河川敷の森に猫の一家が住み着いていた。
民家までは遠く、川の水はあるが街中と違い食べ物は自分で狩るしかない場所だ。
初めはやや大きくなった子猫が5匹と思ったが、その中の一匹が母親だった。
「おいで・・」と言うと、他は離れたところから見ていたが、草むらの中を一匹が近づいてきて数mの所でお座りした。
それが母猫で、名を聞くとやはり・・・タマ・・だった。
本猫がそう言ったのだから間違いない。
小柄で痩せてはいるが飢えているようにも見えない。
ライオンもトラもチータも、ネコ科の動物はどれも腹がへこみ精悍な体つき、野生の猫はこれが当たり前で腹がメタボのジャガーもいない。
しかしこんなちっこい体でよく4匹もここまで育てたものだな。
野ネズミやトカゲや昆虫などで生き延びて来たようだ。
無数にいる昆虫では満腹にはならないが命を繋ぐことは出来る。
これからは厳しい季節になるが頑張るんだよ・・
何かあげたいが食べ物もなく、ポケットには5百円タマ1個しかなかった。
車で10分ほどの店で買って来たのはちくわ2袋とサンマ2匹。
すべてあげるのではない、半分は野人の食いものだ。
同じ質素な暮らし、この日は食べ物をタマ一家と分かち合うことにした。
タマはちくわとサンマ食ったことないのか、食い方がわからず戸惑っていた。
「秋はサンマが一番旨いんだよ」と教えてあげたのだが・・猫にサンマ。
秋なのにサンマータイム・・・
タマ一家は苦戦していた。
竹輪の友のタマ一家に別れを告げ、帰って夕食の支度、ご飯の他には竹輪とサンマしかなかったがこれで十分満足だ。
たんぱく質さえあれば葉っぱなどはいらない。
野人はいつもご馳走ばかり食べていると思うだろうが、好物は竹輪とサンマとサバの水煮の缶詰なんだよ。
共通点は・・・どれも百円・・と言うことだ。
しばらく文無しでも野良のタマと同じ、まったく気にすることもない。
お金を持たなくともエサなどその辺にいくらでも
あるバイト・・。
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