福田沙紀、初主演「櫻の園」
女優、福田沙紀(18)が、映画初出演で初主演を務めた「櫻の園」(8日公開、中原俊監督)で、情熱をうちに秘めた女子高生を等身大で演じた。大きな瞳が愛くるしい“国民的美少女”が、劇中で見せたクールで凛とした雰囲気。対照的な魅力を表現した福田は、「芝居をしている瞬間が一番、居心地よい」とデビュー5年目を迎え、演技道にハマっている。
10月18日に行われた東京国際映画祭のオープニング。「櫻の園」が特別招待作品に選ばれた福田は、劇中の紺の学制服でグリーンカーペットに登場した。「本当はきれいなドレスも着たかった」とハスキーな低音で笑うが、映画のイメージを伝える清楚な姿は、観衆の注目を集めた。
「櫻の園」は、名門女子高を舞台に少女たちが学校で禁止となった演劇を上演する青春物語。福田が生まれた平成2年に公開され、数々の映画祭で主要賞を独占した名作だ。そのリメーク版で映画初主演を射止めた福田に、気負いはなかった。
「もちろん主演はうれしいけど、特に主演をやりたいとか思ったことはなかったんです。どちらかというと、脇でお芝居するのが好きで、スポットを浴びていないところで物語を引き立てるようになりたい。だから、主演でもプレッシャーを感じず、芝居のことだけを考えてやりました」と誠実に言葉をつむぐ。
同世代が集まる撮影はにぎやかだった。仲間とおしゃべりを楽しみながら、福田はあえて距離を置くことも大切にした。
「みんな仲はよかったけど、現場で盛り上がりすぎるのは若干違うかなと。遊びに来ているわけではなく、1つの作品をつくっていると自然に思うから。本当なら『修学旅行みたいで楽しかった』と答えるのがいいかもしれないけど、私はちゃんと伝えたい」とまっすぐに前を見据える。
きまじめなプロ意識は映画の中で見事に生かされた。劇中、舞台の練習中におどける同級生に対して、福田が「もっと集中して」と呼びかけるシーンがある。個性豊かな少女たちが一緒に笑い、互いに悩み、演劇を完成させていく物語の過程は、撮影中のリアルな十代の空気と重なった。
太陽のような明るい笑顔が印象的な福田だが、女優デビューから5年、その裏で演技と格闘してきた。転機となったのは、昨年7月期放送の連続ドラマ「ライフ」。主演の北乃きい(17)に壮絶ないじめを続ける女子高生、愛海役に出会った。
「今までかわいらしい役が多かったけど、愛海役はたくさんの人から嫌われることだけを考えて、“もっと醜く映れ”ぐらいの気持ちでやりきりました」
放送当時、ブログで「死ね」と書かれるほど冷徹な人格を捨て身で演じた結果、彼女の孤独な内面も繊細に表現できた。「つらい撮影だったけど、最後は『ライフを見てファンになりました』と言ってくれる人が多くて、心強い支えになりました」と瞳を輝かせる。
「自分を追い込んで芝居をするのが好き。いい意味で期待を裏切る女優になりたい。ひとクセある役は、やりがいもあります」と熱っぽく語る福田に、思わず「気質は30代後半のバイプレーヤー?」と尋ねた。
「そうなんですかね? 30代や40代の人と人生や恋愛の話をするのは好きです」。今度は無邪気な18歳の笑顔に戻った。故郷にいる弟の話になれば、「知らない間に声変わりしていた時は涙が出るほどショックだったぁ」と母性も垣間見せる。
様々な感受性と一本筋が通った芝居への情熱。それが大女優の片鱗であるなら、彼女の10年後が楽しみだ。
名前の由来は「スケバン刑事」
名前の「沙紀」は、人気漫画でドラマ化もされた「スケバン刑事」の主人公、麻宮サキが由来。「正義感のある子に育ってほしいと母親が付けてくれました」と、悪を倒すスケバン刑事にあやかった。「実際の性格? その通り育っちゃいましたね。バカ正直ですから」と照れ笑い。ちなみに母親のおなかにいたとき、胎教で聴かされていたのは中森明菜(43)。「明菜さんの歌を聴くと不思議と落ち着く」といい、カラオケでも歌うほどだ。
福田沙紀(ふくだ・さき)
本名同じ。平成2年9月19日、熊本県生まれ。中学2年の時に「全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞し、アイドルユニット「美少女クラブ31」に加入。16年10月、TBS系「3年B組金八先生」で女優デビュー。翌17年「アタックNo.1 2005」で歌手デビューも果たした。今年7月に「フラガール」で舞台初主演。来年は映画「ヤッターマン」「火天の城」と話題作に出演。1メートル57.5、B79W58H80。血液型O。
(2008/11/2 サンケイスポーツ)











