no mystery, no life(本と映画と)

本と映画を気ままに紹介。

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エコール

 

高い塀で外界と遮断された森の中の学校に、6歳の少女イリス(ゾエ・オークレール)がやってくる。そこでは6歳から12歳までの少女たちが年齢を区別するリボンと白い制服を身につけ、ダンスと自然の生態を学んでいた。やがて、男性のいない女性だけの閉ざされた世界にイリスは順応していくが、1人の少女が脱走を図り……。 (以上、Yahoo!Japan映画より)

 

 

 

↑ ★★★★☆

 

ネタバレ感想


これは女性であるアザリロヴィックが監督したから名作になったのであって、男性が監督したら完全に物議を醸していたでしょう。
特にノエが監督したら一発禁固刑では?
女性が年端の行かない少女や少年を撮るのは、母性溢れる芸術と捉えられますが、男性が撮ったら別の目的としか思えない。
完全な偏見ですが(笑)

 

 

本作の少女たちがあまりに幼く、あまりに無防備。
少女の足を舐め回すように写したり、随分下からのショットが多い。
本当にノエが監督していたら、私は通報していました(笑)

 

 

ただその映像は確かに美しい。
ピクニックatハンギング・ロック」のような浮遊系の幻想性です。
特に森の深い緑が印象的な美しさで、その美しさはゴシック的であり、耽美的でもあります。
厳粛な雰囲気に木漏れ日がさし、少女たちが舞う。
絵画のような美しさ。
ええ、あくまでも「絵」的な美しさを愛でるもの。
どうせなら「絵」のように撮って、生々しさを一切排除してくれれば良かったのに。
執拗な足への執着は、この妖精チックな雰囲気に合わない。

 

 

その深い森の奥に閉じ込められた少女たち。
目的も分からないまま世俗から隔離され、生物論とバレエを学ぶ日々。
12歳になり身体の変化が訪れる頃、外界の人々に向けバレエを披露。
そして卒業。

 

 

結局一切の目的も分からず、卒業した少女たちの行方も分からないです。
つまり額面上の物語を取るのではなく、全編暗喩と捉えるのが正しい鑑賞方法なのかもしれません。
純粋培養、別名性を知らない無垢の少女から、性に目覚め大人になっていく過程を描いている等々。

 

 

この時代特有の汚れのない清らかな少女たち。
彼女たちの一瞬を捉え、そして外の汚らわしさから守りたいという監督の母性が発揮された映画なのでしょうか。
それにしては、随分足を舐め回すように撮っているけれども。
純粋への憧れは伝わります。

 

 

総じて、面白かったけれども、そこまで熱中しなかった私はロリコンではない。
ある意味踏絵的な映画では?

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ゼロの未来

 

近未来の管理社会、孤独な天才コンピューター技師のコーへン(クリストフ・ヴァルツ)は解明されていない数式「ゼロの定理」に挑み、人生の目的とは何かを知るため、ある人物から電話がかかってくるのを待っていた。ある日、パーティーで出会った魅力的な女性ベインスリー(メラニー・ティエリー)との恋、そして会社の社長の息子で自分と同じく天才的なコンピューターの使い手であるボブ(ルーカス・ヘッジズ)との交流を通じて、コーヘンは生きる意味について知っていく。 (以上、Yahoo!Japan映画より)

 

 

 

↑ ★★★★☆

 

ネタバレ感想


「未来世紀ブラジル」のバージョンアップ版というか、社畜話というか。
やっぱり、社畜話だな。
会社にコントロールされている社畜は、自宅勤務を希望。
マネジャーは自宅勤務を許可する代わりに、「ゼロの定理」を解析するよう命じる。
家でもくもくと解析していく変人社畜。
やってもやっても答えにたどり着けず、発狂寸前。

 

 

そこに現れたのがロリータ天使。
もう超絶可愛い、メラニー嬢。
パッションピンクのウィッグにピチピチのナース服。
上目づかいで指を舐められたら、社畜昇天寸前。

 

 

メラニー嬢は社畜に意識と同期するヴァーチャル・スーツをプレゼント。
これを着てメラニー嬢のサイトに接続すると、バーチャルで出会えるのです。
発狂寸前の社畜は、そりゃ現実逃避をしますよ。
バーチャル世界で甘いひと時を過ごしますが、これってもっともらしく描いているだけで、結局は社畜の一人行為ですよね。
それをそんな風に見せずに、安っぽい美しさで描いているのですから、もうギリアム天才。

 

 

なんというか、本作の7割はノイローゼ気味の社畜の話ですよね。
サイケデリックな外の世界をもう少し描いてもらいたいと思ったほど、内向的な話なんです。
社畜がどんどん精神を病んでいくのを、指を咥えてみているだけなんですもん、観客は息が詰まりますよ。
これで上映時間が2時間超えでしたら、正直キツイ。

 

 

最後も謎展開。
虚無の世界を表しているであろうブラックホールに飲み込まれ、眼が冷めたらメラニー嬢と甘い時間を過ごしたバーチャル世界にただ一人。
画面の外から、社畜の名を呼ぶメラニー嬢が。
つまり社畜の精神が完全に破綻し、バーチャル世界で安息の時を得たということですよね。
もう人間界では生きていないということですよね。
違う解釈がありましたら教えてください。

総じて、社畜、哀れ。

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キャラバン

 

“キャラバン”とは動物のヤクを運搬手段にして通商するネパール高原民族の商隊のこと。このキャラバンが街での取引を終えて高原の村に戻ってきた。ただし、長老ティンレの息子だけが事故で命を落としてしまった。次のキャラバンの隊長は有能な若者カルマと思われたが、ティンレは彼を息子の仇と見ていて、まだ幼い孫のツェリンこそ後継者だと主張する。二人は対立したまま別々のキャラバンを率いて出発するが、一行の前に猛烈な嵐が襲いかかる……。第72回アカデミー外国語映画賞ノミネート。 (以上、Yahoo!Japan映画より)

 

 

 

↑ ★★★★★

 

ネタバレ感想


驚くほどの名作。
本作はオール現地ロケで、実際にヒマラヤに長期滞在をし、標高5000メートルに何度もチャレンジして、キャラバンの移動を撮っています。

 


灰色の荒涼とした山、真っ白な猛吹雪に見舞われる山、青みがかった夜明けの山、緑がかった深夜の山。
もうひたすらに、その映像は美しい。
特に夜明けの青みがかった空の美しさは、筆舌に尽くしがたい。
息をのみましたもの。
それと同時にあまりの異様さに、まるで別世界にいるような恐怖を覚えました。
これが現実の美しさなんて!

 

 

本作はただキャラバンの移動を描いているわけではないです。
過酷なキャラバン移動を率いるのは誰か、そこにはドラマがあります。

長年キャラバンを率いてきた長老ティンレの息子が、事故死します。
しかしティンレは、次期長老の座を狙って、カルマが息子を殺したと信じて疑いません。
カルマは村の人望が厚く、有能な超イケメン(←個人的にここが最も重要)です。

 

 

そして誰がキャラバンを率いるのかと同時に、いつ出発するのかも彼らにとっては大事な問題です。
長年山とともに生きてきたからこそ、山の怖さをよく知っています。
そのため最も安全な旅になる出発日を、占いで決定してきました。
しかし若いカルマは、迷信だと一笑に付し、独断で出発日を決定します。
さて彼らの運命は?
ティンレはどうする?
という話が本作の中心になっています。

 

 

老人と若者。
迷信と己の才覚。
自惚れと自惚れ。
立派な対立構造が、本作に深みをもたらしています。

 

 

世代間のディスコミュニケーションは、「夏の終止符」や「時は止まりぬ」でも描かれている、時代や国を問わない普遍的なテーマです。
本作ではそのディスコミュニケーションを、かなり真正面から捉えているため、結末は簡単に予測できます。
安直なほど、お涙頂戴的シーンで和解します。

通常なら興ざめまでノンストップなんですが、本作ではまさかの涙。
号泣する類ではなく、静かにしんみりと泣くのです。

 

 

それはやはり圧倒的な自然の驚異の前でも、彼らは平静を保ち、一歩一歩力強く前に歩む、その姿勢に感銘を受けたからでしょう。
過剰装飾の感動的なドラマにせず、淡々と驚異的なほど冷静に彼らのその姿勢を撮っているのです。
だから余白がたくさん、つまり観客は想像し放題。
彼らの見えない部分のドラマを勝手に思い描いたり、彼らの心境を代弁する言葉を探したり、今の彼らの状況を自分の言葉に落とし込もうとしたり、自由自在。

 

 

右脳がフル回転した挙句の、感動的な和解。
自然に涙が零れ落ちるのは、しょうがないことでしょう。
この泣き方は、私だけかもしれませんが。

 

 

総じて、とにかく本作は良作。
女優一人を除き、全員まさかの素人。
だから非常にリアルで、ドキュメンタリーを見ている気分になりました。
音楽も印象的、これは是非観ていただきたい!

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