象を強く持った。もう一度は事故がかなり落ち着いてきた時期に、Jビレッジに事故対応にあたっている関係者の激励を兼ねて視察に出かけて時。状況が落ち着いたら個人的に酒でも酌み交わしながら話をしたいと思っていたが、事故発生から2年余りで帰らぬ人となられてしまった。残念だ。


  今日の講演では、原発事故のことと同時に、科学技術と人間の幸福についても話してみたい。


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東工大での講演の様子は活動報告をご覧ください。

【母校、東工大講演】