今回の記事の中には、1984年にTBS系で放映された「探偵物語」というドラマ(松田優作さんのアレとは全くの別物)の結末が書いてございますのでご注意を。







原田知世さんのデビュー曲「悲しいくらいほんとの話」

薬師丸ひろ子さんのデビュー曲「セーラー服と機関銃」

前者が1982年7月5日キャニオン・レコードから発売。
後者は1981年11月21日キティレコードから発売されています。

制作陣はどちらも、作詞 来生えつこさん 作曲 来生たかおさん 編曲 星勝さん、と全く同じ。
お聴きいただければ、イントロから非常に雰囲気の似通ったサウンドであることがご理解いただけるのではないかと思います。

原田知世さんというと「時をかける少女」のイメージが強く、そちらの映画主題歌がデビュー曲と思われていることも多いかと思いますが、1982年のテレビドラマ「セーラー服と機関銃」の主題歌であるこの曲がデビュー曲。
昔から若手女優の好きな僕はこの頃17~8歳、薬師丸ひろ子さんのファンというつながりから原田知世さんにも注目しておりまして、デビュー作となったテレビシリーズ「セーラー服と機関銃」「ねらわれた学園」、どちらもほぼリアルタイムで観てました。

それからもう一人、角川映画といえば渡辺典子さん。



こちらもテレビドラマ「探偵物語」の主題歌です。
作詞 三浦徳子さん 作詞 財津和夫さん 編曲 大谷和夫さん。1984年1月1日、CBSソニーより発売されています。

渡辺典子さんは、薬師丸ひろ子さんに続く才能を発掘するために開催されたオーディションでグランプリを獲得してデビューしたのですが、同じオーディションで特別賞だった原田知世さんが上記のドラマによって早くから注目を浴び、映画「時をかける少女」によってブレイクを果たしたのに比べると、代表作と言えるような作品にも恵まれず、割を食うようなイメージとなってしまいました。

ただ「探偵物語」は、僕の個人的な記憶に深く残る隠れた名作の一つでして、薬師丸ひろ子さんが主演した映画版よりも好きだし、作品としても優れていたと思っています。

探偵役は、柄本明さん。
はじめのうちは、先に公開されていた映画版の探偵役松田優作さんとのイメージの違いに戸惑います。
原作を読んでいたので柄本さんのほうが本来の探偵のイメージにより近いということが分かっていても、くたびれ過ぎだろうという感じ。

それが、さすが柄本明と言うべきか、段々と回を追うごとに(たしか4話放送という変則的なスケジュールだったような)頼りになる探偵に見えてくるんですね。
渡辺典子さんが演じる主人公の女子大生は、お嬢様という設定で、今で言う「ツンデレ」な女の子。

「ツンデレ」というキャラクターは、演じる女優が「ツン」であることにリアリティを感じさせるマスクの持ち主でないと成立しないわけなんですが、大人びた美形である渡辺典子さんにはピタリのハマリ役だったように思います。
何不自由なく育てられたお嬢様である新井直美という女子大生が、くたびれた冴えない中年男である探偵辻山に少しずつ惹かれていく過程を、高橋伴明監督(映画版は根岸吉太郎氏)が細やかな演出で描いていきます。

映画版とドラマ版ではエンディングが違っておりまして、映画版は観た方ならご存知のとおり。
ドラマ版では、なんとボロい車で空港へ向かった辻山は、直美の乗る飛行機の離陸時間に間に合わないんですね。
元々、年齢差とか二人を取り巻く環境の違いから自分の気持に嘘をつくように直美への感情を隠してきた辻山が、最後の最後になってようやく、みっともないほど必死さを見せて空港に向かうんです。
でも間に合わなくて、やっぱり初めから無理なんだよな、みたいな感じで落胆して空港から帰ろうとすると。

直美は飛行機には乗らず、空港の外で辻山を待っていたんです。
この、直美の姿を見た時の柄本明さんの演技が!

驚きもしない、喜びもしないんですね。
予期せぬ出来事を前に、ただ戸惑うんです。
「え……あれ?」
みたいな感じに。
そんな辻山に、照れくさそうに微笑を浮かべた直美が、歩き出そうとするその瞬間。
映像が止まったままになり、この曲「花の色」が流れてくるんです。

僕が当時川平慈英だったなら「くーーーー」と声を挙げるところ。

多分、僕の他に覚えている方って、いたとしてもごく限られた人数なんじゃないかと思うのですが、角川三人娘と言われながら、薬師丸ひろ子さん、原田知世さんほどには脚光をあびることのなかった渡辺典子さんの、隠れた代表作(歌もドラマも)として記事に残しておきたかったので。

この三人についてはまたいつか別の形で書いてみたいものです ▽・w・▽
AD

コメント(16)