各自転車メーカーが、お年寄りが乗りやすい自転車の試作を進めている。これまでお年寄りを意識した開発はなされてきたが、特化した製品はないのが現状。急速な高齢化が進む中、自転車に乗りたくても乗ることができないお年寄りにとって朗報といえそうだ。(森本昌彦)

 ◆3月には完成

 今回の試作を呼びかけたのは、財団法人自転車産業振興協会(東京都港区)。昨年4月、「高齢者が安心して乗れる自転車の試作」と題して募集。14件の申請が寄せられ、5社の案が採用された。

 「お年寄りが乗ることができる自転車がないという話が入ってきたり、(高齢者用自転車に)乗ってみたいという声もあり、試作してみようということになりました」と協会の担当者は話す。高齢化の進展で、高齢者の移動手段、健康増進のためのツールとしての研究開発を目的にしている。

 昨年12月には、審査委員会のメンバーが中間段階の試作品に試乗。メンバーから寄せられた指摘をもとに、さらに開発を進め、今年3月には最終的な試作品が公表される予定だ。

 ◆お知らせ機能も

 試作中の自転車をいくつか見ると、確かにお年寄りへの配慮がなされている。

 ブリヂストンサイクル(埼玉県上尾市)の「高齢者が安心して乗れる自転車」は電動アシスト付き自転車。足が着きやすい低床タイプで、センサーでスピードを感知して音声でスピードの出し過ぎを知らせるほか、暗くなると自動的にライトが点灯する機能も搭載している。開発部開発1課の西村律夫課長は「全体的に安全で、誰でも乗りやすいユニバーサルデザインの自転車です」。

 宮田工業(神奈川県茅ケ崎市)の「ブレンドアルファ」も低床式。ペダルは滑りにくく、てこの原理を応用して簡単に立てられるスタンドを採用した。堀田製作所(東京都足立区)の「走行支援機構付き自転車」はバネの力で走行を手助けする。モーターでバネを巻き、バネが開放される力を利用。複雑な機構が必要なく、操作が簡単でコストが抑えられるという。

 試作中の自転車が商品化されるかどうかは未定だが、ブリヂストンサイクルは「今回の試作品をベースに何らかの形で高齢者用の自転車を作りたい」、宮田工業も「発売を見越して開発している」と話す。これまで、お年寄りに限定したような名称では逆に乗りたがらない人もいるため、お年寄りに特化した自転車はなかったのが現状という。今回の試作を機に、市場にお年寄り専用の自転車が出回る可能性もある。

 「高齢者が安心して乗れる自転車の試作審査委員会」の委員長を務める東洋大学ライフデザイン学部の米田郁夫教授(福祉工学)は「元気なお年寄りもいるが、自転車に乗りたくても乗れないお年寄りもいる。そういう人が安全に乗れる自転車があることで移動手段の選択肢が増え、ちょっとした用事なら自転車で出かけ、身体的、精神的な健康につながる」と意義を話している。

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 ■「自転車事故死」65%が65歳以上

 警察庁の統計によると、平成20年に発生した自転車が当事者となった事故件数は16万2525件。死者数は717人で、18年の812人、19年の745人と比べると、減少傾向にある。しかし、全交通事故死者に占める割合は、18年12・8%、19年13%、20年13・9%で比率が高まっている。20年の自転車事故の死傷者数を年齢層別で見ると、負傷者は16~24歳が21・2%で最も多いが、死者は65歳以上が65%で最多となっている。

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