▼本日は座長と梨沢と共に、劇団わたあめ工場様#10「Oz-1526」(第13回杉並演劇祭参加作品)を観劇しました。

▼ぼくは普段、劇評なるものは書きません。それはぼくは評論家ではなく演出者であるとともに、「芸術に答えはない」と考えているからです。しかしながら、今回、数多くあるであろう答えの中から1つを答えを感じたのでこの記事を書いています。

▼結論から言えば非常に見応えのある、素晴らしい作品でした。非常に楽しめましたし、演出者として制作者として学ぶところが多い公演でしたし、なにより、心が動きました。

▼明日まで公演があるということですので…ネタバレが若干含まれております。まだ公演をご覧になってらっしゃらない方は、ご承知を。

▼色々な演劇サイトやTwitterなどで書かれておられる通り、テーマパーク感を入場から退場まで感じておりました。まるで、はじめてディズニーシーに行った時のような、はじめてストームライダーに乗った時のような…ワクワクする感覚がありました。劇場とは知りつつも「これ、いつ動くのだろう」とずっと感じておりました。

▼ここであえて『ディズニーシー』を書いたのには理由があります。

▼ぼくは、今回、この劇団わたあめ工場の公演全体に『ホスピタリティ』の精神を感じたからです。それは、入場から退場まで一貫として、スタッフの方も、工場長(作・演出の方)も、役者さんも…ぼくを含めた”客”を「歓迎」している気持ちが非常に強いのです。

▼役者さんが自分でお呼びになったお客様以外をも「喜ばせよう」「楽しませよう」「もてなそう」と言う強い気持ちの元に、お一人お一人が自分の持ち場を、自分の役割をきちんと果たしておられたのです。

▼新和座ももちろん、お客様を歓迎する気持ちは負けてはいない、と言いたいですが、わたあめ工場さんの『ホスピタリティ』を感じてしまうと、制作者として、見習う所が非常に多いと共に、ぼくらの公演についてももう一度考えなおさなければならぬ、と強く思いました。

▼そう、5年くらい前までのディズニーシーのような『ホスピタリティ』が劇団わたあめ工場様にはあるのです。

▼チケットの発想は物凄い。これは本当に『ホスピタリティ』の現れだと感じました。しかしながら、演劇ファンには少し奇異に感じるチケットスタイルかもしれません。値段が書いていない(ぼくが探し足りないのかもしれないだけかもですが…)ので、観劇チケットをノートに貼られ、データとして保管する方は少々面食らうかもしれません。

▼とは言え、入場から退場までの一貫した『ホスピタリティ』を考えた時、’このチケット’でないと間が抜けてしまいます。

▼そして、開演すると…物凄いパワーをもった役者さん達が続々出てきます。

▼とにかく圧巻なのが、身体の使い方なんです。喋りも含めた。全身で、『表現する』『演じる』といったことを体現している役者さん達。物凄い熱量がありました。

▼さらに照明も音響も素晴らしい☆☆この照明の運び、音響の運び…効果は、装置、衣装、小道具とあいまって、全てが融合されていると感じました。どこかが突出しているわけでも、凹んでいるわけでもない、全てが融け合っていのです。

▼ぼくはこの作品の中で気に入った台詞があります。それは「自足は国の根幹だ」と主旨の台詞です。(おそらく、オリジナルの台詞はもっと長いです)

▼作者・演出の方の意図とは違うかもしれませんが…ぼくはこの台詞が心に響きました…我が日本、人類、そしてぼくらが暮らす今の文明へのある種の警鐘と感じたのです。

▼正直に申せば、好き嫌いが別れる作風だと感じます。しかしながら、悲劇好きなぼくとしては非常に入り込める作品でありました。もっと言いますと、ぼくと劇団わたあめ工場さま、作・演出の方と利害関係があるわけではありません。ありませんが、あえて言いたいのです。この作・演出の方の勉強量は膨大だ、と。そして、カタチにできる優秀な作家であり、演出家であると。

▼ぼくらも負けてはいられません。今日感じた、心が動いた、「1つの答え」を元にぼくらも答えを探し続けます。

▼明日(4月10日)まで公演があるそうです。チケットが完売してしまっているかもしれませんが…この公演は作品はもちろんのこと、『ホスピタリティ』を感じる事のできる『船』です。是非御覧ください☆
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