福島県会津若松市のシンボル・鶴ケ城の天守に飾られる一対の鯱(しゃちほこ)が今年、45年ぶりに下ろされる。来月から始まる天守閣の瓦ふき替え工事のためだ。天守閣内での一般公開も予定されている。

【明治7年の写真】取り壊される前の会津若松・鶴ケ城天守閣 しゃちほこはない

 鯱は1965年、現在の天守閣建設を請け負った準大手ゼネコンの社長が同市に寄贈した。雄、雌各154枚の鱗(うろこ)には銀箔(ぎんぱく)が張られ、口と歯は純金、目はダイヤモンド製。制作費は「千数百万円」という。

 再建工事の工事費は約1億5000万円。ゼネコンは仕様外の鯱を勝手に作ってもなお、もうけがあったのだろうか。同社は当時、金鯱で有名な名古屋城も手掛け、金閣寺、銀閣寺にならい、金鯱、銀鯱を気取ったという。高度経済成長期とはいえ、目がくらみそうな逸話だ。

 ところで、同市は今回の改修を「往時の天守閣再現事業」と称している。総額約5億円をかけ、屋根瓦を黒から赤に替えるなどして江戸末期の城の姿に近付けるという。だとすれば、ついでに鯱も外したままにしてはいかがだろうか。飯盛山から白虎隊士が眺めた城には鯱などなかったのだから。【太田穣】

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