赤いハスカップ ウグイスカグラの花 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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ハスカップは北海道が主な産地の木の実でアイヌ語だ。学名は「クロミノウグイスカグラ」つまり黒い実のウグイスカグラと言う意味で、そのウグイスカグラがこの花だ。九州から北海道の南に至るまで自生している。東京都の近郊の山にも多く見られるが気づかないだけだ。「赤いハスカップ」ウグイスカグラは全国の野山に自生するタダで食えるフルーツだ。しかも酸味が強くて加工に使われるハスカップと違って甘い。野人は毎年山で食べていたが、今では農園にも何本か植えている。赤いハスカップ、赤いユスラウメ、赤いサクランボ、赤いヤマモモ・・まるで山口百恵シリーズみたいにズラ~リと赤い実のなる木が乱舞している。ウグイスカグラは8本、ユスラウメとサクランボは各15本、ヤマモモは4本くらいある。ハスカップも3本あるが、同じ仲間のこのウグイスカグラと良く似ている。

ウグイスカグラはスイカズラ科の落葉低木で、ウツギと同じように根元から細い幹が乱立して3mくらいにしかならない。「カヅラ」はつる性樹木のことだが「カグラ」はつる性ではない。ウグイスカグラの実はクコの実と同じくらいの大きさで小さい。ウグイスがこの実を好み、ウグイスが鳴き始める時季に花を咲かせることからこの名が付いたといわれ、また、ウグイスがこの実を食べる姿が「神楽」を踊っているように見えることから付いたとも言われる。野人が「じい~~~!」と観察した限りでは神楽を踊っているようには見えなかった。「法~法華経~!」と何度もしつこく鳴いていたからありゃあ仏教だ。だから神道の神楽を踊るはずがない。しかしウグイスの大好物であることには違いない。昨年は数個の巣をウグイスがウグイスカグラの枝に残していた。何も通路の傍のヘソの高さに作らなくても良いと思うのだが、通るのに邪魔になるし覗けば中が丸見えだ。昨年、真円形のウグイスの巣を紹介したが、今年は中の焼き鳥みたいな毛のないヒナも写してやろう。「大きくなったら食うに違いない」と思っている読者もいるだろうが、野人はそれほど無慈悲でもないし飢えてもいない。ヒバリの奴もところかまわずうねの上にバカスカ巣を作り、孵化の間収穫出来ず迷惑だが見逃してやっている。キジの乱行もモグラの穴あけも、野ネズミの窃盗も見逃してやっている。心がおおらかでなければ完全なる自然循環農園はやれない。野人はキャベツの青虫どころか他の虫も殺す事はない。虫や鳥は野人の思い通りに働きはしても野菜に害を及ぼす事はあまりないからだ。ただ、アゲハの幼虫が柑橘類の幼木の数少ない葉を食うので丸裸になってなかなか大きくなれない。まあそれも仕方ないだろう。今年はとことん言って聞かせるつもりだ。食生活を変えて「雑草」を食うように。