中計減額も、足許の回復基調は強め・近鉄エクスプレス(9375)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9375】近鉄エクスプレス(東証一部) --

現在値 1,780円/100株 PER25.6 PBR1.14 3月配当優待 9月配当優待

国際航空貨物混載大手の一角。国際網充実。商船三井が2位株主。
配当は3末9末の年2回計26円配当のため配当利回りは1.46%となります。


近鉄エクスプレスは株主優待制度を導入しており、3末9末に単元以上を
保有する株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約2.02%となります。なお、1年以上保有を継続した場合
は1回あたりのクオカードが4倍の2,000円となりますので、その場合の配
当優待利回りは3.70%となり、利回り的には一気にジャンプします。


業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 2,815億円 営業利益 137億円 EPS 130円
■2015年3月期 売上高 3,271億円 営業利益 165億円 EPS 145円
■2016年3月期 売上高 4,205億円 営業利益 153億円 EPS 135円
■2017年3月期 売上高 4,743億円 営業利益 130億円 EPS 62円

■2018年3月期 売上高 5,000億円 営業利益 135億円 EPS 69円ce

□2017年6月1Q 売上高 1,277億円 営業利益 26.7億円 EPS 0.4円(8/8)
□2017年9月中 売上高 2,430億円 営業利益 51.0億円 EPS 15円 ce

 

2017年3月期通期の売上高は前期比12.9%増の4,743億円、営業利益は同

14.9%減の130億円となり、期初予想を下回って着地しました。日本の航空

輸出は半導体関連、輸入に関してはエレキ製品が順調に推移したため、

増収増益となったほか、東南アジアもエレキ製品や自動車関連品で取扱

が増加し、航空・海上ともに堅調に推移しました。が、米州については前期

の西海岸の需要拡大の反動がきつく、米州セグは3割強の大幅な減益と

なったことをはじめ、東アジア・豪州も軟調に推移したほか、AAPLも海上

貨物の軟化で、約60億円ののれん償却が非常に重くのしかかりました。

進行期の2018年3月期の予算に関しては、売上高が5.4%増の5,000億円、

営業利益は3.2%増の135億円と微増を計画しています。会社側では日本・

米州では堅調な推移を見込んでいるものの、一部アジア圏では反動減等

で慎重な見方をしています。AAPLに関しては当社とのシステム統合関連

の費用が剥落するため、営業利益ベースで16億円程度良化する見通しで

すが、なおAAPL買収当時の本来の巡航実力にはほど遠い印象です。
(※1Qは8/8に開示済、売上2桁増・利益5割増とかなりの高進捗をマーク)

今期は2019年3月期を最終年度とする中期経営計画中間年度となってお

りますが、本年5月に数値目標を減額ローリングしています。3年後の売上

高を6,340→5,680億円、営業利益220→180億円と、結局営業利益の積み

増しは、1年で10億円足らずとなる見込みです。これは中計初年度の市況

が軟化していたことが要素としては大きいものの、当社は高い買い物であ

るAAPLの買収を含め、定性的な方針として業界でのプレゼンス拡大に挑

んでいるため、“質より量”を志向していることも影響しています。事実、別

途KPI目標数値として置いている「航空70万t・海上70万TEU」に関しては、

修正していないため、見え方こそ悪いものの、そういう方針ということです。

 

他方、株主還元については、配当金が【18.5→20→23→26→26円】、と前

の期まで増配基調が継続していたものの、2017年3月期は2度の下方修正

と減収減益決算により連続増配がストップしてしまいました。そして今期も

据置となる26円配当を見込んでいる状況ですが、今期は1Qから相当好調

であり、早くもコンセンサス予想(経常利益/会社130億円vsCons.143億円)

が切り上がっている状況ですので、業績良化による増配基調の復活に改

めて期待したいところではあります。

 

*参考記事 2016-12-14  1,780円 --

APLL買収寄与も利益まだ先、近鉄エクスプレス(9375)。

 

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