liverpoolfc.comより。

 

我々が25分間のインタビューの中でフィル・バックハウスに尋ねることができたのは7つの質問だけでした。
 
リヴァプール・レディースがホームとしているセレクト・セキュリティ・スタジアムを見渡す部屋で、ユース育成プログラムも監督しているチームのアシスタント・マネージャーは、既に自身のコミットメントの動機となるものを情熱を持って表現しており、そのことについてほとんど尋ねる必要がないからです。
 
「我々はすべての分野において進歩している。」と彼は語りだしました。
 
「そう。我々は結果を残して、リーグの順位表か何かでそれを目にするんだが、実際のところは、クラブで成長していって、ファースト・チームの為にプレイするようになっていく選手たちに目を向けている。最終的にはそういった選手たちを輩出していくことが、リヴァプールというクラブであり、築き上げてきた歴史であるということだ。」
 
「我々は女性たちの分野においても同じことをやっていきたいと思っている。クラブの中で成長し、その価値観やクラブのことを理解し、ファースト・チームの為にプレイするような、そんなリヴァプールの周辺にいる若い女の子たちに目を向けているんだ。」
 
「そして、うまくいけば、そういった多くの選手たちを獲得し、ファースト・チームで継続的な進歩を観ていけるだろう。本当にエキサイティングで才能のある選手たちがいるからね。」
 
それでは時間を巻き戻してみましょう。
 
リンカーン・カレッジの他、いくつかのクラブにスカウトされたバックハウスですが、そのプレイキャリアにおける野望は怪我によって大きく縮小され、コーチ業への道に促しました。
 
新たな道への彼の最初のステップは、UEFA Bライセンスを取得して新たな可能性を切り開く前に、リンカーン・シティのレディースチームのU14チームで1年間働くことでした。
 
また、パートタイムのU16チームのコーチとしてスタートしたアクリントン・スタンリーで過ごした6年間では、恒久的にクラブの中心となるようなマネージャーにまでなり、ファースト・チームの為に働きました。
 
そこでの再編成は別の移籍を意味しました。ロッチデールで短期間の仕事をした後、ブラックバーン・ローバーズとマンチェスター・シティのシニア育成部門で女性フットボールに戻りました。
 
フィルはそこに落ち着き、自身の経験を活かす準備ができており、シティの希望の為の知恵を有していました。その後、2015年12月にマージーサイドから1本の電話を受けました。
 
「スコット(ロジャーズ)は私に電話をしてきて、ここに来て、彼のアシスタントとして、ここのプログラムを見る気はないかと言ってきたんだ。」
 
「2016年の1月にリヴァプールに加入したんだが、我々はそこから波瀾万丈な6ヵ月間を過ごしたよ。物事を再編成しなければならなかったからね。我々はスタッフの何人かを見て、所属していた選手たちのことを見たんだ。」
 
「アレックス・イングルソープのことはここに来る前から知っていたから、アレックスとアカデミーにおけるプランについて話し合った。彼らはスカッドのサイズを縮小することを検討していたから、そのことやその理由について議論したんだ。」
 
「それは力強い動きだと感じたから、我々も同じようなことをした。我々は今シーズン、2016-17シーズンの初めにその決断を下したんだ。選手たちにもっと多くのプレイ時間を与え、トレーニング・セッションにおいてより良いスタンダードを与える為に、スカッドのサイズを縮小することにした-最高の選手たちはお互いに後押しするものだからね。」
 
バックハウスのこのアプローチに関する信念は、私たちとの会話を通して明らかなものでした。前述したように、リーグの順位表には、彼の信念を確認することができる具体的な証拠が表れています。
 
例えば、リヴァプール・レディースの育成チームは、FAのWSL北部育成リーグにおいて18試合で13勝を挙げており、5月にはタイトルを勝ち取りました。

 

 

しかし、31歳のこの若者が先にも強調したように、このコーチング・スタッフにとってより重要な意味を持っているのは、各年代グループにわたって実施されている方法論が成果を上げているという兆候です。
 
「これは非常に攻撃的なフィロソフィなんだが、シニア・レベルのピッチで直面するであろうシチュエーションに彼女たちが対処しなければならない考え方でもあるんだ。」
 
「それで、うまい具合に1対1となるよう2人のセンターハーフをハーフウェイライン上に残し、2人のフルバックを攻撃参加させ、ホールディング・ミッドフィルダーにはスクリーンプレイをさせるんだ。」
 
「今年、我々がやった重要なことの1つは、9歳からのすべての各年代グループにおいて、彼女たちがプレイするフォーメーションにホールディング・ミッドフィルダーを置いたということだ。余分なディフェンダーを置くよりも、我々はそういう選手を置いてプレイしたんだ。」
 
「我々はそれをスペシャリストのポジションだと見ている。だから、選手たちはより長い時間そのポジションを学んでいく必要があるんだ。我々はそれを実践した訳だが、それによっていくつかの素晴らしい結果を得ることができたんだ。」
 
「ワイドの選手たちはフルバックと攻撃的プレイヤーの両方として働かなければならない。だから、彼女たちにはもっと多くのトレーニングが必要だった。だが、彼女たちがプレイにおけるポジティブな面を学ぶのを見ることができたよ。」
 
「我々のセンターハーフのやり方は確かに今年になってお披露目した。だが、我々のU12チームはボーイズ・リーグでプレイしているが、今シーズンの序盤には、センターハーフの1人が2人のアタッカーを相手-2人の男の子だ-に自陣のピッチ半分で守備をしなければならないような試合が観られたものだが、そういう守備もマネジメントし、上手くボールを出してスローインにしていたものさ。」
 
「これは試合を進めていく上で役立つ経験だ。『以前にもこれはやったことがあるな。』と思えるからね。選手たちの為にそういった経験を積ませていくということ。今年やりたかったことの大部分はそういうものだったんだ。」
 
こういったものすべては、この職に携わる人たちにとって理に適ったものですが、必ずしも常に野心のある若者たちを生み出すという訳ではありません。
 
ユースレベルであっても、あらゆるネガティブな結果によって懸念されるのは人間性についてだけです-バックハウスと彼のチームはプレイにおける長期的なビジョンを定期的に繰り返し表明しています。
 
「今年は勝てなかった試合が数多くあったが、彼女たちのパフォーマンスは我々が求めているものではあった。」
 
「彼女たちは我々が示した、2人のセンターハーフがピッチ半分でプレイし、攻撃的な選手たちを前線に行かせ、自分たちのプレイを楽しむ、というフィロソフィを忠実に実践してくれた。」
 
「現在のU14とU16のインターナショナル・プログラムには、12ヵ月から18ヵ月前と比べてもさらに大勢の選手がいる。我々は単なる結果以上のものを得ているんだ。」
 
「これは本当にポジティブなことだし、我々は皆このことに興奮しているよ。現在の我々は各年代のグループを振り返っている。より小さなスカッドにしていくという我々の決断の為にね。来年のグループとそこにあるポテンシャルを見極め始めているところなんだ。適切な形に戻っていくのを見ていけると思うよ。」
 
「誰もが興奮していることの1つは、おそらく5年間のうちの4年間は、そこにいる選手たちの価値を見ることができるということさ。」
 
「彼女たちがその速度で成長し続けてくれれば、近い将来には本当にそして間違いなく、開発部門のスカッドにおいてファースト・チームの選手たちを育て上げるオプションを手にできる。それは主にクラブのプログラムを経験してきた選手たちによる際立ったスカッドとなるはずさ。」
 
根気とは、この分野においては確かに美徳と言えるでしょう。
 
現在のシステムにおいては、育成部門のスカッドは、選手たちにとって、センター・オブ・エクセレンスを卒業してからロジャーズのシニア・チームに出場するようになるまでを繋ぐ唯一のチームとなっています。
 
クラブは、レインヒル高校とジョン・ムーアズ・ユニバーシティと協調して、トレーニング・セッションでAレベルと学位研究をミックスさせた教育プログラムを実施し、この問題に対応しようとしています。
 
そういった重要な転機にあって、バックハウスとスタッフたちは5年間をかけて、適切なスピードで選手たちのポテンシャルを開花させようとしています。
 
「若い選手たちがファースト・チームを支えてくれる構造があると思っている。実際に我々はクラブをサポートしている選手たち、クラブを愛し、その地域を愛している選手たちと一緒にプレイしているんだ。」
 
「そういったものもサポートを構築するだろう。女性チームはまだ比較的若いが、地域との友好関係を既に構築してくれている。道路でプレイしていたような子が今ではファースト・チームの為にプレイしているんだからね。人々はクラブがやろうとしていることを感じてくれている。そして、それもまたサポートを構築してくれるだろうと私は思っている。」
 
「これは長期的なプロジェクトなんだ。」
 
「現時点では短期的な成功は収めている。だが、実際にはどのように見えているのか、どのようにファースト・チームやその先に及んでいるのか、という長期的なアイデアを我々は持っている。まぁ我々は現時点の状況には興奮しているよ。」
 
戦術的戦略的な面と同様に、このフィロソフィはすべてのチームを網羅しています。
 
「我々は現在、選手たちに対して、彼らが次のレベルに進むことができるかどうかにかかわらず、実際にどのように成長し、どのようにフィットしていくかを見定める為に2年という期間を与える構造を構築しようとしている。」とフィルはは若年層のグループに関して語りました。
 
「実際に地図を描くのが非常に難しいのは、11歳の中学生の少女が少学校の7歳の少年と対戦することができるからさ。フィジカル的にも技術的にも戦術的にもこの違いは大きいよ。」
 
「そういう訳で、選手たちには時間を与え、育成の機会を与え、フェアなチャンスを与えようとしているんだ。」
 
「その環境が子供たちにとって本当に適切じゃないと思えば、我々は決断を下すし、それから他の選手たちを連れていくことになるだろう。だが、可能な限り、我々は選手たちに育成の時間を与えようとしているんだ。」
 
現在では、バックハウスが自分の仕事に対する献身ぶりは理解されるものでしょう-彼は1人ではありません。
 
彼は設定したアジェンダの遂行を助ける為ならば、同じように熱狂的なコーチのチームのところへ行っては、そういった主義を展開し、メッセージをトレーニング場に広げようとします。
 
それは何より、日々の終わりに彼の顔に笑顔を浮かべるものです。
 
「若いチームの成功というのは素晴らしいものだし、我々コーチに自分たちの時間を持つことを諦めさせるものなんだ-彼らは多くのものを支払い、それほど多く働いているのさ-人々がそういったビジョンにコミットしてくれるのを見たり、実際に人々が金を支払ってくれるのを見たり、若い選手たちがが実際に成長の機会を得る為の結果を見ることができれば、それはおそらくフットボールで得られる最高の瞬間だろうね。」
 
「試合に勝ったり、トロフィーを獲得することは素晴らしいことだろう。だが、実際には、若い選手がシステムを通して進歩し、クラブを通して成長していくことはファンタスティックなことさ。」
 
「私が中心となって働いているようなスタッフを揃える為には時間を惜しんではいけないし、我々がやろうとしていることを本当に買ってくれる人がいれば、それは最高の満足と言えるだろうね。」

 

リヴァプールFCで普段注目を集めない仕事をしている人たちにフォーカスを当てるシリーズの11人目は、リヴァプール・レディースのアシスタント・コーチを務めるフィル・バックハウスです。
 
レディース・チームのコーチという立場ではありますが、リヴァプールにおける女性選手の育成にも大きく寄与していることがこのインタビューから伺えますが、以前にこのシリーズでご紹介したヴィッキー・ジェプソンと協力して行っているようです。

 

このシリーズではレディース・チームに関わる人をこれで3人紹介している訳ですが、いずれも様々な形で複数の職を兼務していています。
まぁ紹介した人たちは皆、それをやり甲斐に感じて楽しんでいるようではありますが、女性フットボール界が男性のそれに大きく後れを取っていることは間違いありません。
同じレベルに、とまでは言いませんが、もう少し彼ら彼女らを取り巻く環境が改善されないものかな~とこういう記事を読むたびに思います。

 

 

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