ごみ無料回収業者が増加 「有価物」扱いで廃棄物関連法免れる | 近江毎夕新聞

ごみ無料回収業者が増加 「有価物」扱いで廃棄物関連法免れる

 空き地の一角を拠点に廃家電、金属くず類などを無料回収して国外に持ち出す業者が県内でも増え始め、廃棄物処理法や家電リサイクル法が想定していなかった「有価物としてのごみ市場」の功罪がクローズアップされている。彦根市、米原市など四~七カ所で複数の業者の存在が確認されており、一部はグループとみられる。
 廃棄時に「リサイクル料金」の支払いが義務化されている家電品の一部を無料で引き取ることから、ありがたがる声がある一方、家電リサイクル法の空洞化や、業者の不法投棄、国内リサイクル業者への影響などを懸念する声が出ている。本来なら自治体の収集運搬免許が必要な廃棄物運搬が「有価物」扱いで不要なことから、監視の目は届かず事実上野放し状態。県の関係課では「ごみ処理料が発生する場合は無価物、廃棄物だが、無料で引き取る場合はゼロ円でも有価物扱いとなり、廃棄物処理関連の法規で規制することはできない」としている。
 業者は軽トラックなどで廃家電、自転車などを回収。空き地などに集積し、定期的にトラックで回収して船で中国などに輸出するという。海外では修理して再販売されたり、分解して金属回収業者に売却されるが、詳しいルートは不明。
〔写真〕野積みされた廃棄自転車、廃家電など