歪められる派遣法改正案

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転職コンサルタントの独り言


先日の厚労省の審議会で、労働者派遣法改正へ向けて公益委員案が示された。

民主・社民・国民新党の三党が、政権交代前に既に国会に提出していた改正法案の内容がそのまま反映されたものかと思ったら、どうもそうではないようだ。その内容は、派遣法の抜本改正どころか、むしろいつでも切り捨て可能な派遣労働を残したい経済界側の意向が色濃く反映されているのだ。

派遣法の最大の問題は、派遣先企業が労働者を切り捨てるときに一切責任を負わないということであり、今回の見直しは、派遣先企業が責任を負うべきという点が極めて重要なポイントになる。ところが、提出された公益委員案では、三党案に盛り込まれていた

「育児休業を理由とする不利益取り扱いの禁止」
「未払い賃金に関する派遣先の連帯責任」
「性別を理由とする差別の禁止」
「団体交渉応諾義務」

など「派遣先責任の強化」が全面削除されているのである。

期間制限違反など、派遣労働者が違法に使われていた場合、派遣先が直接雇用したものとみなす制度も三党案から大幅に後退し、直接雇用した直後に使い捨て可能な内容になっている。

上記のほかにも、施行期日が実質5年後とする意見や、事前面接一部解禁などの規制緩和が盛り込まれる危険性も否定できない。

1999年、派遣法改正作業は、財界の後押しで 「密かに、静かに」 成立した。

その結果として現在の惨憺たる貧困社会を生む大きな原因となった。

日本の派遣法がどう改正されるか、いまが正念場であり、私たち働く者は、派遣制度を巧妙に残存させようとする動きを批判的に見ていかねばならないと考える。


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