「MACHINA」ザ・スマッシング・パンプキンズ | 君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

中学から買い始めたCDがあまりに増え、自分で何を持ってるか把握出来なくなってきた。そのため同じCDを2枚買うという事件を産むこととなる(4回)。

この悲劇を五度繰り返さぬよう一枚一枚確認していこうという、

ブログにするほどでもない内容のブログなのだ。

machina

今日は年に一回のお楽しみ、
みなとこうべ海上花火大会の日だ。

3時に仕事を終え、外に出ると、
既に浴衣姿のカップル達で溢れていた。

俺はウキウキしながら、
女の子達に嫌われぬよう伊藤政則みたいに長かった髪もバッサリ切り、
時間に遅れぬよう急いでハーバーランドまで自転車を飛ばした。


そして、映画館で「リンダリンダリンダ」を一人で観た。

以下は「リンダリンダリンダ」の感想を書くので、
まだ観ておらず、尚かつ観たいと思っている人は、終わらない歌を唄ってて下さい。


まず、場内に入ると一組を除いて、
全員男子お一人様客!
花火に連れる女の子もいないはぐれ刑事が集まったようだ。

おそらくお互いがお互いを見て、
「気持ち悪いなぁ、こいつら」
と、思っていた事だろう。
当然、俺も思っていた。
お前ら、キモいよ!

さて、本題。

「女子高生が学祭で韓国人を交えてブルーハーツのコピーバンドをやる」

それがこの映画のプロットの全てだ。

女子高生バンドものなら昨年のスウィングガールズという佳作もあり、
加えて、今ブルーハーツを引っ張り出すという点にしても、
事前に聞こえてくる要素全てに今更感が溢れていた。

しかし実際に映画を観ると、溢れていたのは、
女の子達の瑞々しさであり、
決して爆笑はとらないギリギリの秀逸なギャグセンスであり、
自分の若かりし頃への郷愁であった。


山下監督は、「女子高生のバンド」という誰でも考えつくストーリーを、
誰も考えつかない程リアリティを込めて撮っている。

部室の風景。
どうでもいい会話。
告白。
学祭前夜。

余りにリアリズムを追求しているので、
下手をすれば退屈になってしまう所だが、
手練手管で観る者を飽きさせない、このバランス感覚。

「韓国人」というデリケートな部分を使いながら、
政治的な部分には一切触れず、
ただ、「韓国の人」という意味だけを抽出する。

そして、様々な要素を全て「ブルーハーツ」というバンドに集約し、
感動へ導く。

山下敦弘は、大阪芸大出身、つまり俺の後輩ということになる。
俺は彼が後輩であるということを誇りに思う。


キャストも絶妙の布陣。

前田亜季の演技は既に円熟の域に達してるし、
香椎由宇も漸く演技に開眼したように感じた。

ペ・ドゥナは初めて観たが、
自分がどういう立場かを理解し、
確信犯的にイノセントな留学生を演じている。

脇役では湯川潮音が素晴らしい。
彼女はミュージシャン(しかも湯川トーベンの娘)であり、
ラスト近くのシーンでその歌声を生かした、
笑いと感動を同時にさせる名シーンがある。

あと、我らがピエール瀧も完璧な役で一瞬だけ登場する。


この映画はフィクションである。
ファンタジーである。
しかしこの映画は、本当に彼女たちが存在しているような錯覚に陥らせ、
自身の学生時代を鮮明に思い出させる力がある。

つまり、ヒロトの言葉を借りるなら
「リアルよりリアリティ」
ということになるのだろう。

とにかく、今俺は無性に軽音部に入りたくて仕方がない。


というわけで、KATCHAN君。

先日、我々は君をバンド加入に誘ったが、
申し訳ないが、無かった事にして頂きたい。

そして、前田亜季さん。

私は君を歓迎する。
君の明るい未来を我々と共に歩もうではないか。


この作品のイメージを決定づけているのは、映像や役者だけではない。

音楽をジェームス・イハが担当している。
彼の奏でる音楽は、古びた校舎と相性が良い。

彼が所属していたスマパンはこの「マシーナ」を最後に解散するのだが、
最近、再結成の噂を聞いた。
本当なの?


Smashing Pumpkins
Machina: the Machines of God