2017-05-19 18:18:02

政治道31『名古屋城木造建築~後編~』510

テーマ:政治道

 

木造復元による利用上の問題点も幾つか指摘されている。現在は、鉄筋コンクリート造りなので、建物外のエレベータと天守台のエレベータにより身体障害の方への配慮がされているが、木造になれば階段による昇降にならざるを得ない。新聞報道によれば、市長は、大学生からの「障害のある人たちが利用できなくなるのでは? 」との質問に、「ガイドがもっこ(しよいこ)で担いで昇ればええんでにやーきやあ」と答えたとされているが、公開されている名古屋城の実測図によれば、階段の幅は、最大でも7尺ちょっと、つまり2メートル程で、昇り・降りを考えれば1メートル弱しか使えないのである。とても、市長が資料に基づいて真剣に考えているとは思われない。

 

 

松本城のような3階建ての小振りな天守閣でも、階段の昇り降りで観覧者の渋滞が発生しており、木製の階段を降りる際に足を滑らせて、ひやっつとした経験があるのではないだろうか。現在名古屋城でも、西北隅櫓・東南隅槽の公開の際には、来城者の履き物の管理や、階段での転倒、落下の危険対策に苦慮しているのが現状である。

 

さらに、木造で復元する場合は、照明等も創建当時の状態が基本になると思われるが、五層五階建てで、一階ごとの床面積が姫路城の3倍ほどの広さがある名古屋城の天守閣において、天守閣の壁にある小さな窓(本来の目的は彩光ではなく、防御施設としての要素が強いため小さくなっている)からの光だけでは、薄暗がりのなかを観光客が移動することになる。曇りの日などは真っ暗に近い場所が発生するのではないかと思われる。

 

集客数の根拠については、市議会でも根拠があまりにも楽観的過ぎるとの指摘がされている。さらに、経費の支出は建設の際の400億円だけではなく、木造五階建て、銅版暮き屋根、漆喰壁の大小天守閣のメンテナンスに、毎年どれだけの経費が恒常的に発生することには触れられていないのは、片手落ちではないだろうか。

希望的な集客数を上げるだけの「獲らぬ狙の皮算用」ではなく、収支を正確に把握して、市民に提供する義務が、名古屋市当局にはあるのではないだろか。

 

現在の天守閣は、大天守の展示施設に加えて、小天守閣のなかに重要文化財である「本丸御殿の障壁画」などを保管するために必要な「恒温恒湿の収蔵庫」を有しているため「博物館相当施設」に指定されており、専門の学芸員が配置されて、重要文化財である「本丸御殿の障壁画」などの展示が天守閣内で容易に行えるようになっている。しかし、木造天守となった場合は、名古屋城外に同等の施設を確保する必要が生じるのであるが、このことは検討すらされていないのではないか。


木造天守閣の建設に際して必要となる材木について、「金城温古録」によれば、棒(けやき)角物(408)、檜(ひのき)角物(2,085)、松角物(9,796)と記されている。河村市長らは、これらの材料を確保するのは大変で、今、早急に確保しなければ木材確保の道が閉ざされてしまうかのように述べている。

 

しかし、専門家の中には、名古屋城の構造は、他の城の様に太い大黒柱で支えるようなものではなく、比較的細い部材で構成されているため、木材の確保にはいわれている程の大きな困難はないとの見解を示されるかたもある。

早急に決めなければ時期を失するかのように叫び、いたずらに市民の危機感をあおるようなことは慎むべきではないだろうか。

 

当面は現在の鉄筋コンクリートの天守閣の耐震改修を行うことが最善の道だと考える。

先日、震災で半壊した建物を再生して、強度も耐震性もアップさせる「リファイニング建築」という技術もある

市民の願いにより当時の最新技術で建てられた天守閣を、現在の最新技術で補強する。
これこそ今選ぶ道ではないでしようか。そして、木造復元については、歴史的建造物の専門家等による検討委員会を設置して、急がずじっくりと検討を行った後、市民に正確な情報提供を行った後、「住民投票」で市民の賛同が得られ場合に行うことが望ましいと考える。


 

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

村上 栄二さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

コメントは管理者により確認されています。
掲載されない場合もありますので、あらかじめご了承ください。

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。

      Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
      芸能ブログニュース