チーズたっぷりのリゾットに純米大吟醸-。実は、日本酒とイタリア料理は思いの外合う。お酒と料理の絶妙な組み合わせを「マリアージュ」というが、意外な“国際結婚”をきっかけに、日本酒が見直されつつある。(榊聡美)

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 ◆チーズに熱燗

 今月13、14の両日、東京・代官山で、ユニークなイベントが行われた。

 来場者はイタリアンチーズをつまみに燗酒(かんざけ)を味わったり、野菜のオリーブ油漬けやアンチョビーと日本酒との食べ合わせを楽しんだり。レストランでは、ピエモンテ料理と日本酒の賞味会も開かれた。

 これは「日本酒と楽しむイタリアンの会」のイベント。仕掛け人は、プロのテーブルコーディネーターを養成する傍ら、日本酒スタイリストとしても活躍する手島麻記子さんだ。

 同会の発端は、イタリアのスローフード協会が主催する食の見本市に参加した約10年前にさかのぼる。

 「まだイタリアの主要都市以外では流通していなかった日本酒を紹介し、大好評を博しました。でも、『どんなイタリア料理に合うの?』と尋ねられ、答えられなかったんです」

 その後、全国の蔵元などと研究を重ね、そのマリアージュを日本の新しいスタイルとして国内外に広めたいと、同会を立ち上げた。

 ◆海外名シェフも絶賛

 日本食が世界的な注目を集め、それに伴って「SAKE」人気も高まっている。しかし、「異国の食文化にも合うことを日本人ほど知らない」と手島さんは指摘する。

 長野県諏訪市にある「真澄」の蔵元、宮坂醸造には今年、フランス・ミシュランの星を持つ名店のシェフがひっきりなしに見学に訪れている。中には酒造りまで体験していくシェフもいる。

 「特に、新鮮な魚と野菜を使ったシンプルな調理法の南仏の料理に、ワインは強すぎると言うんですね。日本酒は料理を引き立てるお酒だと、ほれ込んでいるシェフが多い」と宮坂直孝社長は話す。

 ◆懐にも優しい

 一方、山形県鶴岡市に店を構え、庄内産の食材を使った“庄内イタリアン”で、全国区の人気を誇る「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ、奥田政行さんも日本酒とのマリアージュを追求する一人。

 「日本の魚は甘みがあるので、生の料理だったら日本酒の方が圧倒的に合う。それに、ワインに比べて懐にも優しいですしね」

 「日本人の魂」と、日本酒に対する熱い思いを語る奥田さんは、地元の蔵元と組んでイタリアンに合う日本酒も開発。来月には都内にある自身の店の姉妹店で、手島さんとコラボし、日本酒とイタリアンの賞味会を実施する予定だ。

 「料理はあえて完成させない。食べる人が日本酒を口にしたときに完成する」という哲学のもとに作られる料理は、多くの人の舌をうならせ、日本酒のイメージを変えてしまいそうだ。

 「全国のイタリア料理店のメニューに日本酒が並ぶようになり、国内における日本酒の国際化が進めば」と、手島さんは同会の発展に期待を寄せる。

 相手を選ばない懐の深さが知られ、日本酒の新時代到来となるか-。

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