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2012-02-16 10:15:32 テーマ:先行指標について

【第9回】「合理性」について、今、考えること その1

先日のコンサルティングのお手伝いをしている、某IT企業の幹部会議で、
アマゾンドットコムの、創業者であるジェフ・ベゾスが、話題に上りました。
皆さんもご存知の通り、アマゾンドットコムは、書籍販売をeコースで実現させ、
我々の購買行動に大きな変化をもたらしました。
また、昨今は、eコマースで培ったインフラとノウハウを活用して、
クラウドコンピューティングビジネスにおいても、
世界のトップランナーとして注目を集めています。

ベゾスは、アマゾンドットコムの前身となる
インターネット書店を1994年に立ち上げました。
その当初、彼が実践したことは、
書籍の在庫を確保するための倉庫づくりでした。
同時期にeコマースを立ち上げた経営者は、口をそろえて、

「インターネット販売をしていくのに、倉庫を構えて、
 在庫を持つとは、クレイジーだ!」

と馬鹿にしたみたいです。

実際、設備投資に関する負担から、株式公開をしてからも、
なかなか利益を生みだせなかったことは、周知の事実でありました。
しかしそうした時にも、ベゾスは、平然と

「これからインターネットで書籍を買う行為は日常化する。
 その時に、在庫がないことで購買者の期待を裏切ることは、絶対にしてはいけない。
 倉庫を作って在庫を持つことは、部分的には、非合理にみえるかもしれないが、
 やがて訪れるeコマース時代に、購買者の満足を得るためには、
 極めて合理的な経営行動である」

と言いきったとのことでした。


 NGKシニアパートナー 望月 明人
 (プロフィール:http://www.n-genkika.co.jp/partner/akihito_mochizuki.html)
2012-02-08 09:25:01 テーマ:先行指標について

【第8回】「人気番組から見えてくるもの」 その2

2つの番組に共通するコンセプトは、人気タレント頼みで
安易に番組を作ろうとする昨今のテレビ番組づくりの傾向に
背を向け、コンテンツの持つ真実性と『情報の手触り(※)感』
という番組づくりの本来のあり方を大切にしていることに
あるのではないかと思います。
※手触りとは、手でさわったときの感じ。
手に受ける感触。 そのものから直接受ける感じ。

我々は、ともすると、
「時代に取り残されてしまうのでなないか」
との焦りから、一時の流行に眼を奪われて人気に便乗したり、
「何か新しい技術を駆使しなければ、感度が鈍いと周囲から思われるのでなないか」
との不安感から、無駄な投資をしてしまいがちです。
もちろん、世の中の動きに対して、感度良いアンテナを立て、
好奇心を持ち続けて行くことは、大切なことであると思いますが、
それ以上に、今後重要になってくるものは、物事や情報の本質を
しっかり捉えて、そのことを、如何にリアリティーを持って判りやすく
伝えていくことであると考えられます。

2つの人気番組の、一見地味なしかし真摯な番組作りから、
改めて人が理解して納得することの原点を教えてもらいました。


NGKシニアパートナー 望月 明人
(プロフィール:http://www.n-genkika.co.jp/partner/akihito_mochizuki.html)
2012-02-01 16:15:21 テーマ:先行指標について

【第8回】「人気番組から見えてくるもの」 その1

テレビ東京に「出没!アド街ック天国」という、1995年の4月からスタートし、
今年で16年目を迎える長寿番組があります。
土曜日21時からという各局とも鎬を削るゴールデンタイムの放送で、
今でも色褪せない魅力を持っているのですから、たいしたものだと言えます。
メルマガ読者の方の中でも、何回かはご覧になっているかと思いますが…。

「出没!アド街ック」は、まさに『地域限定の街型エンターテイメント番組』
の名の如く、毎回、一つの街にスポットを当て、
それぞれの街を代表する店舗、工場、名勝、旧蹟を
ベスト30で判りやすく紹介するという展開で構成されています。
構成は同じでも、毎回、何か新鮮さを感じてしまうのは
私だけではないと思います。
おそらく、そこにはそれぞれの街が持っている個性や力を、
我々視聴者にすんなりと伝えていきたいという番組作りのスタッフの、
肩肘張らない姿勢があるからではないでしょうか?
時折、全国展開をしている飲食店などが取り上げられることもありますが、
そういう店舗ですら、何か昔からその街に溶け込んでいるように
感じてしまうのも、街自身に魅力とエネルギーがあるからでしょう。

もうひとつ評価が高い元気な番組としては、
テレビ朝日の「シルシルミシル」があげられます。
2008年10月にスタートした番組ですから、まだまだ放送回数は少ないですが、
将来長寿番組になる可能性は十分に秘めていると思います。
番組の売りは、「誰しもが知りたい、人気製品・商品ができるまでの
製造プロセスを判りやすく教えてくれること」にあります。
それも、人気タレントが流暢に説明するのでなく、
実際にその会社で働いている社長や社員の方々の、
訥弁ではありながらも製品・商品に対して自信と愛情を持って
一生懸命説明している姿に、視聴者が好印象を持つことに
あるのではないかと思います。
まさに、最近、大人気の『大人の工場見学』のテレビ版とも言えます。

NGKシニアパートナー 望月 明人
(プロフィール:http://www.n-genkika.co.jp/partner/akihito_mochizuki.html)
2012-01-19 09:22:33 テーマ:先行指標について

【第7回】今、話題の試みからみえる近未来 その2

「METライブビューイング」の試みを話題に選んだのは、
単にその他の芸術・芸能分野でも活用できるというレベルの話ではなく、
IT技術を駆使すれば世界中の人にコンテンツを届けることができ、
ビジネスチャンスが拡大するというレベルの話でもありません。


人は、提供される商品・サービスそのものの機能や価値だけではなく、
それ自体が生まれるプロセスの中で、関係者相互が、
他者をリスペクトしている姿を垣間見た時に、より深い共感や感動を得ると思います。
自分一人で全てを行っているかのように、
目立つこと・カッコいい事が偏重され過ぎた現在に対して、
「あなたの成果は、決して自分だけの力で成し遂げられたのでなく、
周囲の協力があって、成し遂げることができた」
ということを、改めて気づかせてくれると思います。
また、今回の体験を通じて、社会の原点回帰とは、
「過去を懐かしんで、縮こまることでなく、物事の本質をとらまえて、
いろいろなテクノロジーを、人のために社会のために活用して行くことを、
真摯に考え行動していくこと」ではないかと考えさせてくれました。


皆さんも、機会がありましたら、ご覧になって、オペラ芸術の凄さと
素晴らしさを堪能されると共に、筆者が感じたことについても、
実感されては如何でしょうか?


NGKシニアパートナー 望月 明人
(プロフィール:http://www.n-genkika.co.jp/partner/akihito_mochizuki.html)
2012-01-13 09:07:19 テーマ:先行指標について

【第7回】今、話題の試みからみえる近未来 その1

今、クラッシック音楽界で大きな話題となっていることの一つに
「METライブビューイング」という試みがあります。

「METライブビューイング」とは、世界最高峰のオペラハウスの一つ、
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で行われている最新のオペラ公演が、
世界各地の映画館に配信され、その巨大スクリーンで楽しめるという
新しいエンターテイメントです。
全米とヨーロッパでは、現地と衛星同時中継をするそうです。
2006年のスタート以来、世界44カ国、1200か所以上の映画館で上演され、
動員数は250万人に迫る勢いだとか。今後、ますます多くの地域で
たくさんの聴衆の喝采を受けるのではないかと思います。

私も、遅ればせながら6月に、ワーグナーの「ワルキューレ」を観てきました。
なぜライブビューイングが世界中で大反響を受けているのか、
その一端を垣間見ることができました。

大反響の理由、それは、高品質な画像と最新の音響設備によって、
チケットの入手が極めて困難な『生の舞台』を体感できるばかりか、
実際の公演では観ることができない舞台裏や、幕間のトップ歌手の表情、
一流の舞台を創り上げる影の主役である職人たちのパワーをダイレクトに
感じることができることにあるのではないかと思いました。

このライブビューイングは、『誰に、何を、何のために、中継をするのか』という
提供価値レベルにおけるミッションについて、従来型のライブ中継と比較して
はるかに綿密に研究されています。
そのため、私たち聴衆も、舞台そのもの(全体と細部を見せる絶妙なカメラワーク)や
それを取り巻く状況に、高い納得感と深い感動を覚えるのではないかと考えます。 
また、通常のオペラであれば、歌劇場に来る3,000名~4,000名の聴衆に
最高のパフォーマンスを観せることに注力をすれば良いものが、
このライブビューイングにおいては、一公演を、
全世界250万人以上の聴衆が注目しているのです。
歌手・指揮者・オーケストラのメンバーのみならず、
舞台裏の大道具・小道具・衣装等のスタッフに至るまで、
自身の使命と役割に対する高度なプロフェッショナリティーが要求されます。
そしてその結果、一人一人の可能性を最大限に
引き出す事ができているのだと言えます。

 NGKシニアパートナー 望月 明人
 (プロフィール:http://www.n-genkika.co.jp/partner/akihito_mochizuki.html)

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