米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設受け入れの是非が争点となった24日の名護市長選は、反対派の勝利に終わった。同県内で、県外移設を求める声がさらに強まるのは必至。政府・与党内で、同市辺野古に移設する現行計画は「白紙になった」(外務省筋)との受け止めが広がった。鳩山由紀夫首相は5月までに新たな移設先を選定する方針だが、有力な選択肢がほぼ失われ、決着への道は一層険しくなった。
 「現行計画はもうあり得ない」。防衛省幹部は選挙結果を受け、こう語った。首相周辺からは、日米関係の悪化を懸念し「現行案もゼロではない」との声も聞かれるが、外務省の担当者の一人は、首相が合意破棄を決断する事態を想定し「米国は失望し、日米関係は『低空飛行』に入る」と、危機感をあらわにした。
 首相は現行計画の扱いについて、社民党が強く反対していることを踏まえてあいまいにしてきた。容認派の劣勢が伝えられる中、岡田克也外相が23日の講演で「一つの案」と語った通り、最も有力だったのは間違いない。
 移設先を決める政府・与党検討委の委員長である平野博文官房長官は当初、社民、国民新両党に独自案を1月中に提示するよう求めていたが、各党の作業が進まず、2月第2週に期限をずらしたばかり。5月までの短期間で、「ゼロベース」(首相)から決めることの困難さをうかがわせた。
 首相は「抑止力」の観点から国外移設を否定しており、移設先は国内から探すことになるが、受け入れ先の同意を得るのは容易ではない。仮に同意を得られたとしても、鳩山政権への不信感を募らせる米側との協議に手間取るのは確実だ。 

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