矢沢永吉『TWIST』 - インタビュー - TOWER RECORDS ONLINE
第一弾作品『ROCK'N'ROLL』をリリースして以来、わずか10ヶ月。
矢沢永吉が早くも、ニュー・アルバム『TWIST』を送り出してきた。
なにが彼を、ここまで駆り立てるのだろうか?
現在の彼の内部にある、熱い思いを聞いてみた。
「いまの矢沢、ここ15年間ぐらいの間でいちばん密度が濃いかもしれない。『TWIST』には、それが表れてますよ。」(矢沢永吉)
「間髪入れずにこれだけのハイペースで出したのは、前作の『ROCK'N'ROLL』で答えが出たからです。『ROCK'N'ROLL』のコンセプトは、リスナーに直球ど真ん中のサウンドを作ってやろうっていうことだったでしょ。それが間違いなかったっていうことですよ。だから、<時間を空けずにすぐ作るべきだ>と判断したんです」
コンセプトは、やはりストレートであること?
「そうですね、『ROCK'N'ROLL』の延長線上にあることは、まず間違いない。基本テイストは変えちゃいけないと思ってましたからね。逆に『TWIST』ならではの新しい要素があるとしたら、ちょっと<やんちゃ>だってことだよね。ちょっとやんちゃで、ちょっと完璧じゃない感じ。荒削りなところがキーワードかなと思いましたね」
ではレコーディングもシンプルに?
「ドラムとベースは全部L.A.で録ってます。ほら、グルーヴはあの人たちからもらった方が早いから。ほとんど一発録りで、レコーディングにかかった時間はそれほど長くなかったですね。やっぱりうまい奴は速いですよね。でも、その後の細かいエディットには時間かかりました。
矢沢永吉が早くも、ニュー・アルバム『TWIST』を送り出してきた。
なにが彼を、ここまで駆り立てるのだろうか?
現在の彼の内部にある、熱い思いを聞いてみた。
「いまの矢沢、ここ15年間ぐらいの間でいちばん密度が濃いかもしれない。『TWIST』には、それが表れてますよ。」(矢沢永吉)
「間髪入れずにこれだけのハイペースで出したのは、前作の『ROCK'N'ROLL』で答えが出たからです。『ROCK'N'ROLL』のコンセプトは、リスナーに直球ど真ん中のサウンドを作ってやろうっていうことだったでしょ。それが間違いなかったっていうことですよ。だから、<時間を空けずにすぐ作るべきだ>と判断したんです」
コンセプトは、やはりストレートであること?
「そうですね、『ROCK'N'ROLL』の延長線上にあることは、まず間違いない。基本テイストは変えちゃいけないと思ってましたからね。逆に『TWIST』ならではの新しい要素があるとしたら、ちょっと<やんちゃ>だってことだよね。ちょっとやんちゃで、ちょっと完璧じゃない感じ。荒削りなところがキーワードかなと思いましたね」
ではレコーディングもシンプルに?
「ドラムとベースは全部L.A.で録ってます。ほら、グルーヴはあの人たちからもらった方が早いから。ほとんど一発録りで、レコーディングにかかった時間はそれほど長くなかったですね。やっぱりうまい奴は速いですよね。でも、その後の細かいエディットには時間かかりました。
ミックス・ダウン、歌入れ、オーバーダブ、マスタリングなど、以後の作業は全部東京です。その手法も『ROCK'N'ROLL』と同じ。<グルーヴは欲しいけど、洋楽にはしたくない。絶対に日本の魂がちゃんと入ってるミックスの仕上げ方をしよう>っていう」
たしかにストレートかつシンプルであるぶん、<加工過多>な音楽よりもずっと説得力がある。
「そうそう、書いといてください、<加工くそくらえ>って(笑)。いや、それは冗談ですけどね。ミュージックの種類にもよるから、打ち込みもジャンルによっては必要だと思います。
だけど、ロックンロールでは絶対アナログですよね。生のドラム、生のベース、これ命ですよね。だから今後もいろんな技術が出てくるでしょうけど、ロックンロールという僕のジャンルにおいては絶対に<ザラザラ感>、<揺れ感>の生のタイコっていうのは絶対ですね」
結果、ストレートさが痛快だった『ROCK'N'ROLL』よりも、さらにアグレッシヴになった。
「そう、それも意図的です。ガサガサ、ザラザラ、トゲトゲしたロックンロールの方が、もっとリスナーのそばに行くと思ったんです」
60歳を過ぎたら、落ち着くどころかさらにアグレッシヴになったようにも見える。
「だけどここまでくる間には遠回りもしたし、ものすごくエネルギーを費やしました。でも、一見遠まわりに見えるかもしれないけど、振り返ってみればどれも必要でしたね。
一見遠まわりに見えるいろんなことが、いまの僕を作ってくれました。つまり60歳になって『ROCK'N'ROLL』を作れたり、間髪入れず『TWIST』を作れたりするためには、そういう経験が必要だったのかもしれないってことですよね」
経験を重ねてきたからこそ、リスナーが求めるシンプルな路線に回帰できたのかもしれない。
「<リスナーは、いったいなにを求めてるんだ?>って、壁にぶつかったりもしましたけどね。本当は僕ぐらい長くやってると、リスナーからなにを求められようが、どうでもいいわけですよ。<俺は俺で勝手にやってるし、もう好きにして>でもいいわけじゃないですか。
だけど矢沢は、ものすごく探究心が旺盛だから。考えていくと、作り手の理屈じゃなくてもっと直球なものが求められてるってことがわかるわけですよ。 それで<なるほどなあ。よし、わかった!>って作ったのが『ROCK'N'ROLL』。 手ごたえは確実にありましたし、そしたらもう一発ガッツリやってみようと思うじゃないですか。
おもしろいと思いません? 37年も音楽人生をやってきて、60歳になってから、<またなにをやらかすのか>っていうところに矢沢きてるじゃないですか。 下手したら、ここ15年間ぐらいの間でいちばん密度が濃いかもしれない。きりがないですよね」
それにしても『ROCK'N'ROLL』以降の矢沢には、どこか突き抜けた印象がある。そして今回は、それがさらに明確になった。
「それは確実に、レコード会社を作ったからです。すべて自分たちの手でやろうと決めて実行したから、そこが決定的に違うんじゃないですか。あとは、楽しむってこと。37年もやった末に、<いろんなことを楽しみながら、自分たちでやろうよ>っていう境地にたどりついた。
だからある種、抜けたのかもしれないですね。だいいち、自分で言うのもなんですが、それに匹敵するだけの作品ですよこれ。 愉快だと思ってもらえるだろうし、矢沢がいまやってることに共感してもらえると思います。」