北山の歌雑記

短歌初心者の戯言
「うたは下手でもよい自分のうたを詠め」
目指す旅路の道中記


テーマ:
前回に引き続き歌誌「冬雷」5月号の中で、私なりに特に心に残った

歌を抜粋してみました。鑑賞・評などと大それたものでは無く  

私なりに選ばせていただいた理由を少々、記させていただきます。

(☆新仮名遣い希望者)  

尚、冬雷集感想の一部は後日


丘に建つ牧舎の解体はじまれば重機のひびき里にとよもす

茨城 吉 田 綾 子☆


(連作より)かつて作者の生業であった酪農。

牧舎は持ち山から木を切りだしての建築であったという。

その解体の際に響き渡る重機の音。

静かな山里故に、いやでも聞き入るしかない作者の寂しさが感じられる。


週に二度来る百円バスを恃みにして狭間の生活(く らし)をひとり楽しむ

福井 橋 本 佳代子


山峡の里に暮らす作者。

連作によれば九十二歳のお独り暮らし。

行政の補助のあるであろう週二回の百円の低料金のバスに乗り

街へと出掛ける。

そのささやかな楽しみと、のどかな暮らし振りを満喫している事を窺わせる。


蟻を追ふ幼なに「踏んぢや駄目」と言ふ父親の声の通る春の日

栃木 髙 橋 説 子


春の親子連れの散歩であろうか。

蟻を追ふ幼な子に「踏んぢや駄目」と言ふ父親の声の声を聞いた作者。

生き物を大切にする事を諭すその声に、実際に春の晴れ日に増して

父親の発した内容から生じた作者の清々しい心持ちを感じた。


形見にと若き日のリング取り出せばぐるぐる廻りておとろへを知る

千葉 石 田 里 美


形見分けのつもりでろう。

若き日に身に付けた指輪を探し出した作者。

久々に、はめて見た模様だ。

かつてはしっかりと、指にはめられていたその指輪。

今は痩せ衰えてぐるぐる廻る始末であった。

結句「おとろへを知る」に、この一首における作者の心情のすべてがある。


娘読むライトノベルの八犬伝挿絵の今風男子が八人

茨城 吉 田 佐好子☆


Wikipediaでは日本で生まれた小説の分類の1つと定義されるライトノベル。

厳格な定義は曖昧なようで個人的には、Wikipedia文中の

柳廣孝、久米依子編著「ライトノベル・スタディーズ」青弓社

に出典のあるという「青年期の読者を対象とし、作中人物を漫画や

アニメーションを想起させる『キャラクター』として構築したうえで、

それに合わせたイラストを添えて刊行される小説群」

というのが判り易い。

私の年代では、特に思い起こすのが少女を対象とした集英社文庫

コバルトシリーズ。

すでに故人となった作家氷室冴子による平安を舞台に内大臣家の

架空の息女瑠璃姫を主人公とした代表作「なんて素敵にジャパネスク」

シリーズも含まれるようだ。

田舎の本屋でピンク色の表紙カバーのその本を、本屋のレジに差し出した

際の、何とも生じた気恥ずかしさが懐かしい。

結句「挿絵の今風男子が八人」に、現在の今風男子の挿絵に作者の

娘時代の時とは少し違った感覚など、懐かしく手に取って眺めていたような

気がする

まあ作中の人物の刺し絵などはどうでもよい事で、時代設定を変えても

登場する人物の本質は、今とさほど変わらないといった人間の本質の

部分が大切なのかも知れない

将来の歴史学者、国文学者の類は、今ははこういった種類の読み物から

スタートしてゆくのであろう。



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