マオイスト、予想外のリード | It's a small WORLD!

マオイスト、予想外のリード

新しい憲法作成のための議会設立のため4月10日に行われたネパールの選挙。

午前7時の投票開始よりもだいぶ前から、人々は投票所に足を運び、一票を投じるのを待っていた。

少しでも早く投票したい気持ちの表れか、昼頃には投票所はがらり…。この時点で50%以上の有権者は投票済み。投票率は67%(高い!)だったので、多くの人はやはり午前中に済ませていたようだ。


午後5時に投票が終了し、集計所に投票箱が届けられ次第、集計開始。

地域によっては、ヘリコプターを動動員しないといけない僻地もあった。

実際に足を運んだカトマンズの投票所では大きな問題も起こらず、平和なムードが漂っていた。

昔の有権者登録証を片手に、「俺の名前が有権者リストに載っていない!」と言って投票所の入り口で混乱している人々はちょくちょくいたように思う。


主要な政党は、ネパール・コングレス党(Nepali Congress、NC)、ネパール共産党(マルクス左派、UML)、ネパール共産党(毛派・マオイスト)の3つだ。暫定政権のコイララ首相はNCの党首でもある。


                    

           マオイスト          UML           NC



これってアリ???????と首をかしげてしまう光景があった。しかもぼ全ての投票所で。

投票所の外には、それぞれNCデスク、マオイストデスク、UMLデスクなるものが設置されており、党員が通りかかった有権者を呼び寄せ、有権者登録リストの写しでその人の栄名前をチェック。

その後、有権者番号や選挙区名等をメモ紙のようなものに書いて手渡している。

彼らに何しているのか聞くと、「投票所内の混乱と混雑を避けるため、有権者に事前に番号を教えてあげているんだ。自主的にやっているんだよ。」との答え。


でもメモ紙を見てみると、中には政党のマークが入ったものもあるじゃないか!何よ、木のマークは。

これはルール違反じゃないの?

自主的にやっているとはいえ、要するに誰が投票済みかリストでチェックすると共に、自分の政党に票を投じるよう最後の一押しをしているに違いない。

あまりに定着している光景なので、違反なのかそうでないのか、正直判断することができなかった。





さて、お待たせしました。選挙結果とは…

国内外の予想を見事に破り、マオイスト政党がダントツで票を集めている。


選挙は、小選挙区制と比例代表制の2種類行われており、両方ともマオイストが過半数を獲得。

小選挙区制では240議席が、比例代表制では335議席が割り当てられる。
そのうちマオイストは、それぞれ120、125議席を獲得見込み。

(比例代表ではマオイストは30%以上の票を獲得)

最終的な集計結果は、1週間以内に発表される予定だ。


ネパール人も驚きを隠せない様子だが、つまりそれだけ多くの国民が変化を望んでいるということか。

IDEASのネパール人の友人曰く、マデシ政党の台頭のせいでNCの敗北につながったとか。

NCを辞めマデシ政党に移った政治家も多く、そのおかげで票が割れる結果に至ったらしい。


何はともあれ、スタッフやホテル職員、タクシードライバー等みんなインクのついた親指を見せながら投票の様子を語る姿は、国の将来を左右する一大イベントを表してる。

日本じゃそう見られない光景だ。