新潟だより

日記代わりに書いている「携帯写真短歌」を掲載しています。


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 いま全国でサイエンスカフェが盛んだ。サイエンスカフェにいがたも4年間毎月のように開催されている。ここでサイエンスカフェとは「科学者と市民が飲み物を飲みながら気楽に科学について語り合う会」ことをいう。講演は一方向的な情報伝達だが、カフェは双方向的なくつろいだ雰囲気の中で、科学を身近に感じてもらうことが目的だ。ではいまどうしてサイエンスカフェなのだろうか?

 「学問は役には立たない」と言ったら語弊があるかもしれないが、一般の人が考えている「役に立つ」、すなわち「生活がゆたかになる」「お金がもうかる」などの意味ではほとんど役には立たない。もちろんその意味で役立つ学問もあるが、全体から見ればごく一部だ。だから、学問は必ずしも商売にはならないため、その価値を理解し、学者の生活と活動を支える「パトロン」が昔から必要だった。科学の発祥の地、欧州では、教会、王様、貴族などがパトロンだった。日本はどうだろう。かつてはやはり寺院、殿様、貴族がパトロンだったが、民主社会の現在は、国などの公共団体がおもなパトロンだ。私立大学といえども、国の補助金なしでは経営は成りたたない。ここで国とは「国民全体」のことだ。

 日本は、明治以来、欧米で発達した科学を短期間で吸収すべく、莫大な投資を行い、いまや世界の最先端に登りつめた。それ呼応して社会はゆたかになったが、逆にそのゆたかさを支えてきた科学への関心は薄れてしまった。私は科学だけでなく、学問全体に対する関心が薄れているように思う。その理由は、「社会のゆたかさは学問が支えている」ことを、学者が真のパトロンである国民に対して説明してこなかったため、と私は考える。学者の心の中に「学問は価値があるのだから、国や企業は金を出すのが当然」という慢心があったように思う。しかし、いつの時代でも、日々の生活に直接には関係しないような仕事をしている人は、パトロンに対して常に説明責任がある。遅まきながら、学者もようやくそれに気がついたようだ。

 私が選んだ今年のテーマは、前にも紹介したように「チェンバロ」だった。
http://www.ecosci.jp/n-cafe/yokoku44.html
http://ameblo.jp/mrbach1954/entry-10736705362.html
先回のテーマ「鍵盤の歴史」の続編として選んだ。もちろん自分が大好きなのが一番の理由だ。4回目のせいか、今年はキャンセル待ちが出る満席状態だった。私は特に有名人ではないから、継続がいかにたいせつかがわかる。参加者は小学生から70歳過ぎの方までいらしたため、どう話したらいいのか、講師の腕の見せどころだ。私の方針はただひとつ、終わったとき参加者が「何かおもしろそうなことを、楽しそうに話していたな」と思わせることだ。1時間半くらいで詳しい話しなどできるはずもなく、参加者がそこまで深く理解できるはずもない。といって話しを分かりやすくしすぎると、「子供騙し」になってしまう。だから、必ずしもすべてが分かりやすい必要はないと思う。が、絶対に欠かせないのは「参加者がおもしろいと思う」ことだ。そう思ってさえくれれば、自分で本を買って詳しく学んでくれるかもしれない。
$新潟だより-第44回サイエンスカフェにいがたの様子
第44回サイエンスカフェにいがたの会場の様子

 おもしろくするために、私は講演になるべくいろいろな要素を入れるよう心がけている。そうすれば、各人がどこかの要素をきっかけとして関心をもってくれるかもしれないからだ。同時に参加者を飽きさせない工夫でもある。まずはパワーポイントなどのヴィジュアルエイドを手抜きしないで作ること。つまり視覚的にも強く訴えることだ。今回はそれにCDの音楽とチェンバロの生演奏を加えた。私の下手なリコーダー演奏は、私がどんなにチェンバロに入れ込んでいるかを、言葉でない表現手段でも訴えたかったからだ。さらに、演奏曲目の簡単な解説をお土産として参加者に配布した(http://ameblo.jp/mrbach1954/entry-10748454625.html)。講演内容のレジュメも配布したかったのだが、残念ながら作成する時間的余裕がなかった。次回は手抜きしないように準備したい。
$新潟だより-チェンバロ演奏
$新潟だより-リコーダー演奏
チェンバロとリコーダーによる演奏

 どんな内容であっても、人間が長年考えて積みあげて来た文化がつまらないはずがない。そのおもしろさと「感動」をどう料理して一般の人々の「心」に訴えられるか、それがサイエンスカフェ運営のキーポイントだろう。
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