神奈川県警の不正経理問題で、県警は5日、2003~08年度の6年間の不正経理が、県費の約13億円のほか国費にも約9000万円あったと発表した。

 不正経理は全108部署で9670件、総額約14億円となった。架空発注で業者に現金をプールする「預け」は、54の全警察署を含む102部署で約7億5000万円(5734件)に上り、約3400万円が図書券などの金券で納入、換金されていた。

 私的流用はこれまで確認されていないというが、県警は使途などについてさらに調査を進める。

 発表によると、他の都道府県警察との合同捜査で旅費や物品などに支払われる国費も含め、不正経理に関与した職員は117人、預けは毎年約9000万円~約1億4800万円。一部の部署では、前任者との間で引き継ぎが行われ、預けの残金などを記したノートやメモも残っていた。

 81部署では、預けのうち約3400万円が図書券やビール券などで納入され、換金後に物品の購入に充てられていたという。県警は「業者が預け金を金券で精算したため」と説明しているが、聞き取り調査に対し「捜査本部の打ち上げなどの飲食代に充てた」と明かす職員もいたという。

 預け以外の不正経理では、翌年度に納入されたのに現年度に会計処理する「翌年度納入」が約3億1400万円(959件)と多く、請求の名目以外の物品を納入させる「差し替え」などの手口も確認された。

 渡辺巧県警本部長は、調査結果を公表した県議会常任委員会で「県民の信頼を裏切り申し訳ない。再発防止と信頼回復に努める」と謝罪した。

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