天使の刻印 - 葉桜夏樹 Blog

もの書き:「踏まれたい」(単行本)「ハイヒールで踏まれ
て」(kindle版)など。 femdom、フェティシズム、アルトカ
ルシフィリア、クラッシュ、でも、そこに「美」への正当な
言い訳が用意できたら、耽美で、妖艶で、死への憧憬を抱か
せる快楽の物語が綴れたら。



テーマ:
千景から踏まれなくなって、性欲のはけ口は、ルナが週末に持ち帰る上靴に凝固していた。もちろん、千景のハイヒールやパンプスの靴底を舌で磨かなかったわけではなかった。それはそれで、やってはいた。ただ、ルナの上靴にくらべると、興奮度があきらかに違った。それを考えると、やはり上靴が、お嬢様学校の床を踏んでいることが大きかった。床のゴミを踏みつけ、圧縮したまま持ち帰った上靴の靴底。どんなにきれいに磨いても、一週間後には真っ黒になって戻ってくる。けっきょく、その不条理さがこの性欲の源だった。ふと、思うときがある。ルナは自分がはいている上靴の靴底がきれいになっていることに気づいているだろうか、と。もちろん、そんなこと、気づいているわけがない。私の唾液が付着した靴底で、教室の床を踏み、トイレの床を踏む。また、そのことに、彼女が気づいて欲しいという気持ちもどこかにはある。ああ、こんなことなら、いっそのこと、ルナの通う学校のトイレの床にでもなってしまいたい。人間床に。ルナのような美少女たちから踏まれたい・・・・・。しかし、いくら想像をたくましくしても想像は想像でしかないが、それは、いずれ現実へと傾いていく。そして、そういった類いの現実は、あんがい、思ったより、早く訪れる。


葉桜夏樹の作品
ハイヒールと人間マットと蟲男(上): メタモルフォーシス
ハイヒールと人間マットと蟲男(下): メタモルフォーシス
踏まれたい: アルトカルシフィリア3
天使の踏みつけ: アルトカルシフィリア2
ハイヒールで踏まれて: アルトカルシフィリア

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醜虫は、もはやこれまでと、死ぬ準備をはじめた。ブーツの巨大な靴底の模様が、彼を見つめると、彼は両手をひらき、いさぎよく、それを全身で受けとめた。自分の存在が、彼女にわずかでも知れたことが、せめてもの幸福だとかみしめ、この世を去った。

昨夜、食べたくても口に入れることができなかったあんパン。見ると、パンの皮には、女子バレーボール部員たちがはくシューズの靴底の深い模様が複雑に刻まれている。

葉桜夏樹の作品
ハイヒールと人間マットと蟲男(上): メタモルフォーシス
ハイヒールと人間マットと蟲男(下): メタモルフォーシス
踏まれたい: アルトカルシフィリア3
天使の踏みつけ: アルトカルシフィリア2
ハイヒールで踏まれて: アルトカルシフィリア




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人間だったころ、とにかく、女に踏まれたかった。そして、実際に女に踏まれると、今度は踏み殺されたくなった。だから、虫や小動物をお嬢様たちにわからないように、こっそり、彼女らの靴で踏ませた。

食パンは床から剥がれないほど、紙のように薄く、パンプスの靴底の模様が複雑に刻まれている。ひもじくて、醜男が、パンを手で拾おうとすると、舌でするのよ、と声が飛んだ。醜男が言われたとおりにする。立体的な幾何学模様を舌の先で感じた。

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ハイヒールと人間マットと蟲男(上): メタモルフォーシス
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赤星が奈美の靴底を舐めている。にがそうに顔をゆがめたが、目を閉じると、また舌を動かし、靴底に付着した学校内の塵をぬぐうように、ゆっくりと、舌を這わせている。苦しそうな表情をしていたが、彼の行為を止めに入る者はいなかった。そこに居合わせた各々の残酷な好奇心がそれを拒んでいた。(「踏まれたい:アルトカルシフィリア3」kindle版より)

ブーツで、部屋の畳を踏みしめた。下男の男部屋とはいえ、土足であがることに奇妙な感じもしたが、ここは地べたなのだ、と意識が上書きされる。歩き回っていると、仏壇にあった、みかんや菓子などを、醜男から踏んでくださいと足元に差し出された。

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ブーツで、部屋の畳を踏みしめた。下男の男部屋とはいえ、土足であがることに奇妙な感じもしたが、ここは地べたなのだ、と意識が上書きされる。歩き回っていると、仏壇にあった、みかんや菓子などを、醜男から踏んでくださいと足元に差し出された。

背中に手をまわすと、皮膚の表面がヒールのあとでくぼんでいる。手の甲を見ると、傷あとが血でにじんでいる。彼 の背中を思い出し、私の背中も彼のように傷だらけになっているのだろうと想像した。





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 踏みたがっているブーツが地面をはなれ、ちいさな踵の靴底ににらまれると、すでに、そこは死の領域だった。
潰れまいと抗うも、一瞬で、醜虫は全身を地面にひろげた。

 私は踏むことで、ちいさな命を奪うことに『快楽』を感じ、あなたも擬似的な『死』を求めるようなる。そしてその先に あるものは何?




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僕はね、奈美さんの靴底を舐めながら心で泣いていたんだ。でもね、それは悲しかったからじゃない。嬉しかったからだよ。

ブーツが私の頭を踏みにじった。頭を踏み越え、そのまま、背中や臀部を踏みつける。大人の女性に踏まれることが、これほどの苦痛だとは想像さえしなかった。




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平素は、拙著をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
 
さっそくですが、 最近、私の電子書籍の無料ダウンロードを装った、フィッシング詐欺の危険性のある違法サイトがあるとの報告を受けました。私の場合、有料作品は、AmazonのKindle以外には公開しておりませんので、怪しいサイトには、くれぐれもご注意くださるようよろしくお願い申し上げます。

葉桜夏樹

 
 
                       
                             

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ハイヒールと人間マットと蟲男(上): メタモルフォーシス kindle版 光英出版 ¥784
 


若い女性ばかりが社員の婦人靴会社。そこの女子トイレの戸口に、ひっそりと敷かれたマットがある。女性から踏まれるだけの、その存在に、清掃員の長野カイチロウはあこがれていた。中年で独身。おまけに清掃派遣会社の契約社員。そんな自分と、毎日毎日、制服姿の若い女性社員たちのハイヒールやパンプスで踏みにじられるマットと、どっちがシアワセだろう、と本気で考える日々がしばらく続いた。

そして、とうとう、女子トイレのマットを、ときどきではあるが、アパートに持ち帰るまでになった。 寝る前に、一日じゅう彼女たちのハイヒールやパンプスで踏まれて、汚れたマットを、シーツのかわりに敷きフトンにかぶせると、眠り込む際までマットとたわむれた。 まずは、頬ずりする。鼻先に、マットの表面がふれると、特有のゴムの匂いがする。女性社員たちのハイヒールやパンプスの靴底をぬぐい続けたあとの残り香は、カイチロウにとって「女の匂い」だった。

マットの表面の繊維部分に手のひらで優しくふれてみる。そして、毛なみをつくろうようにしてなでる。埃や砂をかんでいると、舌で優しく拾いあげる。彼女たちの靴底についていたゴミをおいしくいただくのである。 カイチロウは女性の身体にふれたことなどなかった。 生まれたときからの醜い容姿や、子供のころに右手の小指を潰して、それがコンプレックスだったことで、人間関係にも自信がなく、とくに女性には常に逃げ腰だった。

そのくせ、女性への興味だけは、子供のころから人一倍強かった。持てあました性欲は、とうぜん、ひどくゆがむと、その矛先は、女性が身につけたモノにむかった。 とくに、カイチロウの性欲の対象は女性がはいた靴だった。若く美しい女性たちのハイヒールやパンプスにふれてみたい、からはじまり、最後は、踏まれたい、となった。だから、カイチロウが、女性たちのハイヒールやパンプスの靴底にふれた女子トイレのマットを持ち帰ったのも自然な成り行きだった。

カイチロウは、その持ち帰ったマットにふれることで、シアワセを感じ、そこに深く顔をうずめた。制服姿の女性社員たちのハイヒールやパンプスで踏まれる甘美な「痛み」を想い、うれしさで涙をマットにこぼすと、至福の眠りにおちた。 朝一番、婦人靴会社に行き、女子トイレの戸口にマットをうやうやしく敷く。 すると、まわりのにぶい光の中で、マットを中心に、そこだけが輝いている。

一晩かけて、カイチロウの手で優しくなでられ、舌で磨かれたマットは、すでに彼の生命を帯びて生きていた。生きて宙に浮いているようにさえ見えた。それを、何も知らない制服姿の女性社員たちは、ハイヒールやパンプスでふつうに踏んでいく。マットの上で立ち話をする女性社員たちもいる。カイチロウは、清掃の手を休めず、その様子をチラチラと見ている。

マットは彼女たちに踏まれながらも懸命に靴底をきれいにしている。 うらやましい、とカイチロウは思う。 そして、どんなに痛くてもホンモノの女性に踏まれてみたい、とも。 ところが、そんなカイチロウの盛んな性欲を裏切り、彼が死んだのはそれから数ヶ月後のことで、突然のことだった。脳の血管が切れたのだ。もともと持病の糖尿病もあり、加えて血圧も高かったことが原因だったらしい。

彼の葬儀は、火葬場でかんたんにすませるというやり方で、そこに身内の姿はなく、そろった顔ぶれも清掃派遣会社で彼を知る数人だけだった。 それも、参列したというより、なかば好奇心で、ただ死顔をのぞきにきたというふうで、喪服を着ていたのは、カイチロウと一番ウマがあった山田シゲルという同僚ただひとりだけだった。

シゲルは、行き場のないカイチロウの位牌と遺骨を、押しつけられるように受け取ると、とりあえず、自分の安アパートへ彼を連れて帰った。 部屋に入り、書棚の空いた場所に位牌と骨壺を置いた。 シゲルの部屋には、亡くなった両親の仏壇があったが、さすがに中に一緒に入れるわけにはいかない。コップに水を入れると、シゲルはカイチロウの位牌に手を合わせた。

シゲルが他人のカイチロウに律儀だったのにはわけがあった。 カイチロウは死ぬ数週間ほど前から、やたら、弱気だった。最近、頭痛が激しい、それに全身の筋肉の劣化もひどいと彼はこぼしていた。 「病院に行けよ」とシゲルがうながすと、 「カネがかかる」と彼は返した。 そして、カイチロウはこう言った。 「万が一、オレが死んだら、カネはお前に全部やる。そのかわり、死んだあとの始末と、遺書を書いておくから、そこに書かれた願いをかなえてくれないか」と。

カイチロウの死後、シゲルは彼のロッカーから紙袋を見つけた。そして、誰にも見られないようにアパートに持ち帰った。 紙袋をあけると、郵便局のカードと通帳、あと、印鑑と封筒が入っていた。 通帳の額を見ると三万円ほどだった。封筒の中には便せんが入っていた。遺書だった。ひどく汚い字で郵便局の暗証番号と彼の願い事が書かれている。 その願い事を読んで、シゲルは腕を組んでしばらく考え込んだ。というより、頭をかかえた。

あまりに突拍子もない、ふざけた願いだったからだ。それでも、シゲルを突き動かしたのは、これでオレは成仏できる、頼む、と便せんに書かれたカイチロウの最後の言葉だった。 まず、シゲルは、勤め先である清掃派遣会社に、清掃する職場の配置転換を申し出た。

会社側は、シゲルがカイチロウの葬儀で骨を折ってくれたこともあり、あっさりと、それを認めた。シゲルはカイチロウが働いていた婦人靴会社に派遣されることになった。 それから、ある日の夜。シゲルは、婦人靴会社の女子トイレのマットをこっそりと持ち帰った。 部屋でマットをひろげると、砂や埃に混じったゴムの匂いが部屋じゅうにひろがった。

一日じゅう、女子トイレを行き来する女性社員たちのハイヒールやパンプスで踏まれ続けたマットだ。シゲルは、それに手でふれるのも気がひけたが、彼のためと思って我慢した。 彼の遺書によると、マットの表面の繊維部分と裏面のゴムは、糸で縫うように貼り合わせてあり、そのあいだに入れてくれ、と彼は望んでいた。入れてくれとは、もちろん、彼の骨のことで、まじめに考えると、狂っている、とシゲルは思うのだが、まあ、それで成仏できるのであれば、しかたあるまい、と思いなおす。

マットの表面と裏面を三十センチほど無理にひきはがす。そこへ骨壺をひっくり返すと、ジャラジャラとうれしそうに音をたてながら、箸より軽い骨となった彼は、その中にあっさりおさまった。はがしたところをボンドでくっつける。マットの表面は、骨のせいで、不自然に所々ふくらんでいる。これでカイチロウの望み通り、彼はマットに生まれ変わった。

次の日の早朝。シゲルは、カイチロウが入ったマットを自転車の荷台に積むと、職場へとむかった。 会社に着いて、いつもの定位置に彼を敷いたところで、ふり返ると、早くから出社していた制服姿の女性社員たちが、三人、こっちへむかって歩いてくる。

彼女たちがすぐ近くにくると、シゲルは柱の陰にかくれ様子を見守った。三人の女性社員たちのハイヒールやパンプスがマットを踏みつけた。と、同時に、骨の砕けるにぶい音が廊下に響いた。すぐに踏み心地と音に気づき、三人はマットを見てから、怪訝な表情で顔を見合わせた。 「なによ? これ?」とひとりの女性社員がマットを踏んでいる自分のハイヒールに視線を落とした。 三人は、踏みなおすたびに、なぜか泣くような音がするマットを不思議がった。

そして、しばらくのあいだ、その泣く音をおもしろがり、マット全体をくまなく踏みまわった。 しかし、それにもあきると、 「変なマット」とひとりの女性がそう吐き捨て、三人は女子トイレに消えていった。 しばらくして、三人が女子トイレから出てきたが、マットにすでに関心はなかった。足もとのマットを見ることもなく、ふつうに踏んでいってしまった。 そのあとも、マットは女性社員たちのハイヒールやパンプスで踏まれ続けた。

午後をすぎたころには、マットを踏んでも泣く音がしないほど、骨は粉々に踏み砕かれ、おそらく、彼は骨粉になっていた。 シゲルは仕事もせずに、時間さえあれば、女子トイレの近くで、彼を弔うようにマットを見張っていた。 「痛かろう・・・、痛かったろう・・、あんなに踏まれて・・・、かわいそうに・・・」とシゲルは柱の陰で合掌した。   その日の夕方。シゲルは仕事を終え、清掃派遣会社に戻ると、自分よりずっと若い担当社員から呼ばれ、いきなり、クビを言い渡された。

呆気にとられ、理由をきくと、クライアントである婦人靴会社の社長自らクレームがきたという。 シゲルがさらに詳しくきこうとすると、担当社員は、 「お前にこたえる義務はない」と言い放った。 担当社員は怒っていた。無理もなかった。クレーム先の婦人靴会社に派遣されていた男が、突然、死んで、彼の後釜にというシゲルの希望をきき、せっかく、その願いをかなえてやったのに、このザマだ。

担当社員にすると信頼を裏切ったわけである。そんな憤怒の目でにらむ担当社員に、シゲルはもう何も言えなかった。お世話になりました、とだけ言って、頭をさげるしかなかった。 安アパートへの帰り道、シゲルは放心状態だった。どこをどう帰ったのかさえ、おぼえていなかった。精根尽き果てたまでとは言わないが、かなり、それに近い状態だった。友人のためにしたことなのに、これはないよな、と思った。

部屋に戻り、万年床でごろりと横になる。 自らの行く末を想ってみる。だが、頭の中が真っ白で何も浮かばない。 そもそも、家族はみんな死んでしまい、親戚とも縁が切れ、孤独の身だ。今さら、何を想う、何を憂う、と強がってはみたが、不安で不安でしかたがない。

ところが、こんなときでも、律儀なシゲルは、昼間、婦人靴会社の女性社員のひとりから、女子トイレのマットを交換してください、と言われたことを思い出した。シゲルにしても、まさか、今日、突然、クビになるとは思ってもいなかったので、そのことを清掃派遣会社に伝えることをうっかりと忘れていた。 いや、問題はそこじゃない、とシゲルは激しく首を横にふった。

そんなことより、あのマットはふつうのマットではない。カイチロウの骨が入ったマットだ。さすがに、あのまま放置するのはマズイ。もし、マットから人骨が出てきたら大騒ぎになる。マットを回収しなければ・・・ 万年床から跳ね起き、時計を見ると、まだ夜の七時をまわったところだ。

今から、急いで自転車で行けばマットを回収できる。シゲルは自転車にまたがると、婦人靴会社に急いだ。 会社に着くと、窓にはまだ明かりがついている。 社屋の横にある社員専用駐車場を見ると、車は二台しかなく、社員もほとんど帰ってしまったようだった。

駐車場に自転車を停める。帽子を深くかぶりなおすと、自転車のハンドルについていた懐中電灯を持ち、シゲルは、監視カメラから撮られる覚悟で、玄関から堂々と中に入った。女子トイレに行くと、薄暗い蛍光灯のせいで、壁とか、床とか、風景が黄ばんで見える。

そんな中、床に敷かれたマットだけが蛍光灯の光を集め、やたらまぶしく映える。シゲルは、マットに近づき、それをくるくると巻くと玄関を出た。 駐車場に戻る。マットを自転車のうしろの荷台にのせ、ゴムひもでくくっていると、ふと、カイチロウの骨を、このままアパートに持ち帰るのも、マズイのではないか、と思った。そこで、マットを自転車の荷台からおろすと、ボンドでつけた部分を無理にはがした。

暗闇の中、懐中電灯を照らしながら、マットの中をのぞくと、骨もあるにはあったが、ほとんどが粉末になっている。 会社の外だが骨はこのあたりにまいてやろう。 散骨だ。 「ここなら会社の女性社員たちが車を停めている場所だから、ここを行き来する女性たちから踏まれるだろう」とシゲルはカイチロウにそう語りかけながら、マットのひらいた口を地面にむけた。

すると、突然、風が吹き、骨の形のものはそのまま地面に落ちたものの、それ以外の骨粉は雑草が生い茂る近くの草むらへと風で飛ばされ、消えていった。 シゲルは、マットの口を地面にむけたまま、マットの表面をはたき、すべて地面に落とすと、自転車のうしろの荷台にマットを積み、安アパートに戻った。 良い供養ができた、と思った。

カイチロウがマットとして女子トイレの戸口に敷かれた日の朝。 会社の更衣室で、神谷美香が制服に着替えていると、ちょうど、そこへ同僚の村上桜子と佐々木メグが小声で喋りながら入ってきた。 おはよう、とふたりがあいさつしたので、美香が、おはよう、と返し、更衣室を出ようとしたときだった。美香は桜子の表情の暗さが気になった。

そして、 「何か、あった?」とたずねた。 「う、うん・・・」と桜子が言葉をにごした。  横にいるメグは知っている様子だった。 「ねえ、言っていい?」とメグが言うと、桜子は、しかたなさそうに、うなずいてみせた。 「桜子ね、ストーカーにあっているのよ」とメグが小声で言った。

「誰に?」と美香が驚いて返す。 「彼氏よ」とメグ。 「彼氏?」と美香。 「それにね・・・」と、メグが言いかけると、 「すこし変態なの」と桜子がやっと口をひらいた。 「それがね・・・」と具体的にその性癖を言いかけたところで、桜子が口をつぐんだので、その様子から、よほど変態趣味の話なのだろうと美香は察した。 「言いたくなければ、言わないほうがいいよ」と美香は桜子にうながした。

美香にしても、他人の彼氏の性癖など、べつに興味はない。 それでも、桜子は話したくてしかたがない顔つきで美香を見ている。その横では、メグが気の毒そうな顔をしている。 美香が耳をかたむけると、桜子は、 「先週の土曜日、彼のアパートに行ったのだけど、夜、私がうとうと眠りかけていたとき、横を見ると彼がいないのよ」と言った。

「いない? 彼はどこに行ったの?」と美香がたずねると、 「それがね・・・、それが、玄関で私の靴を舐めていたの」と桜子はそこだけ早口でこたえた。  美香は、ため息をつき、同情の目で桜子をながめまわした。 「そのあと、土下座するの」と桜子が続けた。 「ただ、土下座しただけなの?」と美香。

桜子は首を横にふり、それから、言いにくそうに、 「ハイヒールで踏んで欲しいって」  それを聞いて、美香は驚くべきか、ちょっと迷ってから、いちおう、驚いてはみせたが、とくべつ変なこととも思えなかった。そういう性癖の男性は、あんがい、多いことを知っていたからだった。 美香たちが勤める会社は婦人靴を扱っている。

日ごろから、自社の商品であるエレガントなハイヒールやパンプスやブーツをはいていて、桜子の彼が欲情しないわけがない、そういう性癖があれば、我慢できず、踏んでください、と言っても無理のない話だと思う、とそんなふうなことを美香はふたりに話した。 すると、それにたいして、ふたりは微妙な顔をした。 メグのほうはすぐに困惑から出てきた感じだったが、桜子は、まだ、その中で弱々しくうずくまっている感じだった。

そんなふたりの顔を交互に見ながら、 「踏んであげたの?」と美香はたずねた。 「彼のアパートの部屋から飛び出してきたわ」と桜子はきっぱりと否定した。無料サンプル作品「ハイヒールと人間マットと蟲男(下) メタモルフォーシスへ
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婦人靴会社で、挙動不審だったことから、派遣会社をクビになり、仕事を失ったシゲルは、さっそく、次の日にはハローワークに足を運んだ。 気力も体も衰えた四十すぎの男に、派遣以外に求人などあるわけもなく、その派遣の求人にしても、最近では、もっぱら、若年が相手だった。

貯金はいくらもない。 今月いっぱいに仕事を見つけなければ、アパートから追い出される羽目になる。 その日も、いろいろ考えながら、ハローワークから肩を落とし、アパートに帰ると、シゲルは万年床でごろりと横になった。そばには婦人靴会社から持ち帰ったマットが、まだ、くるくる巻かれたままの状態で畳に転がっている。 カイチロウの骨が入っていたマット。 シゲルにしても、その置き場に困っていた。

そこに理由があったにせよ、要するに、そのマットは、盗んできたわけで、よほど、どこかへ捨てようかとも迷ったが、けっきょく、そのまま部屋の中に放置したままである。 そのせいで、シゲルの狭い六畳の部屋は、女性社員たちのハイヒールやパンプスの靴底の匂いとか、踏まれた土足の匂いとか、埃っぽい匂いとか、ゴムの匂いで、いつも充満している。 シゲルは万年床から体をおこすと、くるくる巻かれたマットをひろげた。

狭い部屋でひろげてみると、前に持ち帰ったときには、そうも思わなかったが、けっこう、大きく見える。 表面に顔を近づけ、よく見ると、あたりまえだが、埃まみれだった。それは、そうだろうと思った。素足ではなく、女性社員たちが靴をはいて踏んづけていたものなのだ。婦人靴会社では、全員が女性社員で、踵の高いハイヒールやパンプスをはいている。

オフィスの床は、硬質な木質の床材にもかかわらず、床面から数ミリ程度沈んだ、くぼみが無数にあり、かなり痛んでいた。女性社員たちのはいたハイヒールやパンプスの踵の踏圧が原因だ。そんな、すさまじい破壊力をもったハイヒールやパンプスで、マットは踏まれ続けたのだ。硬質の床材さえ、へこましてしまうほどの踵の踏圧力。その力をマットは吸収してきたのである。

マットの中にいたカイチロウはどんなに痛かったことか・・・ いや、痛いどころではない。 それどころか、粉になるほど、女性たちの靴で踏み砕かれたのだ。 それでも、彼にはいい供養になったに違いない、とシゲルは思う。 聞いた話、カイチロウも女性には縁の無い男だったらしい。たった一日だったが、あれだけ若い女性たちから踏みつけにされて、靴底とはいえ、女性にふれることができて、「至福」だったに違いない、とそんなことを、つらつら、考えてみる。

すると、目の前のマットがとくべつなモノに見えてくる異様さをおぼえる。 女性社員たちのはいた靴の革の匂い、靴底の匂い、そういった匂いからくる妄想もある。狂いかけていると思うが、そのもとにあるものが、何かムズムズとする、性欲だと気づくのに時間はかからなかった。

これまで若い女性たちの無神経な言葉で、どれだけ傷つけられたことか、と思い返せば、狂いかけているのも無理はない。ここまで、女性にモテないというか、相手にされないと、とうぜん、性欲のはけ口として、ゆがんだ性癖が出てしまうのは、至極、あたりまえのことで、まだ女性から踏んでもらえるだけ、靴底にふれられるだけ、マットのほうが自分よりマシに見えるのも、因果というものだ。 シゲルはテーブルの上をかたづけた。

そして、そこに婦人靴会社から持ち帰って、はじめてマットをテーブルでひろげてみた。ちょうど、テーブルクロスのような感じになる。マットについた女性たちのハイヒールやパンプスの靴底の匂いが、ふわっと、さらにひろがり、シゲルは激しい性欲におそわれた。婦人靴会社の若く美しい女性たちが、この上で、ハイヒールをはいて土足で踏んでいたと思うと爆発しそうだった。

マットで何をしよう。 あれこれと考えをめぐらすうち、ハローワークの帰りに、コンビニで弁当とカップ焼きそばを買ったことを思い出した。コンビニの袋から出して、マットの上にならべる。台所から電気ポットを持ってきて、カップ焼そばにお湯を注ぎ、畳にごろりと横になる。三分間、シゲルは天井をながめながら、なぜ自分はこんなバカなことをしているのだろうと思う。

女性社員たちが靴で踏みつけたマット。 それも女子トイレ前に敷かれていたマットをテーブルクロスにして、ハイヒールやパンプスの靴底の匂いの中で、食事をしようとしているのだ。はたから見たら、わけがわからないだろう、と思う。じっさい、やっている本人でさえ、そう思うのだから。

女子トイレのマットが鼻をつく中、弁当を食べていると、うっかり、箸から卵焼きをマットに落としてしまった。ふつうは、それを、また口に入れるなど、あり得ないことだろうが、シゲルはそうも思えなくなっていた。卵焼きが神聖なものに思えた。卵焼きをマットから拾うと頬ばった。 女性のハイヒールの靴底にふれた卵焼き。砂のようなものがまじってはいたが、それでも美味に思えた。こんな気持ち、はじめてだった。興奮した。久しぶりの性欲でもあった。

シゲルは味を占めると、弁当のご飯や、総菜、そしてカップ焼きそばの中身をマットにならべた。 マットにじかにふれた食べ物。それらを平らげる。最後はマットに頬ずりしたり、皿を舐めるように舌を這わせる。シアワセな気持ちになれる。カイチロウが、なぜマットになりたがったのかも、じゅうぶん理解できる。

どうせ、自分たちのような底辺の中年男なんて、まともに女性から相手にされないのである。ならば、せめて女性の踏むマットにでも生まれ変わりたいと願うのはとうぜんだ。 女性に踏まれたい・・・ シゲルは、死んだカイチロウの亡霊からインスパイアされていた。

  そんなふうな想いが、だんだんエスカレートすると、やもたてもたまらず、マットを脇にかかえ、元の派遣先だった婦人靴会社に頻繁に足がむくようになっていた。 会社が施錠するすこし前くらいに忍び込む。婦人靴会社の女子トイレには、シゲルが持ち帰ったあと、違うマットが敷かれていた。マットは計二枚あることになる。 シゲルは、女子トイレに敷かれたマット(一日じゅう女性社員たちから踏まれたマット)と、彼が部屋でテーブルクロスとして使用したマット(皿がわりに食べ物をじかに置いたり、頬ずりしたり、舐めたりしたマット)を交換する。

そうやって、ほぼ毎晩のように、婦人靴会社に忍び込んでは、汚れたほうをアパートに持ち帰り、そのマットにむしゃぶりついた。 一日じゅう、女性たちから靴で踏まれると、マットはかなり汚れる。どんなにマットの表面をきれいに舐めあげたところで、一日も経つと、埃や砂でざらつき、女性たちの靴底の独特の匂いがする。シゲルは、そんなマットをながめては、ああ、こんなに汚して・・・とか、そんなふうなことを口にしながら、それを皿にして食事をとり、最後は犬のように舐めまわしてきれいにする。 ふたつのマットは、色も大きさも、微妙に違っていたが、トイレの前に敷かれ、靴で踏みつけるマットに注意をはらう女性はいなかった。

とうぜん、マットがきれいになっていることに気づく女性社員もいなかった。そもそも、土足で踏むものに関心などないのがふつうだ。たとえば、踏まれた虫が、そのままマットにこびりついていることもある。踏まれすぎて原形はなかったが、そのシミは、あきらかに虫だとわかる。

しかし、虫は踏まれたままマットに残っている。虫も、マット同様、踏んでも関心がない、そんなものだった。 そんな踏み潰された虫を見ると、無職で求職中、女性に縁のない今の自分と、こうやって女性たちから踏み殺された虫と、いったい、どっちがシアワセだろうとさえ考えることもある。孤立しているシゲルにとって、マットが唯一の社会とのつながりであり、女性との接点だった。

とはいえ、シゲルのしていることは犯罪行為だ。 もし、そのマットの交換を女性社員に目撃されたら、間違いなく、警察に通報されるだろう。だが、シゲルはかまわないと思う。 守るべき家族もいないし、すでに人生は捨てている。 自暴自棄だった。   ある夜のこと。 社屋に入った瞬間、若い女性の残り香を嗅ぎながら、女子トイレに行くとマットが輝いていた。シゲルは女子トイレに敷かれたマットを、急いで、くるくる丸めると、持ってきたきれいなマットと交換した。

廊下の奧では、オフィスの明かりがついている。シゲルはその光にいつも誘われそうになる。そこにいるのが、日ごろ、自分が舐めているマットをハイヒールやパンプスで踏んでいる女性たちだからだ。 それでも我慢し、いつも通り、会社の玄関から出た。アパートに逃げて帰るつもりだった。しかし、オフィスの明かりの下に、女性社員がいると想うと、その日は、どうしてもやもたてもたまらず、ちょっとだけという気持ちになった。

窓から中をのぞいた。 若い女性社員がひとり、パソコンにむかっていた。見覚えのある顔だった。ツンとした感じの美人の横顔。シゲルは彼女に見とれた。 あんな美人が踏んだマットで食事をし、また彼女が踏んだマットを舌で、じかに、きれいにしている秘め事にシアワセな気持ちになる。死んだら、カイチロウのように自分の骨もこの会社のマットの中に入れてもらえたら、と思った。

今思うと、カイチロウの遺書にあった希望は、なんと贅沢なことだろうとも思った。 彼女の姿を、しっかりと目に焼きつけているうち、視界のすみの人影に気づいた。女性の足もとに若い男がいる。靴もはかず、四つん這いで床に額をこすりつけている。男の姿は、オフィスの風景から切り離され、そこだけが、やたら奇妙に見える。 視線をたぐり寄せると男は床を舐めている。 すぐそばでは、女性社員が男の行為を気にもとめず、仕事をしている。

女性社員が席を立つ。そして、男のそばを通るとき、ハイヒールのとがった踵で、狙いすまして踏んでいく。男は我慢の限界を越えたのか、情けない死にそうな声をあげる。床を転げまわる。その苦痛が空気にひろがり、シゲルに伝わる。 そのときの苦悶の男の顔がアパートに帰ってからも残っていた。シゲルはそのときのことを思い返し、それからというもの、婦人靴会社の女子トイレのマットを交換すると、社屋の外からオフィスをのぞき見ることが習慣になった。

毎日というわけでもなかったが、オフィスでは、女性社員による男への虐待が、たびたび行われているようだった。はじめのうち、女性社員もひとりだったが、いつのまにか、ふたりに増えていた。ふたりの女性社員がひとりの男をいたぶる構図だった。   いつものようにシゲルがマットを脇にかかえ、婦人靴会社に行ったある夜のこと。 その日、会社は休みで、玄関の扉はとじられていた。オフィスのほうにまわったが、明かりはなかった。

あきらめて、シゲルがアパートに戻ろうとしたときだった。婦人靴会社の敷地から出ようとしたところで、その顔に出くわした。その顔とは、オフィスで女性社員たちから虐待を受けている男の顔だった。男のことを会社関係者だと思っていたので、シゲルは顔を伏せた。シゲルがそそくさとその場から去ろうとすると、男が呼びとめた。 「まあ、待ってください」と男。

それでも、シゲルが男に背をむけ、無理に去ろうとすると、 「私のことをずっと見ていたでしょ?」と男はたずねた。 しかたなく、シゲルは覚悟して踵を返した。 よなよな、会社に侵入していたこともバレている。会社の監視カメラをうまくかわしていたとはいえ、姿はうつっている筈だ。それに脇にかかえているマットのことを、だいいち、なんて言い訳する? いずれにせよ、逃げたところで、警察に通報されれば、すぐにつかまってしまうだろう。

シゲルは観念し、男を見た。目と目が合い、視線がつながるが、男のほうはシゲルを怪しみ、凝視するわけでもなく、むしろ鈍い感じの目つきで、ぼんやりと見ているだけだった。この男、婦人靴会社の関係者ではないな、とシゲルは直感した。 「安心していいですよ。警察には言わないから」と急に女の子じみた声で男が言った。

男にしては妙に優しい声だった。オフィスの窓からのぞいているときは遠くてわからなかったが、よく見ると男はシゲルよりかなり小柄だ。服装からも、今ふうの若造だ。ふたまわりは歳がはなれている気がする。 「いつも窓からのぞいていたけど、ああいうの、興味あります?」と男。

シゲルが、それに、どうこたえて良いやら迷っていると、 「今日は会社は休みだから、ありませんよ」と男は笑った。 それから、自分のことを、 「タザキと言います」とていねいな口調で名乗った。  シゲルは男の名を知っていた。オフィスで女性社員たちが、タザキ、タザキ、と犬のように呼び捨てにしているのを何度も聞いたことがあるからだ。

タザキが自分の名を名乗ったことで、シゲルはすこし安心していた。すくなくとも、自分のことを警察に突き出したり、婦人靴会社の人間に告げ口したりはなさそうだ。 シゲルが自分の名を告げると、タザキは妙にうれしそうな顔をした。 「今日は会社も休みだから、私と飲みに行きませんか?」とタザキが言った。
 
だしぬけにおかしなことを言われ、 「飲みに?」とシゲルが驚いて聞き返す。  それにタザキがうなずいた。  じっさい、シゲルは持ち合わせがなかった。 「あ、あのう、お金が・・・」とシゲルがぼそぼそ言うと、 「私におごらせてください」とタザキがあっさりと返した。 シゲルが、 「ほんとうに、いいのですか・・・」とタザキの顔をのぞき込むと彼の顔は笑っている。 いつのまにか、シゲルのほうも、言葉がていねいになっていた。

シゲルとタザキは、ふたり並んで繁華街のほうへ歩いた。 シゲルは自転車を押し、荷台にはマットをゴムひもでくくりつけていた。並んで歩くと、やはり、どこか気まずい。中年のシゲルと若造のタザキでは会話もふくらまない。それでも、途中で、ひとことふたこと、タザキと言葉をかわしたが、まだ暑いですねえ、とか、そんなたわいもないことだった。

よく考えなくても、女性たちに虐待された男と、それを毎晩のようにのぞき見していた自分が一緒に歩いている構図はかなり奇妙だ。 安そうな居酒屋チェーン店に入ると店員にボックス席に案内された。 人の声や、明るいざわめきに圧倒され、あたりをきょろきょろ見まわすシゲルに、 「どうかしましたか? べつの店のほうが良かったですか?」とタザキがたずねる。シゲルが首を横にふり、 「ずっとアパートの部屋でひとりで飯を食っていたもので戸惑っています・・・・・」と正直に打ち明けると、タザキは楽しそうに笑った。

その顔は、シゲルにとって深く見覚えがある顔になっていた。と同時に、この先、話を進めるのは年上の自分の役目だろうとも思うが、話すとなると、何から話せば良いのか、何を語り合えば良いのかと迷ってしまう。 タザキにしても同じようだった。オフィスでの奇異な光景を人に見られていたという負目というか、気まずさというか、どこから話せば良いやら、わからないといった様子は見て取れる。ふたりのいる席だけが周囲から孤立したように静かだった。
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