ダウン症児の母感謝の写真集 ゆっくり育つたからもの
ダウン症の子供たち56人の写真集「ゆっくり育て!私達のたからもの」が、反響を呼んでいる。我が子のかわいい表情を見てほしいと、県内の母親たちが中心になって作った。7月下旬に発売したところ、初版は約1か月でほぼ完売、2000部を増刷した。「ダウン症児の親に勇気を与えたい」と願う。写真展も全国を巡回中だ。
写真集の制作を発案したのは、県内でダウン症児の母親が交流するグループ「Team21」(事務局・さいたま市北区)代表の森綾子さん(41)。母親同士の会話で「我が子はやっぱりかわいい」などの声を聞き、思い立った。
「かわいい表情を多くの人に見てもらいませんか」。ダウン症の子育て情報発信サイト「21トリソミー広報部」で写真の提供を呼びかけたところ、13都道府県の母親から寄せられた。
笑顔ではしゃいだり。兄弟と仲良く過ごしたり。それぞれに表情が異なる子供たちの写真が集まった。掲載した55点の写真には、母親たちのメッセージを添えている。
「泣いた日々もあった」「兄弟はどう思うか」。告知された時の素直な思いをつづる一方で、「生まれてきてくれてありがとう」「ずっと普通の幸せが続けばいいな」と、感謝や応援の言葉で締めくくる。
先天性疾患のダウン症は発達の遅れなどを背負うが、母親たちが伝えたいのは、成長が健常児より遅いだけで、家族として愛され育っている、という思い。
森さんは、長女の千夏ちゃん(1)がダウン症と宣告された時、様々な不安に襲われた経験を踏まえ、「ダウン症の赤ちゃんを授かった親に『あのとき、この写真集に勇気づけられた』と言われるようなものになったらうれしい」と話す。
初版1000部のうち100部は、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)に寄付した。センターはダウン症の子供が生まれた親に写真集を渡している。遺伝科医師の大橋博文さん(48)は「病院だと医療面からの宣告になり、病気などの説明に偏りがち。心理的に親たちの大きなサポートになると思う」と語る。
写真は母親たちの間で話題を集め、展覧会として今夏から全国を巡回中。10月には岩手県釜石市で開かれる。同市の主婦、菊池美和さん(37)は、娘の亜依ちゃん(1)の写真を出展する。「ダウン症のことが少しでも地元の人たちに理解してもらえればうれしい」と期待している。
写真集は1冊500円。購入の申し込みは「21トリソミー広報部」(http://21prd.web.fc2.com/)。問い合わせは「Team21」(048・651・9845)へ。
(2008/9/15 読売新聞)











