no movie no life

・・・映画を見て思ったことをツラツラと。ネタバレです。

かなり昔に書いたのも。


テーマ:

国民皆保険を実現せよ!


マイケル・ムーア監督の最新作、今度は医療問題。


まずもってアメリカの医療保険がこんなにひどい状態とは思いもしなかった・・・。よく「ER」などで、保険に入ってないから治療を受けられないというシーンを目にしたが、それってごく少数だと思ってた。さらにヒラリーさんが国民皆保険制度の創設を訴えていたのも知っていたが、これほどとは!悲しいのはアメリカ国民がおかしな実態をおかしいと認識していないこと。ムーア監督もまた然り。監督の驚きはまさに国民の驚きで、そこにメスを入れてゆくわけだ。


映画の作りはとても丁寧。一般国民からHPで医療保険に対する意見を募集したとのことで、それがこの映画のスタンスを物語っている。そしてテンポよく、ブラックユーモアをちりばめながらもわかりやすく見れる。最大のブラックはグアンタナモの収容者のほうがアメリカ国民よりすばらしい医療をタダで受けられるというところだろう。アメリカの医療技術は高いんでしょうけれど、それが国民の利益になっていないことが悲しい。


しかし、なぜアメリカの医療制度はこれほどまでにSICKO(病的)なのか?
そもそもの諸悪の根源は医療保険に営利目的、競争原理を導入してるところだと思う。公的な立場がやはり必要なのだ。しかも医療保険会社は、加入者を恐れてなどいない。保険を支払うほうが圧倒的に強者なのだ。
その結果、保険会社で働く人間も、医療に携わる人間も、医療を受ける側の人間も、幸せではない。患者にいたっては、金額で治療か否かを決定しなければならないし、ストップがかかれば姥捨て山のように捨てられる。人間として医療を受けるというよりは、まるで車の修理を見ているようだ。

イギリスやフランスでは医療保険は国がきちんと整えているという。その根本には、国民の安心は国が守るという概念と、そこをおろそかにすれば国民が納得しないという基本的な考え方が存在するようだ。
不思議なのは、なぜアメリカがそれを持っていないかということなのだが、イギリスやフランスのような、時の権力者が民衆の革命やクーデターによって転覆させられる歴史を持たないからではないか?と思う。独立戦争や南北戦争はあるけれど、結局は征服した側の人間がずっと権力を握ってきたからではないかと。戦争でも負けたことがないし。どこか民衆を畏怖する精神の欠如を感じさせるのだ。


しかし・・・映画で疑問に思うのは、フランスの医療はほんとにタダなのかということ。もしそうだとしたら税金や保険料はバカ高いものになっているだろう。劇中、キューバに行ってアメリカ人が治療を受けるシーンがあるが、それだってキューバ国民の税金が使われているはず。
日本も昔の老人保健制度では医療は無料を掲げていたが、それにより、たいしたことなくても医者に行くという、コスト意識が欠如した医療機関のサロン化を生み出してしまった。この場合の「無料」というのは、そもそもコストがかかっていないんではなくて、誰かがそれを肩代わりしているということだ。しかし、それに気づきにくいという事実があるのだ。無料というのはそれだけ慎重でなければならない。結局、現在の医療費は年々増加しつづけ、国民健康保険に見るように、財政は火の車だ。国民の一部負担も高くならざるを得ない。
しかしながら、日本の国民皆保険、特に国保は最後のセーフティネットであり、これはすばらしい概念だ。日本の医療保険も、軽易なものは保険適用外にするという動きも出ているが、私は反対。やはりどこにいても国民が安心して医療を受けられるようにするためには、この制度の堅持は絶対必要だと思う。


社会保障のありようは、国が国民をどのように見ているかということを表す鏡だ。
とにかく、アメリカでの国民皆保険が早く整えられることを願う。


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