■広島大の彦坂教授ら 結晶化率ほぼ100%に成功

 鉄鋼の2~5倍の強度を持ち、加工やリサイクルが容易な新たなプラスチックの開発に、広島大の彦坂正道特任教授らが成功した。透明でガラスの代わりにもなり、既存のプラスチックとほぼ同じ方式で大量生産ができる。

 プラスチックの一種であるポリプロピレンなどの既存の高分子材料は、軽量で安価といった長所がある一方、強度や耐熱性などが金属に比べて劣っていた。

 研究チームは、それらの欠点の原因である高分子材料の結晶化率の低さに着目。ポリプロピレンの液体温度を融点よりも低い150度に下げてから、1ミリ以下の厚さに圧縮して引き延ばすまでの作業を、一瞬で行った。

 その結果、結晶化率がほぼ100%のプラスチックを作り出すことに成功。新たなプラスチックは結晶の向きがそろっていることから「ナノ配向結晶体(NOC)」とも呼ばれ、鉄鋼やガラスなどの代替ができる。乗用車の素材として用いた場合、車体重量が現在の約半分になるという。耐熱性はポリプロピレンに比べて50度以上も高く、176度に達した。研究チームは今後も強度などの向上を目指すとしている。

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