「重責を感じている」――。4日に誕生した菅直人・新首相(63)。トップとして臨んだ初の記者会見では、野党時代に国会質問などでみせた鋭い舌鋒(ぜっぽう)を封印した。

 鳩山政権が抱え続けた「政治とカネ」に対する国民の厳しい視線。米軍普天間飛行場の移設問題も解決の見通しは立っていない。約50分間に及んだ会見で、新首相は最後まで慎重な物言いを続けた。

 東京・永田町の民主党本部5階の会見室。約200人の報道陣を前に、午後6時から記者会見を始めた菅新首相は冒頭、サッカーの話から切り出した。

 「まずやらなければならないのは、サッカーで言えば岡田ジャパン……」。黒星が続くサッカー日本代表を引き合いに出したが、適当ではないと思ったのか、その後、具体的な話はせず、次に移った。

 「官邸の一体性を確保する」「議員、党員全員が参加できる党づくり」

 質疑に移るまでの4分間、政権立て直しへの決意表明は、慎重な言い回しで終始した。責任の重さを感じているためか、これまでの会見とは打って変わり、表情も硬いままだった。

 質疑では、鳩山由紀夫首相(63)との政策の違いや、小沢一郎幹事長(68)の処遇について、矢継ぎ早に質問が出た。ここでも、菅新首相は一つ一つ言葉を選びながら「皆さんの知恵を借りて決めたい」などと答え、具体的には語らなかった。

 普天間飛行場移設問題の質問には、沖縄に関する本を読み始めたことを明かし、「沖縄の歴史といったものを私なりに理解を深めている」と話すなど、沖縄県民への配慮をアピール。しかし、具体的な解決策については、「日米間の合意を踏まえる」と発言するだけで、「今日の段階で断定的にいつ、どうするということは申し上げにくい」などと明言しなかった。

 鳩山首相と小沢幹事長は、政治とカネの問題で説明責任を果たしていないと指摘されている。菅新首相は「襟を正した姿勢を示したい」と語るだけだった。

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